空室率はやや上昇。企業のマイナスの動きが顕著に。
業種によってはプラスの動きも
2021年12月期の仙台市内の空室率は2.9%と前期(同年9月期)からやや上昇した。仙台市内では、コロナ禍での働き方の見直しからか、縮小移転や貸室の一部返室、拠点閉鎖といった動きが、 2020年よりも顕著に見られた。仙台は、各企業の支店が多いため、本社の見直しが終わってから、支店の見直しに着手をしたためと考えられる。
しかし、そういったマイナスの動きとは逆に、業種によっては、拡張移転や館内増床といった、プラスの動きも見られている。とりわけ、コールセンターなどは、引き続き需要が旺盛で、出店済みの企業では、上述の動きが見られたほか、新規で出店してくる企業もあった。そのほか、中心部よりもやや離れたエリアに事業所を構える企業は、採用面を考慮して、中心部への移転を検討するケースも増えている。また、ウェブ面談を事務所内で行う際、会議室が足りなくなるという問題が起こっており、これに対処する小規模ブースを複数用意するため、増床するという時勢に合わせた動きをする企業も見られた。
今年は既存ビルの動きがメインに
30~100坪辺りの面積帯は、前述した動きからか、物件が増えている。その反面、200坪を超えるような大型の物件は、選択肢が非常に少ない状況である。
そのような中、今年は目立った新築物件がないため、既存ビルの動きがメインとなる。特に大型の面積を確保する場合には、少ない物件の中から迅速に意思決定をするか、一時的に館内増床でしのぎ、 2023年の大量供給までタイミングをずらすという選択肢もあり得る。
2023~24年は、複数の新規供給が予定されており、企業がオフィス戦略を考える上で、非常に重要な年になると思われる。これらの成約賃料が、既存ビルの賃料相場に大きな影響を与えることは、想像に難くない。
数年にわたって大量供給が続いた時期が不運にも金融危機と重なり、仙台のビルオーナーにとっては、非常に苦しい時代があった。しかし、今回大量供給されるビル群に、うまく企業誘致ができれば、より魅力ある都市へと変貌し、都市間競争にも打ち勝つことができるだろう。
仙台支店 山本 和良
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