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新型コロナウィルス(COVID-19)がフレキシブルワーク戦略に及ぼす影響

CBREは2020年1月、2030年に不動産のあり方がどう変貌するのかを10項目に分けて考察する調査レポートを発表しました*。本調査では社会、文化、人口動態、経済、テクノロジーなど幅広い分野の変化がもたらす影響を浮き彫りにするとともに、物件利用者の変化していくニーズに合わせ、オフィスビルが迅速かつ柔軟に対応していく必要性を指摘しています。

この調査では特に、「一律に出社する勤務形態の廃止が生産性を向上させ、個人の創造性を解き放つ」、「ほぼすべての従業員の移動性が高まり、従業員の生産性とエンゲージメントを可能な限り向上させるために業務拠点を複数に分散したネットワークが不可欠になる」といった予測が示されています。

調査発表の直後、世界各国政府による厳格で強制力のある発令により、企業はオフィスの閉鎖を余儀なくさせられ、ソーシャルディスタンス確保のための指導に基づき、リモートワークに切り替えるよう命じられました。この前例のない大規模なリモートワークの試験的導入はゲームチェンジャーになるのでしょうか。さらに、長期的には企業と従業員にどのような機会をもたらすのでしょうか。

新型コロナウィルス(COVID-19)がフレキシブルワーク戦略に及ぼす影響

短期的には、今回の状況は明らかに経済に対して深刻な打撃を与えています。一方、長期的な世界経済への影響を予測するのは非常に難しいものの、前例のない外出禁止令が施行された現在、世界中のほぼすべての産業と各不動産セクターが厳しい試練にさらされているのは明白です。

今後数十年間にわたり、働き方の慣例や他者とのコミュニケーションのあり方、そしてテクノロジーとの向き合い方を変貌させていく可能性があるような、歴史が変わる瞬間に私たちは今立っています。ここ数週間の間に、企業が従業員をバーチャル環境のもとで働かせる必要性にさらされる中、リモートワークは幅広く普及してきました。しかしながら、多くの従業員が自宅で家庭と仕事の両立を迫られるリモートワークの現状は、理想とはかけ離れています。ソーシャルディスタンス規制の解除後、企業は一体この経験から何を学び、どのような変化を遂げるべきなのでしょうか。

職場の仲間たちがチームとして時間を共にする必要性は、今後も仕事における極めて重要な要素であることに変わりありません。しかし、オフィスへの依存度が低減するチームもあれば、定期的な在宅勤務の継続を希望する従業員も出てくるでしょう。そうなれば私たちは、なぜ、いつ、オフィスに出社すべきかについて、より慎重に検討するようになるはずです。いずれにせよ、企業は引き続き、オフィスを仕事がしやすく行きたいと思える場所にするための環境整備を重視する傾向を一段と強めていくとみられます。オフィス使用に関する新たなパターンの出現は、企業が業務に必要とする面積を再考し、オンラインで効果的にコラボレーションが行える方法を活かしながら従来とは異なる働き方を検討し、作業サイクルの加速と、従業員の生産性向上に寄与するものと考えられます。企業はオフィスでの作業と他の場所で行うリモートワークの適切なバランスを検証し、仕事をする場所としてオフィスが果たす役割を見直すようになるでしょう。

新型コロナウィルス(COVID-19)がフレキシブルワーク戦略に及ぼす影響

この傾向は、場所に依存しない働き方に対する考え方の変化と、企業に対する事業費削減の圧力が合わさることで加速すると想定されます。ガートナー社が最近発表した調査もこの点を浮き彫りにしており、将来的にリモートワークの緩やかな、あるいは大幅な導入拡大を検討していると答えた最高財務責任者(CFO)は回答者全体の75%に上りました。

リモートワークは、マネージャーと従業員の双方にとって繊細なトピックであるため、企業は慎重に対処する必要があります。徹底した精査、明確で率直かつ一貫性のあるコミュニケーションはもちろん、一人一人の健康とウエルビーイング、財務コスト、働き方、テクノロジー、そしてカルチャー構築の課題に対応し支援するプログラムがリモートワークを成功させるためには不可欠です。

重要なのは、従業員がオフィスから在宅勤務へとシームレスに移行し、場所に関係なく生産性とエンゲージメントを維持できるよう、適切なテクノロジー、カルチャー、期待値を設定することです。

また、ワークプレイスの可能性や場所の組み合わせの選択肢は幅広いので、企業は自宅かオフィスかの二者択一にとらわれない方が賢明です。企業は従業員が仕事をする場所と働き方を選択できるよう、テクノロジーを土台としたソリューションと業務拠点を複数提供し、 「複合現実」の構築を検討する必要があります。未来のワークスペースは、いまだかつてないほど動的になると予想されます。

新型コロナウィルス(COVID-19)がフレキシブルワーク戦略に及ぼす影響

CBREは、クライアントと協力し、ここで言及されている様々な課題に対応しています。また、当社が提供する情報・商品・サービスを通じて、現在クライアントが直面されているであろう下記の主要課題の解決支援を行っています。

  • リモートワークを行う従業員が個人的生産性を維持するための支援
  • オフィスへの復帰計画の策定
  • リモートワークを拡大する機会の評価と、それがお客様の不動産ポートフォリオにもたらす影響の評価
  • 将来に向けた企業のレジリエンスの強化

CBREは、「全世界のワークプレイスの再開に向けて」、というオフィス・スペースの使用者(オキュパイアー)および建物を管理するビルオーナーの皆様のために、ワークプレイス再開の際に参考にしていただけるガイドをご用意しました。無料でダウンロードできますのでぜひご利用ください。

全世界のワークプレイスの再開に向けて【無料ダウンロード】

目次

  • リカバリーを促進する基準と方針
  • 安全かつ健全な計画にむけて
  • 部署の枠を超えたリカバリーチームの設置
  • ワークプレイスの再開計画
  • 従業員の職場復帰
  • 継続的な管理とワークプレイスの進化
  • まとめ

作成:2020年5月

▼上記レポート無料ダウンロードページはこちらからご覧いただけます
https://www.cbre-propertysearch.jp/article/covid-19_worlds_workplaces/

TOKYO2030 人・テクノロジー・環境が変える不動産の未来|オフィス

目次

  • 人が変える不動産の未来
  • テクノロジーが変える不動産の未来
  • 環境が変える不動産の未来

作成:2020年1月

▼*日本版調査レポート「TOKYO2030 人・テクノロジー・環境が変える不動産の未来」より、オフィスセクターの内容を抜粋して掲載しておりますので、こちらよりご覧ください。
https://www.cbre-propertysearch.jp/article/real_estate_2030_office/

ご相談は、CBREまでお気軽にお問い合わせください。

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