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情報通信業 G社

ケーススタディ

2009年8月19日

耐震見直しに伴う、900名・3000坪もの一時移転。
大規模移転プロジェクト成否のカギは、一貫したマネジメントにあった!

いわゆる「耐震強度偽装」事件が世間をにぎわせたのは2005年のこと。事件を受け、2006年に建築基準法の改正が行われ、建築確認制度の変更や 罰則の強化などが新たに盛り込まれた。そこで浮き彫りとなったのが、1981年の建築基準法施行令改正以前に建てられた、現行の耐震基準を満たさない、い わゆる「旧耐震」のマンションやビルの存在である。

日本は言わずと知れた地震大国。オフィスビルの耐震性を見直し、いつ襲ってくるかわからない大型地震の恐怖から社員を守り、社員が安心して働ける環境の確保は、ES(従業員満足度)の向上にも大きく影響する。

本社ビルの耐震性見直しに伴う、900名もの一時移転

情報通信業のG社は、従業員2000名を抱え、全国に拠点を展開する業界の老舗企業。G社においても2007年に全拠点が入居するオフィスビルの耐 震基準の見直しを行うことになった。各拠点では、施工会社、ビルオーナーを巻き込んでの調査が進められ、新耐震基準を満たさないオフィスビルについては オーナーサイドによる耐震補強工事が行われた。

しかしG社の業務の中枢を担う東京本社のビルは、竣工して40余年経過していて老朽化が激しく、ビルオーナーが補強工事ではなく建替えをすることを 決断した。そこで浮上したのが、建替え期間中、本社勤務の社員約900名が働くための一時的な移転先を探すという、緊急にして、大きな課題だった。今回の 移転では、3000坪の面積が確保でき、耐震強度の問題がないビルへ限られた予算と期限で移転を行なわなければならなかった。

求められるスピード感と現場ニーズへの対応。
慣れない大規模移転に、進まないプロジェクト

G社は長期間にわたり移転の経験がなく、社内から挙がってくる現状の課題を整理することもできないような状態であった。移転プロジェクトを任された総務部の担当者S様は当時の様子をこう振り返る。

「当時入居していたビルと同規模の3000坪弱という大型物件を限られた予算内と期限で探すだけでも難しいのに、社内の各部署から様々な要望が上がってき ました。空調設備を有する独立したサーバルームの設置、役員専用トイレ、現状と同様の社員食堂といった設備面のリクエストに加え、以前の立地からそれほど 離れないターミナル駅近くの立地がいいという意見も多く寄せられました。一時的な移転先にすべてのニーズに応えるクオリティを求めるべきか、それ以前にそ もそも条件に合う物件が存在するのか。そして、様々な意見が飛び交う中で、最終的に1つの結論に導くことができるのか、不安は山積みでした。」

仮に、移転先が決まったとしても、入居までにどのような作業が発生するのか、何ヶ月くらいの期間が必要になるのか等、具体的な移転スケジュールも不 透明であった。そのような状況下の中で、ゴールデンウィークに移転をすることだけは決まっていた。そのため、ゴールデンウィーク明けに通常業務に支障が出 ない状態になっていなければ、社員からクレームが殺到することが容易に想像できた。担当者の不安は雪だるま式に膨らんでいった・・・。

マーケット動向データを基に、多様な要件を満たす最適物件を迅速に選定

G社の担当者は、移転プロジェクトについてシービーアールイー(以下、CBRE)に相談をもちかけた。
移転の予算と期限を設定し、旧本社ビルに近い東京都心のターミナル駅周辺という条件を伝えると、複数のビル候補が迅速に挙がってきた上に、物件ごとの最適な移転タイミングも提案に含まれていた。担当者S様はこう語る。
「移転先の決定にはとにかくスピード感が求められていました。決裁がスムーズに進まない弊社の体質を危惧していたのですが、CBREさんが、最適な物件の 選定に加えて、近隣エリアのオフィスマーケット動向や具体的な数値・条件を踏まえた資料、移転プロジェクト全体でかかる費用を提示してくれたので、上層部 への説明もしやすく、1ヵ月という異例のスピードで社内決裁を取ることができました。」
結果、G社のニーズに最適な物件を的確かつスムーズに選ぶことができた。

次なる課題は、移転先が2月竣工予定物件であったため、入居を期限までにいかに間に合わせるかであった。通常、ビルの工事が完了するまでは、各テナ ントが使用する貸室の内装、造作に着手できないことも多い。今回の規模の移転であれば、3〜4ヵ月の期間が必要となることが想定される。しかも、特注の空 調設備などを設置する場合、メーカー側も受注生産となるため、さらに時間を要することもある。G社が設定していた期限での入居は到底間に合わないように思 えた。

施工主との調整、オフィスレイアウトを含めた移転に関わるすべてを
一貫したサポート体制で解決

5月上旬までに移転を完了したいG社に対し、移転プロジェクト全体を俯瞰した管理運営を得意とするCBREでは、新ビルの施工主にかけ合い、ビル全 体の工事とG社の造作工事を同時並行で進められるよう交渉。竣工前から段階的にG社の造作工事に着手できる段取りを整え、竣工後2ヵ月半で移転完了を目指 す移転スケジュールを設定した。その結果、G社は希望通りゴールデンウィーク中の入居を実現できたのだ。

引越は5月のゴールデンウィークを利用して、5日間で行われた。これにも理由があった。3000坪クラスの大型移転では通常、週末ごとに4週間程度 かけて徐々に移転を行う。しかし、連続日程で行う方が業務へのスムーズな移行が図れると共に、コストの削減効果が高いことがコストシミュレーションで明ら かになっていたため、今回のプランが採用された。

物件提案だけでなく、ビルオーナーやディベロッパー、施工主との交渉、オフィスレイアウトなどのコンサルティングを一貫してサポートできるというCBREの強みが活かされたのである。

心配していたクレームは皆無。社員からの高い満足度を獲得

G社は旧本社ビルに40年以上入居していたこともあり、社員の多くが本社への通勤を前提に住宅を購入していた。G社がビルを一時移転してまで、旧立 地にこだわったのは、この理由によるところが大きかった。ところが、移転後、約3ヵ月が経った現在、通勤や出張に便利なターミナル駅至近の新オフィスに対 する社員の評価は予想以上に高いものだった。

移転にあたり、社員の通勤時間やコストに関するシミュレーションを事前に行い、物件を選定したことが功を奏したと言える。
G社総務担当S様は移転後次のように言っている。
「物件探しの段階では、移転後に社員からどんなクレームが出るかということばかり考えていましたが、現在のところ、クレームは上がっておりません。社員の声を聞くと、高い満足度を得ることができているようです。」

G社の移転を成功に導いた最大の要因は、移転における物件選定から意思決定のための材料提供、移転プロジェクト全体の指揮を一貫してサポートできるCBREのサービス体制によるものといえるだろう。

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