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賃貸オフィス・事務所の記事

東北 - 賃貸不動産市場 2019年3月期

空室率はついに1%台に低下。年内は新規供給なく需給は一層逼迫。

館内増床も困難な状況

シービーアールイー(株)調査による2019年3月期の仙台市内の空室率は、対前期(前年12月期)比0.5ポイント低下の1.9%となった。これで最低値の更新は6期連続となり、ついに仙台も空室率1%台に突入した。

テナント企業の業種別需要動向をみると、IT関連企業、コールセンター企業からの問い合わせの割合が多い。また面積拡張、新規出店、設備の改善やグレードアップなどの前向きな動きが多くを占めており、需要は継続的に非常に旺盛である。まとまった空室が減少する中で、移転はもちろん現入居ビル内での増床も難しい場合は、近隣ビルを分室として検討するなどのケースも見受けられる。

一方のオーナーサイドでは、空室が少なくなっていることで、全体的に募集賃料や成約賃料の目線の上昇が見受けられ、既存テナントに対しても増額改定を実施しているビルが増えてきている。

依然、空室は外部への募集を行う前に、館内テナントの増床で決定してしまうケースが増えており、100坪を超える空室がマーケットに出るケースは限定的である。また、外部募集を行った場合でも、1つの空室に引き合いが重複するのが当たり前となっている。移転計画のあるテナント企業は、自社の希望条件を明確化したうえで、情報収集を継続し、物件確保に向けた迅速な判断をすることが重要である。

竣工予定ビルに引き合い

仙台市内中心部においては、今年は新規供給予定がなく、しばらくは空室が少ない状況が継続するため、今後も貸し手に優位な状況が続くだろう。2020年には、花京院、大町、仙台駅東口の各エリアで計4棟のビルが竣工予定であり、それぞれのビルでは早くもテナント企業の検討の動きが見られている。仙台では2017年4月以来の久々のオフィスビルの竣工となり、これらの物件がマーケットへ与える影響について、日に日に注目度が高まっている。

元号が令和に変わった今、駅前の閉鎖した百貨店の再開発等、東北の中心である仙台がどのように活性化していくかは非常に興味の集まるところである。単なる表面上の変化に留まらず、東北全体の牽引役としての役割をどのように担っていくか、そのポテンシャルに大いに期待を寄せたい。

仙台支店 相原 健二

相場表

種別 賃料(共益費込み) 需給の動向 空室率
推移
仙台市中心部 13,500円~16,500円/坪 空室率の低下に連動する募集賃料の上昇は今期も継続。拡張を中心にニーズはあるものの、それらに対応できる物件が非常に少なく、結果として動けないままというケースも見られる。年内は、停滞した市況が続くと考えられるが、来年以降の新築物件竣工時に潜在化していた動きが活発になると、市場全体が活性化していくものと思われる。 横ばい
郡山市 9,000円~13,000円/坪 小規模の面積で動きが散見されるものの、依然として落ち着いた市況。賃貸条件についても、引き続き横ばいである。 横ばい
盛岡市 9,000円~11,000円/坪 リニューアル工事を終え、募集再開となった物件があったため、空室率は上昇した。まとまった面積を確保できる市内では希少な物件のため、今後の動向が注目される。 上昇
倉庫・配送センター
既存
3,000円~5,000円/坪 潜在的な空室も消化が進み、引き続き空室は枯渇した状況。宮城県外を含めた大型空室にも引き合いが出始めており、活性化する市況へ期待が高まっている。
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は BZ空間誌 2019年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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