旺盛な需要が続く中、大型空室供給の動向に注目。
埼玉エリア、空室依然払底
シービーアールイー(株)の調査によると2019年12月期の「さいたま」エリアの空室率は、対前期(9月期)から0.1ポイント増加し、0.4%となった。引き続き極めて空室は少なく、この状況は当面続くと想定される。そうした背景から強気の賃料設定をするビルが多い一方、賃料20,000円/坪以上の物件については、以前と比べ空室消化に時間がかかるケースも散見される。
その他の埼玉エリアでは、川越で自社使用から賃貸への転用物件や、今春竣工の大型ビルなどまとまった空室供給があったが、大半が成約し根強い需要が見られた。今年は移転に伴うまとまった二次空室が見込まれ、その動向が注目される。
千葉エリア、需要二極化
「JR千葉駅周辺では、徒歩5分圏内において引き続き空室の少ない状況が続いている。一方、千葉駅徒歩10分以上の物件では、テナント誘致に苦戦しており二極化が進んでいる。船橋市内においても船橋駅を中心に需要が強く、空室がほとんどない状況が続いている。
ビル営業本部 川名雄巳 西尾直樹
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種別 | 種別 | 賃料(共益費込み) | 需給の動向 | 空室 率推移 |
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さいたま市 | 大規模ビル | 20,000~30,000円/坪 | ■大宮駅周辺は引き続き物件の規模問わず空室が少なく、特に150坪以上の空室がほとんどない。引き続き賃料上昇基調にあるが、高額賃料帯の物件は成約に至るまでの期間が以前より延びている。■浦和駅周辺は前期同様、20~50坪程度の小規模区画が若干募集に出ているが、まとまった面積の空室はない。 | |
中小規模ビル | 13,000~18,000円/坪 | |||
千葉 | 千葉駅 | 8,000~12,000円/坪 | ■千葉駅周辺では、成約・解約ともに目立った動きはなく横ばい。100坪以上の空室は、検討先があっても成約に至っていないビルがいくつかあり、テナントにとってまだ選択肢がある。■海浜幕張駅周辺では、依然としてまとまった空室が多く、面積を問わず選択肢があるが、300坪程度の成約があり、空室率は若干低下した。■船橋駅周辺は満室稼働のビルが多く、規模にかかわらず空室がほとんどない状況が続いている。■柏駅周辺は需要の多い20~30坪程度の空室は軒並み消化された。引き続きテナント側の選択肢は限られているが、100坪以上の解約の動きも少なからず出てきている。これらが今後、マーケットにどのような影響を及ぼすか、注目したい。 | |
海浜幕張駅 | 9,000~10,000円/坪 | |||
船橋駅 | 11,000~15,000円/坪 | |||
柏駅 | 13,000~15,000円/坪 | |||
茨城 | 水戸 | 7,500~10,000円/坪 | ■水戸エリアは引き続き空室が多く、テナントの目立った動きはない。マイムビル(丸井水戸店跡)のオフィスへの大規模リニューアル工事が完了し、今期より算入されたため、空室率は大きく上昇。6年以上新規供給がない中、この大規模の空室は相当なインパクトを与えると推測される。■つくばエリアでは、ほとんどのビルが引き続き高稼働を維持しており、空室も限られている。需要は高いものの、テナントの希望する面積・賃料とマッチングせず、目立った動きはない。 | |
つくば | 12,000~15,000円/坪 | |||
群馬 | 高崎 | 8,500~13,000円/坪 | ■高崎エリアは、長期化していた比較的大きい空室が消化されたが、小さい面積で新規空室も出ており、依然空室率は横ばい。空室の面積帯が二極化しており、テナントは選択肢が限定される。■高崎駅東口の市街地再開発事業は今後のオフィス市況に少なからず影響を及ばすと思われ注視したい。■前橋エリアは、依然需要が低迷しており、空室は長期化している。空室を多く抱えた物件が散見される。 | |
前橋 | 5,000~8,000円/坪 | |||
栃木 | 8,000~13,000円/坪 | 宇都宮エリアでは全体的に空室消化が進んでいる一方、宇都宮撤退や減床がいくつかあり、2020年4月以降まとまった空室の予定がある。そのため、来年以降、空室率が変動する可能性がある。20~50坪程度の需要が多く、拡張・新規・環境改善などプラスの理由が多く見受けられる。 | ||
新潟 | 8,500~11,000円/坪 | 2020年竣工のJR新潟駅前と古町の新築ビルのテナントはほぼ内定。古町エリアに相対的に空室が多いことは変わらず、賃料が弾力的であってもテナント誘致に時間がかかっている。新潟市全体では今期も空室率はゆるやかな低下傾向。 | ||
長野 | 8,500~11,000円/坪 | 長野市内中心部では、今期も目立ったテナントの動きはなく、マーケットは横ばい。依然として空室は多く、募集期間は長期化し、厳しいマーケットが続いている。 |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。