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新しいリスクマネジメントの仕組(EHS&S)を知ろう <リスクマネジメント編>

文 ワークプレイス・リサーチ・センタ 代表 小田 毘古
http://www.odahiko.com/

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EHS&Sとは

先の新潟県中越地震やスマトラ大津波は、自然の恐ろしさを我々にまざまざと見せつけた。被害に遭った企業も少なくない。このような大災害を含めて、 企業のリスクは広範囲にわたっている。個人情報の漏出、乗っ取りまがいの買収等、システム上、企業経営上のリスクのほか、自然災害、労働災害等の事故・過 失、誘拐・テロのような恣意的攻撃等、“純粋リスク”といわれる分野も広がりをみせている。

わが国では、建物に関するリスクは総務(施設)、人に関するリスクは人事、環境に関するリスクは環境部門と、担当責任がいろいろな部門に分かれている企業が多いのではないだろうか。

しかし、オフィスの照明や空調がそこで働く人の健康に密接に関連すること、建物のセキュリティが情報漏洩や防犯に関連すること等、迅速な判断と処 置の必要性の高まりや、企業としての社会的責任の拡大から、これらの物理的なリスクと人に関わるリスクを一体化してマネジメントする企業内組織が、米国企 業を中心として現れてきた。Environment(環境)、Health(健康)、Safety(安全)、Security(セキュリティ)の頭文字を とって、通常「EHS&S」と呼ばれている。 EHS&Sを一体管理する目的は、企業として果たすべき次のような使命の実現に向けた取り組みの一環とし て、EHS&Sをマネジメントすることである。

1. 社会に対する責任

2. 顧客満足

3. 従業員の健康増進

4. 安全で快適な職場環境

5. 従業員の安全と会社資産の保護

Environment環境(図1)

図1 Environment/地球環境保全のための活動

事業活動をするうえで、法令遵守はもとより、会社の理念・目的を達成し、環境に対して責任ある企業としての義務を果たし、さらに環境にやさしい企業 として社会に貢献することは当然のことである。これを通じて、会社のブランディングにも好影響を与えることになる。現在は、ISO14001認証におい て、環境貢献を定期的に評価改善していくことが一般的になってきている。

具体的には、次のようなものの管理が挙げられる。

1. 有害物質対策

  • 有害化学薬品の削減
  • フロンの全廃

2. 環境を考慮した製品の開発・設計

3. 資源保護対策

  • 再生紙の利用・各種情報の電子化

4. 廃棄物対策

  • 紙、プラスチック等のリサイクル
  • 設備品のリユース、リサイクル

5. 啓蒙・教育

  • 入社時教育
  • 管理職、一般従業員教育

1.2は製造物責任につながることが多く、管轄は工場等製造開発部門が多い。

また、総務機能の責任範囲は3~5であり、総合的な企業活動としてISOを取得する場合は、全社事務局を設置するのが一般的だ。

Health健康(図2)

図2 Mental Health/ストレスマネジメント

従業員の健康増進を図ることは、企業の生産性に大きな影響を与える。インフルエンザで一時休止に追い込まれた工場も過去にはあったが、これまで健康 管理については、企業のリスクとしての認識は比較的薄かった。しかし、近年の労働を取り巻く環境の厳しさから、メンタルヘルスに問題のある従業員が急増し ており、そのためカウンセリングの重要性が高まってきている。

また、オフィスの照明の明るさや採光、グレア(影)がPC作業に与える影響がクローズアップされ、明るすぎる照明下での長時間の作業は疲労を増し、眼の 障害にもつながることが分かってきている。椅子や机などの家具も、デスクワーカーの身体障害と関連する。これら、「オフィスエルゴノミクス」といわれる分 野の障害を減らすためには、“Health”の健康管理システムを整備することが大切である。

労働安全衛生法では、労働者の危険防止や健康増進のために企業が取るべき措置をいろいろと規定しているが、どちらかというと工場が主体で あった。しかし、これからの知識社会においては、開発技術者や営業等、ホワイトカラーの安全衛生も重要になってくる。このためにやるべきこととして、次の ような事項が挙げられる。

作業環境管理

作業者の疲労を軽減し、作業者が支障なく仕事を行うことができるよう、照明・騒音・空調等に基準を決め、作業に適した環境管理を実施

作業管理

作業時間の管理、業務量への配慮

健康管理

健康診断、健康相談、体操、ストレッチ、リラクゼーション、軽い運動、分煙等の実施

メンタルヘルス管理

カウンセリング、気分転換、ワーク/ライフバランス(仕事と私生活の調和)の実施

啓蒙・教育

作業が心身の健康に与える影響・最適な作業姿勢・休憩・リラクゼーション等についての教育

Safety安全(図3)

図3 Safety/職場における安全に関わる問題

職場における安全に関わる問題は多岐にわたっている。冒頭に述べた地震や津波の災害対策は、FM実践講座  リスクマネジメント編 企業の災害対策プログラムで詳細を紹介しているので、参照していただきたい。

従業員の安全を守るための活動には、次のようなものが挙げられる。

1. 非常時対策

  • 非常時の活動組織編成
  • 定期的訓練の実施
  • 非常時通信網カードの配布
  • 非常食の配布
  • 備品等の耐震対策
  • 通信網の確保
  • 対策本部の確保

2. 安全の確保

  • 作業標準
  • 通路幅基準
  • 机・椅子の基準等

3. エルゴノミクス改善

  • 啓蒙、専門教育
  • VDT作業標準
  • 重量物運搬の取り扱い
  • 各種情報の紹介

4. 交通事故

  • 安全運転講習会

営業に携わっている人や流通センターで働く人には、若い人でもギックリ腰が増えているという。働く環境を真剣に考えれば考えるほど、“Safety”と “Health”の関わりは深まってゆく。これがEHS&Sを一体でマネージすることの重要性であり、必要性でもある。

Securityセキュリティ(図4)

これまでは、セキュリティといえば、不法侵入や盗難等を防ぐための警備の強化、IDカードによるドアの開閉等、施設をどのようにガードするかという 保安が中心であった。しかし、September11(2001年9月11日のニューヨークWTCテロ)以来、思いもかけぬ方向から襲撃してくるテロに対 する防御も、企業にとっては必要となってきた。さらに、誘拐、脅迫、セクハラ等、施設保安だけではカバーしきれない、従業員を守るための多種多様なリスク への備えが加わり、セキュリティの分野は大幅に拡大してきている。従来からある暴力団や総会屋対策も、この分野に該当する。

また、リスクに巻き込まれ、被害に遭わないように、従業員が遵守し、なすべきことを教育しておくことも大切だ。主なものを次に列記する。

1. 職場のセキュリティ

  • IDカードの着用
  • 部外者を後ろに続けて入館させない
  • ビジターは訪問記録を取り、顧客バッジ着用、およびエスコート

2. トラベル上のセキュリティ

事前に、以下の情報を得てから出張する。

  • 犯罪
  • 健康上のリスク
  • ホテルや乗り物での緊急事態
  • 暴動や国際的な敵対感情

3. 情報保護のセキュリティ

  • 離席時の情報管理
  • ノートPCは施錠保管
  • 社外秘は社外秘ボックスに
  • バックアップは必ず残す
  • 不要PCはHDDを必ず消去

4. 暴力のセキュリティ

以下のことは当然に禁止。

  • 他人に対する暴力・脅し
  • 嫌がらせ
  • ストーカー行為
  • 故意に会社・個人の資産を破壊、脅かす
  • 武器の持ち込み

これらの行為をした従業員は、懲戒解雇等の処分とすることを明確にし、徹底する厳しさも必要となる。事の特殊性、重要性から、“Security”の分野を独立させ、EHSとSecurityの二つの組織に分けている企業もある。

図4 Security/会社におけるセキュリティに関わる問題

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上記内容は オフィスジャパン誌 2005年春季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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