神戸:三宮~神戸間に200坪以上の空室はほぼなし。
神戸のオフィスマーケット
神戸の2018年6月期空室率は、対前期比(同年3月期比)で0.9ポイント低下し2.3%となった。3ヶ月間で約1%の空室が消化された格好であるが、細かく見ていくと、フラワーロード東側磯上公園周辺の空室率が顕著に低下しており、これにより三宮~神戸間のエリアには200坪以上のまとまった現空室はほぼなくなった。今後、空室率低下ペースの鈍化が予想されるものの、短期的には優良な二次空室も見込むことができず、当面は、エリア外から神戸市中央区への立地改善や分散したオフィスの統合・ビルグレードアップ等、前向きな大型ニーズがあっても具体化しづらい状況が続きそうである。
こうしたタイトな市況感を背景に、想定成約賃料は対前期比で80円/坪上昇し11,200円/坪となった。空室率低下ペースには及ばないものの、緩やかな上昇基調が保たれた状況となっている。
やや膠着状態となった神戸オフィス市況であるが、その活性化のため、「神戸阪急ビル東館」やそれに続くオフィスビル計画の実現が待たれるところである。
京都:フリーレントの余地もない典型的貸し手市場。
京都のオフィスマーケット
京都における2018年6月期の空室率は、対前期比0.1ポイント低下の0.7%。移転等による二次空室も、館内増床などで空室化する前に消化されていくことで、空室率に大きな変化はなく、2017年6月期以降0%台が続いている。
平均想定成約賃料は、対前期比で1.9%(250円/坪)上昇して13,500円/坪であった。空室率は横ばいで推移しているが、賃料については継続して上昇。グレードが高く高めの賃料となる新規供給がないなかでも、賃料上昇率は全国トップクラスで、当初はランドマークビル等に限られていた値上がりが、マーケット全体に拡大している。
拡張や新規開設など前向きな移転動機に加え、立ち退きや賃料増額交渉によりやむを得ず移転を検討する企業も増えてきたことで、スペースの確保はより一層困難となっている。極めて逼迫した需給バランスと、賃料が上昇する環境下で、物件選定そのものが難しい。賃貸条件交渉では、ほとんど値下げやフリーレント付与の幅がない、典型的な貸し手市場となっている。
関西支社 皆藤誠一郎 崎山愛子
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相場表
種別 | 賃料(共益費込み) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
---|---|---|---|
三宮~神戸 大規模ビル |
15,000円~18,000円/坪 | 前期に続き、駅前や築浅に限らず広範囲で空室が消化されている。 | |
三宮~神戸 中小規模ビル |
8,500円~15,000円/坪 | 空き予定物件の成約も多く、空室消化スピードが速くなってきている。 | |
姫路 | 7,500円~13,000円/坪 | 新築となる「マルイト姫路ビル」の竣工、企業移転により、一部で二次空室が発生している。 | |
明石・加古川 | 6,000円~8,000円/坪 | 明石エリアでは、一部でテナントの動きがあった。 | |
阪神間 | 9,000円~12,000円/坪 | 新規供給が少なく、慢性的な品薄状態が続いている。 | |
四条烏丸 大規模ビル |
17,000円~22,000円/坪 | ほとんどの大規模ビルが満室稼働の状態。空室が出ても、グレードアップや拡張など前向きな需要ですぐ消化されている。 | |
四条烏丸 中小規模ビル |
10,000円~15,000円/坪 | 引き続き、高稼働が続いている。 | |
京都駅前 | 15,000円~20,000円/坪 | 空室はほぼなく、空き予定区画についても館内増床で埋まるケースが多い。 | |
倉庫・配送センター・工場 兵庫 |
3,000円~4,000円/坪 | 兵庫県内陸部で、先進的な大型物流施設の開発が計画されている。すでに竣工した物件では、早期に空室消化が進みつつある。 | |
倉庫・配送センター・工場 京都 |
3,000円~4,000円/坪 | 京都南エリアを中心に面積を問わず空室が少ない。ただし、面積、賃料、スペックにより、空室が長期化する物件も見受けられる。 |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。