空室率は上昇傾向で推移するも、企業のプラスの動きが増加。
空室率は2%台に
シービーアールイー(株)の調査によると、2021年6月期の横浜市オールグレードの空室率は2.0%となり、対前期(同年3月期)比0.3ポイント上昇した。昨年の同時期と比較すると、コロナ禍によるコスト削減や縮小移転、撤退といったマイナス面での動きが目立 ったが、今年の3月期から6月期にかけては、新規出店、拡張移転といったプラス面での動きが増えている。コロナ禍の影響が追い風となった業種や、4月の決算期を迎え、新たな移転計画や資金的な準備ができた企業が動き出したことも影響している。
横浜駅周辺では順調に空室消化
エリア別に見ると、「横浜駅周辺」エリアの空室率は2.5%と対前期比1.5ポイント低下した。引き続き、横浜駅周辺の需要は高く、特にクリニックやサービス系の店舗事務所を中心に、駅近隣の物件への引き合いが多いため、空室消化が進んでいる。
「みなとみらい」エリアの今期の空室率は1.6%と、対前期比1.3ポイントの上昇となった。低水準の空室率を維持していた同エリアだが、大手企業とそのグループ会社や子会社も含めた大型解約、他エリアへの集約移転により、空室率が上昇した。また、引き続き、水面下でコスト削減や集約移転を検討している企業がいることに加え、同エリアでは、年内に2棟の新規供給が予定されている。合計で約36,000坪の床面積となるが、両ビルともに、満室での竣工の見通しは立っておらず、今後も空室率の上昇が予想される。
「新横浜」エリアの今期の空室率はわずかに上昇している。エリア内での移転が多く見られた同エリアだが、海老名駅との相鉄・東急直通線を見越したテナントからの相談も増えている。
「関内」エリアでは、みなとみらいからのコスト削減目的の移転や、館内増床が続いているが、空室率に大きな影響はなかった。
「川崎」エリアでは、昨年から予兆のあった大型テナントが、順次解約し、空室率が上昇している。依然として、100坪以上の動きは鈍く、大型解約のあったビルの空室が消化されていない。同エリアには、大手企業の拠点が多数存在し、企業の方針によってはさらなる空室率の上昇が懸念されるため、テナント企業の動向を注視したい。
横浜支店 佐藤 和哉
- 現在募集中の横浜市の賃貸オフィス
- 現在募集中の川崎市の賃貸オフィス
続きを見るにはログインが必要です