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統合移転による、戦略的な不動産活用のベストプラクティスが見えた!

出口の見えない経済不況の中、各企業は以前にも増して事業再編や経営統合を積極的に行うなど、経営を根本から見直す動きを強めている。不動産を企業の大きな経営資源として据え、どのように有効活用するのかについて真剣に考えるべき時期が来ているといえるだろう。

前回のコラムでは、企業価値を高めるために中・長期的な視点で「CRE戦略」を考えることが重要であると説明した。今回は、その「CRE戦略」の一 例として、自社所有物件からのオフィス移転と売却を同時並行で進めていく場合の、戦略的な不動産の有効活用について解説していきたい。

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“所有”と“賃借”はどちらが得?

不動産戦略を考えるにあたっては、自社で使用する不動産を「所有」するのと「賃借」するのでどちらが得か、という大きな問題がある。しかし、どちらが良いかは一概には断定できず、会社の資産状況や経営状態、不動産を使用する期間などから総合的に検証しなくてはならない。

具体的にイメージしていただくために、あるケースを例としてご紹介させていただきたい。ここで紹介するケースは、本社屋として使用していた自社所有 物件の老朽化が進み、設備改修の必要性や耐震強度のリスクに直面。また、違法増築部分の判明や、アスベストなどの有害物質の危険性なども指摘された場合で ある。このケースにおける課題解決の方法としては、以下の3つのパターンから物件価値を推量することが考えられる。

  • 自社所有物件の耐震補強を行なう
  • 自社所有物件の建て替えを行なう(一時移転先の確保が必要)
  • 自社所有物件を売却しテナントビルを賃借する

(※今回のケースでは、お客様の事情により、新規購入は想定しなかった)

順を追って、それぞれのプラス要因・マイナス要因を見ていこう。

※図中の○△×については、現在所有している物件の価値や、また、その時の市況によって変動する

※図中の○△×については、現在所有している物件の価値や、また、その時の市況によって変動する

1.自社所有物件の耐震補強を行なう場合

移転コストが発生せず、営業も継続できる。また、自社所有物件のため、エントランスや通路等のスペースに使用制限がない。しかし、修繕費などのコストはかかり、アスベストといった安全面の不安や、増築部分の違法リスクは解消されない。

2.自社所有物件の建て替えを行なう場合

新築のため安全面は申し分なく、1同様に自社所有物件のため、エントランスや通路等のスペースに使用制限がない。その上、自社で使い勝手の良い造作 が可能。しかし、その一方で、建て替え中の一時移転により移転が2回必要となるため、移転コストやその他解体にかかる工事費・新築工事費用など、大きなコ スト負担となる。

3.自社所有物件を売却しテナントビルを賃借する場合

築浅物件であれば安全性は確保でき、所有物件の売却益もある。また、人員の増減などに伴う面積の変化にも容易に対応できるなど、柔軟性は高い。ただ し、自社所有物件と違いビルオーナーや他テナントとの調整の必要があり、また賃借料によるランニングコストは入居している限り発生する。

さらに、長期的なキャッシュフローを比較する際には、入居する期間を何年に定めるかによって結果は異なる。今回のケースでは、9年目までは賃借の方が得だ が、10年以上入居し続ければ、初期投資をしてでも建て替えた方が得というシミュレーション結果となったが、市況が変われば、シミュレーション結果は当然 変わるので、市況予測も重要な要素となる。

このように、短期的なコストだけではなく、さまざまな観点により意思決定をすることが重要である。

キャッシュフローの推移(累計)

以上、賃借と所有の比較について考えてみた。一つの不動産を取り上げてもさまざまな要素から多角的に検討する必要がある事がおわかりいただけたかと 思う。さらに、不動産を複数賃借、所有している場合には、単独の不動産についてどう扱うかではなく、全ての不動産を複合的に考えていく必要がある。
そのため、判断を下す際には、さまざまな可能性を想定して、総合的に判断できるパートナーの協力を仰ぐ事が重要だろう。

検討段階でのタスクを見ていただいたところで、次のページからは、プロジェクトを進行させていく段階での留意点と進め方について、実際の事例を基に説明していきたい。

物件選定・売却・移転。複数プロジェクトの成功に必要な要件とは!

A社はコスト削減を目的として、自社所有物件1棟、賃借物件2棟による計3拠点を、一拠点に集約する事となった。わずか10ヶ月という限られた期間内に、集約移転、物件売却という相互に影響しあう複数のプロジェクトを同時に進行させる必要があった。

プロジェクト成功のためには、内外のリスクをコントロールしながら、あらゆるステークホルダーの満足度を維持しなければならない。そこで留意する点としては、大きく分類して、下記の3つのポイントに集約される。

1.タイムリーな判断

新オフィスのロケーション、必要面積、オフィス環境、建物のスペックなどの物理的な与件を整理すると同時に、売却対象となる物件の正確な価格査定な どにより、合理的な価格を的確に把握する必要がある。また、最新の市況データを把握することで、投資対効果が最大となる移転のタイミングを見極めなければ ならない。

2.客観的な視点からの裏づけ

意思決定をする際の基準や承認プロセスが明確でないと、株主・従業員などを含むステークホルダーに対する説明責任が十分に果たせず、企業として信頼を損なうこととなる。客観的な説明資料およびデータに基づいた判断が必要である。

3.包括的なコントロール

そして一番重要なことは、移転、売却をそれぞれ単体で捉えるのではなく、一プロジェクトとして捉え、包括的な視点でコントロールしていく事だ。その ために、十分なシミュレーションがなされた複数のシナリオを準備し、常に全体を俯瞰しながら、柔軟に舵取りをしていく事が求められる。

これらを踏まえて、実際にオフィス移転と売却を同時に行う場合、どのように進行していくのかを見てみよう。

プロジェクト進行において発生する複雑・難解なタスク!

当プロジェクトにおいては、限られた期間で同時並行して進めるため、その動きは非常に難解で複雑になることをご理解いただきたい。

第1ステップ(所要期間目安:約3~4カ月)

  • 移転フロー
    移転先物件の選定にあたって、ビルのスペック、エリア、面積、賃料などの希望条件の洗い出し、従業員の住宅や営業の利便性などに考慮した社内ニーズの取り まとめを行なう。さらに最適物件を探し、エリアごとのマーケットデータを比較しながらタイミングを計っていく。まずは、的確なデータ収集と体制作りが重要 である。
  • 売却フロー
    権利関係や現地調査等の物件調査を行うとともに、日々変動する市況データを正確に把握する。賃貸ビルや自社ビル用として売却できるのか、更地にした方が高 く売却できるのか、不動産市場における適正な価格やより良い売却先を検討する。新オフィスへの移転タイミングに合わせた売却時期が難しく、調整が必要だ。

第2ステップ(所要期間目安:約1~3カ月)

  • 移転フロー
    候補物件の条件調整、そして契約締結。併せて、入居中のビルの解約通知を行い、入退去に関わる各種関連工事のチェックを実施。詳細計画に基づいた工事の受 発注を行う。オーナーや業者との細かい交渉も必要となる。契約条件や形態を知り尽くさなければ思わぬ落とし穴もあるので、注意したい。
  • 売却フロー
    さまざまな仲介業者への売却依頼は企業にとってリスクとなる場合もある。早めに信頼の置ける仲介業者を選定し、徹底した情報管理下で名声低下・風評被害対 策を行ない、購入検討先への仕向け活動を実施したい。綿密な調査を行った後、購入候補者の内覧対応や複数の交渉を行い、契約に向けた諸条件の調整を行な う。

第3ステップ(所要期間目安:約1~4カ月)

  • 移転フロー
    移転先の工事打ち合わせ、移転のスケジュールに合わせた工期との調整と品質・コストの調整が必要である。入居後もPOEアンケートを実施するなど、従業員へのフォローと改善も大切だ。
  • 売却フロー
    売買契約書等の契約書類を作成の上、売買契約を締結。現地立会いの上、引き渡しを行う。売買代金受領、公租公課等の清算を行う。

成功の秘訣は全体を俯瞰するプロジェクトマネジメントの存在

いかがだろうか。俯瞰的な視点を持ち、自社所有物件の売却タイミングを計りながら、移転のスケジュールを進めることの煩雑さ・複雑さについて、ご想 像いただけたのではないだろうか。実際、売却と移転のタイミングがずれてしまうと、二重のコスト負担やプロジェクトの中断を余儀なくされてしまい、大きな リスクを伴う。

つまり、統合移転プロジェクトを成功させるには、売却・移転におけるあらゆる与件を客観的に抽出することはさることながら、この両輪ともいえるプロ ジェクトを包括的にマネジメントしていくことが何より重要である。このコントロール下にあって初めて、日々変化する外的要因の中でベストプラクティスを導 きだすことが可能なのだ。

そして、これらをスムーズに行うには、あらゆる視野から多角的かつ戦略的にプロジェクトを推進することのできるパートナーの存在が必要不可欠であ る。賃貸仲介と売買仲介、そしてそれらを束ねるプロジェクトマネジメントを包括的にコントロールできるパートナーを選定する事が、プロジェクト成功の必須 条件といえるだろう。

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