空室率上昇と賃料相場低下が継続。今後のマーケットの活性化に期待。
すべてのグレードで空室率上昇
7月に入り、東京では五輪開催の直前に、4回目の緊急事態宣言が発令された。コロナ禍によるオフィス市場への影響は、依然として続いている。
2021年6月期の空室率は、グレードAが対前期(同年3月期)比0.4ポイント上昇の1.9%、Aマイナスは1.3ポイント上昇の3.1%、グレードBは0.7ポイント上昇の2.7%となった。1年以内の空室予定区画を含めた、オールグレードの募集空室率は7.7%と、対前期比で0.8ポイント上昇している。社員の出社率低下に伴い、オフィスの適正面積を検証する企業もあるが、まずは入居中のビルの部分解約や、グループ企業を集約し、移転を回避する傾向が継続しているためだ。働き方改革や適正面積の検証を進めている企業はまだ多く、この傾向は当面続くと予想される。
一方、オフィス計画が検証から実行フェーズへと移行したことによる変化も感じられる。例えば、将来的にも利便性の高い品川駅への期待から、以前より賃料の割安感が高くなっている品川エリアでは、引き合い件数が増えている。シービーアールイー(株)が、リーシングマネジメントを受託している「品川グランドセントラルタワー」では、10坪、70坪、300坪、800坪と幅広い面積帯で募集しているが、各面積帯で引き合いや内見が多い。
東京のオフィスマーケットでは、空室率の上昇と賃料相場の低下は、当面継続すると予想される。企業にとっては、利便性の向上と賃料コストの適正化を実現できる機会であり、マーケットが活性化する可能性が高いと思われる。
新築ビルのテナント内定率低下
今後予定されているグレードAオフィスビルの新規供給量は、2021年は9.5万坪、2022年は10.4万坪、2023年には過去最大規模の24.9万坪となる。今年竣工予定のビルでは、約7割のテナントがすでに内定しているが、来年竣工予定のビルは、まだ10 %未満の成約率と推定される。コロナ禍以前は、1年後、2年後の竣工予定ビルのテナント内定が早かったことを考えると、大きな変化と言える。
先にも述べたが、オフィス計画を進める企業にとっては、賃料やグレードなど、選択肢が広がっている。充分な情報収集を行うことで、働き方改革や賃料コストの適正化を割安に進める絶好の機会と言えるだろう。
ビル営業本部 緒方 良樹
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