空室率は1%未満の横ばいで推移。逼迫したマーケットが継続。
横浜駅周辺・みなとみらいで賃料上昇
シービーアールイー(株)の調査によると、2019年12月期の横浜オールグレードの空室率は0.8%と、前期(同年9月期)に記録した、2007年以来の最低値のまま、横ばいとなった。
エリア別に見ていくと、「横浜駅周辺」エリアの今期の空室率は0.9%と、対前期比0.2ポイント低下。1%を下回る、非常に低い水準となった。
「みなとみらい」エリアの今期の空室率は0.8%と、対前期比0.2ポイント上昇した。大型空室が顕在化したビルがあったため、数値に影響を及ぼしたが、多くの企業から引き合いがあり、空室消化には、さほど時間を要さないと思われる。
引き続き、企業側の新規開設・拡張意欲は底堅い。入居テナントから解約予告が提出された際、そのテナントが退去する前に、後継テナントが決まる事例も散見される。逼迫する需給を背景に、「横浜駅周辺」「みなとみらい」エリアともに、賃料が上昇している。
「新横浜」エリアでは、100坪台の空室の一部で、空室期間の長期化が見られる。しかし、全体としては、非常に低水準の空室率が継続しており、タイトなマーケットとなっている。
「関内」エリアも、依然、低水準の空室率で推移し、まとまった面積の空室がない状況である。今年は市役所の新庁舎が完成し、現庁舎からの移転がある。すでに市役所が退去予定のビルでは商談が行われている。
「川崎」エリアでは、一部のビルで数百坪の空室が顕在化し、空室率を押し上げたが、依然、空室率は非常に低い水準にある。数千坪を使用している企業が、エリア外への移転を表明しているが、実際の動きは数年先となる見通しで、しばらくは、タイトなマーケットが続くと思われる。
いすゞ自動車の本社移転
2021年竣工予定の「横濱ゲートタワー」に、いすゞ自動車が本社を移転すると発表した。すでに、横浜市内には多くの自動車関連企業が集積しており、さらなる発展が期待される。
2021年に竣工を予定しているビルの商談が進んでいることから、より大型の面積を求める企業は、2023年以降に竣工予定のビルを、選択肢に入れる必要が出てきている。
横浜支店 古城 直美
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相場表
種別 | 賃料(共益費込み) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
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横浜大規模ビル | 19,000円~28,000円/坪 | 優良物件の空室への引き合いは非常に強く、新規空室も短期間で後継テナントが決まっている。2021年竣工のビルでの商談も進んでいる。 | |
横浜中小規模ビル | 14,000円~17,000円/坪 | 空室は低水準で推移しており、駅から距離のある物件でも空室消化が進んでいる。 | |
関内大規模ビル | 11,000円~15,000円/坪 | 大型空室は少なく空室率は低水準。市役所の移転や金融機関の集約による空室が潜在しているが、すでに引き合いが多い。 | |
関内中小規模ビル | 9,000円~12,000円/坪 | 大規模ビルと同様、空室率は低水準で推移している。 | |
新横浜大規模ビル | 11,000円~14,000円/坪 | 100坪台の空室が以前より増えているが、引き合いは多く空室消化に時間はかからないと見られる。 | |
新横浜中小規模ビル | 11,000円~14,000円/坪 | 空室率は低水準で推移しており、賃料上昇も見られる。 | |
川崎 大規模ビル | 16,000円~19,000円/坪 | 空室率は低水準にあり、解約が出ても空室待ちの企業ですぐに決まる例が散見される。 | |
川崎 中小規模ビル | 14,000円~18,000円/坪 | 空室率は低水準にあり、賃料上昇も見られる。一部でまとまった空室もあるが引き合いが複数あり、空室消化には時間を要さないと見られる。 |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。