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賃貸オフィス・事務所の記事

東北 - 賃貸不動産市場 2014年12月期

需要増と大型空室消化により、空室率は9期連続で低下。

既存ランドマークビルに動き

シービーアールイー(株)の調査によると、2014年12月期の仙台市の平均空室率は、対前期(同年9月期)比0.9ポイント低下の7.8%となり、9期連続で低下した。前期に続き、館内増床や拡張移転が空室率の低下につながっていると考えられるが、今期は集約や拠点統合の動きによる大型空室の消化があり、空室率の低下に拍車をかけた。

2007年以降に竣工した物件は、震災後から引き続き入居率の高い状況が続いており、提供可能な区画面積のバリエーションが少ないため、落ち着いた状況となっている。そんな中、既存のランドマークビルの空室区画に動きが出始めた。これらには築浅物件に見られない面積のバリエーションがあり、テナントニーズに合った面積を提供することができ、特に大型面積の確保が可能なことから、引き合いが出てきている。今後も、大型空室が供給される見込みで、市況に大きな影響が出ると思われる。

エリア別に見ると、「仙台駅西口」エリアでは、仙台駅前を希望するテナントが引き続き多い。各交通機関の利便性を求めるニーズが多く、人気の高いエリアとなっている。一方で、「東口」エリアの動きは鈍くなってきている。震災後、郊外からの移転が多く見られ、震災前に比べ空室率は大幅に低下していたが、現在では動きが落ち着いた状況となっており、空室の変動も少ない。しかし、現在着工している仙台駅東口再開発や、今後予定されているヨドバシカメラ跡地の開発等があることから、同エリアへの注目が高まり、空室消化が進むことに期待したい。

東北主要都市の市況

宮城県以外の東北主要都市では、各エリアともに新規供給案件がなく、落ち着いた状況である。郊外から中心部への移転を考えているテナント企業はあるが、ニーズを満たすような面積・設備を持つ物件がなく、実際の移転につながっていないのが現状である。

北東北エリア(青森・秋田・岩手)では、2016年3月に新青森~新函館北斗間で新幹線の延伸が予定されており、新幹線開業に伴う企業の事務所設置の動向が注目される。また、南東北エリア(福島・山形)では、特に福島県内で、震災後から引き続き空室の少ない状況が続いている。

仙台支店 岩城和利

相場表

種別 賃料(共益費込) 需給の動向 空室率
推移
仙台市中心部 12,000~15,000 円/坪 大型空室の消化に伴い、空室率は引き続き下降傾向にある。新規出店や拡張移転などのニーズも多く、非常に前向きなマーケット動向となっている。 横ばい
郡山市 9,000~13,000 円/坪 引き続き各物件ともに高稼働である。需要は潜在的にあるものの、それに見合う空室がなく、マーケットは鈍化している。 -
盛岡市 9,000~11,000 円/坪 ランドマークビルは引き続き空室が少なく、大型空室も順調に消化されているが、賃貸条件を見直す動きはまだ見られない。 -
倉庫・配送センター
注文建築
3,500~4,500 円/坪 年末の繁忙期であったこともあり、需要・供給ともに静かな動きとなったが、中~大型の新規空室においては市場に出回ることなく契約先が決定するなど、人気物件への需要は旺盛な状況が続いている。 -
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー㈱社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2015年春季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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