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広島 学校法人創志学園 クラーク記念国際高等学校 広島キャンパス

立ち退きをチャンスと捉え、広さ3倍の新キャンパスを構築。
新駅開業の注目立地で、元スポーツクラブを大規模改修。

キャンパス

駅ナカという、限りなく利便性の高いロケーションにあった広島キャンパス。しかし、駅の改修により、急遽、移転を余儀なくされることになった。その同校が2015年4月から新キャンパスとしたのは、誕生したばかりの新駅の目の前。突然の、そして短期間の移転プロジェクトの足跡を追ってみた。

日本初。全日型スタイルを取り入れた広域通信制クラーク記念国際高等学校

キャンパス

クラーク記念国際高等学校は、創志学園グループを経営母体に、1992年、全国6番目の広域通信制高校として北海道に誕生した。通信制高校は、登校日数を最低限に限定し、家庭で自分の好きな時間に与えられた学習課題を勉強し、郵送やWeb上で添削指導を受けることで科目を履修する方法を採る。昼間、仕事をしながら毎日学校に通う定時制よりも、出席の負担が少なくて済むことが特長だ。学校教育法の第1条に定められた高校で、一般の全日制高校卒業と同等の卒業資格が得られる。日本では、年間の高校退学者が10万人を超えた時期がある。また、その後には、引きこもりなどによる不登校が社会問題となった。通信制高校の自由な教育スタイルは、そうした彼らの受け皿としても高く注目されている。そんななかクラーク記念国際高等学校がユニークなのは、通信制でありながら日本初の全日型スタイルを取り入れたことだ。生徒は、通常の通信制指導はもちろん、平日の2~3日から5日の登校というコースを選択できる。こうすることで、生徒は全日制と変わらぬキャンパスライフを過ごせるのである。

降って湧いたキャンパス移転計画わずか1ヶ月間の移転候補探し

キャンパス

同校は現在、北海道の本校をはじめ、全国36都道府県に計65のキャンパスを開設し、12,000人以上の生徒が学んでいる。そのうち、校舎や体育館、校庭等を備えた全日校型は北海道の本校のみで、それ以外は、ビルの1棟借りやオフィスビルフロアの賃借など、校舎の有り様も様々だ。その1つである広島キャンパスが、JR広島駅新幹線口駅舎2階にテナントとして入居、開校したのは2000年のことである。30名ほどが入る教室が3つに、小さな部屋が1つだけの校舎に約250名、多い時には450名以上の生徒が通っていた。駅に学校があるため、どうしても生徒たちが大勢、構内に溜まることになる。開校当初は、オーナーであるJRがこうした状況を危惧し、「退去してほしい」と要請されたこともあったという。しかし、駅の構内清掃を生徒のボランティアで行ったり、地元の人達と積極的にコミュニケーションを図ることで、いつしか「ずっと居てほしい」と請われる存在になっていた。

その同キャンパスに、再び移転の話が持ち上がったのは2014年3月、駅の改修工事計画が決定したことによる。JRからの要望は、当面残るとしても、一度、駅構内の他の場所に移転してほしい。また、全面改修が始まる時には、完成までの1~2年は、他に仮移転してほしいというものだった。学校側の選択肢は、完成しても戻れる保証がないまま、2度の移転を受け入れるか、それとも本格的に他の場所に移転するかの2つに1つ。しかも、回答期限は5月初旬までの1ヶ月ほどしかなかった。一方、学校側も課題を抱えていた。「駅ナカキャンパスは確かに便利でしたが、80数坪と手狭で、キャパシティはギリギリ。需要はあっても、途中転入は全く受け入れられない状態でした」。広島キャンパス副キャンパス長の西原浩一郎氏は、当時をそう振り返る。

度重なる移転はコストの面でも、また生徒の負担を考えても避けたい。そこで本格的な移転を前提に、急遽、広島駅近辺を中心に新キャンパスを探すことが決定した。4月の初旬に依頼を受けたCBREは、すぐに十数物件の候補を提示し、その直後から内覧を始めた。だが、多くのビルオーナーは、学校、しかも高校をテナントに入れることなど想定していない。当然、難色を示すことがほとんどだった。そうしたなかでも、最終的に3つの候補が挙げられた。1つは広島駅南側のオフィスビル1階の約200坪で、以前は銀行がテナントであった物件。2つ目は広島駅北口の1棟貸しのビル。そして3つ目が、2014年度内にJRとアストラムラインの新駅「新白島駅」が同時に開業を予定する駅前の、以前はスポーツクラブが入居していた物件だった。

通学利便性と環境への配慮オーナーの積極性が決定を後押し

キャンパス

本校の一押しは、将来的に見ても使い勝手の良い、広島駅北口の1棟貸しのビルだった。だが、現場の考えは違っていた。「広島駅は、繁華街から離れており、県内からの通学には不便なところもありました。その点、新駅である新白島駅はJRとアストラムラインの2路線が利用できるため、在校生の通学はもちろん、新規募集もしやすいのです。それに、周辺には県内一の進学校と、県内有数の私学が2校ある、いわば文教地区なので、地域環境を考えても、こちらの方が新キャンパスを設立するには適していると考えました」。そこで、広島キャンパスでは、この考えを裏付けるために、賃料などの試算表と併せて沿線の学校や生徒数をデータ化し本校に相談。将来性とコストパフォーマンスも加味して、3番目の候補地に最終決定したのは、7月のことである。つまり、5月初旬のJRへの回答期限には、不退転の決意で「移転する」という意思を表明したことになる。

そうした賭けに出られた理由の1つが、オーナーの積極的な誘致姿勢であった。同校の評判を知るオーナーが、長く居てくれるなら初期投資はいとわないと、スポーツクラブの状態から、年明けまでの原状復帰をはじめ、各教室への空調設備の設置まで約束してくれたのだ。プールを埋め、ボイラー室を撤去するだけでも数千万円かかる工事である。また、内装業者も「学校を手がけるのは初めてで、いろいろ試したい」と積極的に提案し、予算以上の施工をしてくれたという。「契約上、駅ナカキャンパスを使えるのは2015年3月31日まででしたが、学校としての最終的な認可を得るためには、2月中旬までに工事を完成させる必要がありました。移転話が出てから、わずか1年足らずでここまで出来たのは、ゴールが決まっているなか、誰が何をするかという役割分担が明確であったことと、オーナーや仲介をお願いしたCBREや、施工業者をはじめ、関係の皆さまが、本当に協力的に進めてくれたことが最大の要因でしょう」。

新駅とともに誕生した新キャンパス3年で3倍の規模拡大を目指す

キャンパス

こうして完成した新キャンパスは約240坪と、以前の3倍の広さになり、5つの教室に加え、「実習室」や自習ができる「学習ルーム」、「図書コーナー」、生徒の在籍記録などを保管する「倉庫」、「職員室」や「面談室」など、以前にはなかった部屋がいくつもできた。内装業者の提案で敷いた芝生敷きの図書コーナーは、生徒に大人気だという。「当校では、広島の様々な名所を学びの場として、課外授業を展開する『街キャンプロジェクト』を推進していますが、その中心として地域との交流を図る重要な拠点がこの新キャンパスなのです。地域とのふれあいを通してこの地に根づき、3年で3倍の規模に拡大することが現在の目標です」。

新駅の誕生とともに生まれ変わったクラーク記念国際高等学校。規模の拡大とともに、生徒たちの健やかな成長を願う。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2015年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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