オフィス需要の減退により、空室率は上昇傾向で推移。
賃料相場にも影響
新型コロナウイルスの感染拡大から約1年が経過し、4月には3回目の緊急事態宣言の発令、ワクチン接種の遅れや変異ウイルスへの警戒感など、景気回復に対して、不透明な状況が続いている。このような状況下で、企業へのリモートワークの浸透など、働く場所がオフィス外へ拡がりを見せており、賃借面積の見直しやコスト抑制等を検討する動きは、依然として主流となっている。
シービーアールイー(株)の調査による、2021年3月期の空室率は、グレードAが対前期(2020年12月期)比0.3ポイント上昇の1.5%、Aマイナスは0.3ポイント上昇の1.8 %、グレードBは0.6ポイント上昇の2.0%となっており、各グレードで空室率の上昇が続いている。
前述したとおり、テナントの賃借面積見直しやコスト抑制意識が高く、オフィス需要の減退につながっていることが、空室率上昇の要因となっている。今年に入ってからも、引き続き、館内縮小や拠点集約等の大型解約が出ていることから、空室率の上昇傾向は、今後も継続すると予想される。また、賃料設定の見直しなど、相場への影響も出てきている。オーナーとしては、競合物件の増加、ひいては空室の長期化リスクを考慮し、新規テナントの取り込みに対して、柔軟な対応はさることながら、既存テナントの流失防止という点でも、同様の対応が求められている。
企業の移転先の選択肢が増加
リモートワークの常態化など、オフィスに対する役割や考え方の見直しが、具体的な実行フェーズへ移ってきており、オフィスの移転需要は増加している。テナントが、移転先ビルを検討する際に重視する項目の上位として、「交通利便性」「立地」という条件は、コロナ禍でも変わらず、多くの企業がオフィスへの出社を想定した場合に、従業員が通勤しやすい立地である、ターミナル駅周辺を希望するケースが多い。また、クライアントとのコミュニケーションをおろそかにできず、業務集積のメリットを手放すことができないという意向もうかがえる。
空室の顕在化と賃料相場の抑制が相まって、テナントとしては、移転先候補における選択肢が増加している。昨年から停滞しているオフィスマーケットが、活性化することを期待したい。
ビル営業本部 鈴木 歓
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