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空室ゼロでも出店機会を高める3つの方法

  • 2025年7月29日

CBREリサーチ  ディレクター リテールチームリーダー 本田  あす香

 

 

CBREリサーチ
ディレクター
リテールチームリーダー
本田 あす香

サマリー

ハイストリートでは、リテーラーの旺盛な出店需要により、路面店舗の空室区画は枯渇状態にある。今後も出店需要は堅調に続く見込みのため、出店先の確保はますます難しくなるだろう。出店機会を高めるために、リテーラーには柔軟な店舗戦略が求められている。本レポートでは、リテーラーが検討すべき3つの方法をまとめた。

①柔軟な条件設定:店舗の規模や出店時期を柔軟に調整する
②複数の都市を候補に加える:インバウンド目的の出店では東京や大阪だけでなく他の都市も候補に加える
③エリアへの先行投資:店舗需要の増加で回遊性の向上が見込まれるエリアに先行投資する

募集区画をめぐる出店競争が激化する中で、リテーラーには迅速な検討とオーナーへの提案が求められる。したがって、柔軟な戦略によって獲得した複数の選択肢を同時に検討・判断するためには、組織体制の強化が必要となるだろう。また、情報収集や戦略検討には、外部専門家によるサポートを活用することも有効と考えられる。

1. リテーラーに柔軟な店舗戦略が求められる理由

プライムエリアの空室は枯渇

主要なハイストリートでは、プライムエリアの空室区画が枯渇している。全国9エリアの2025年Q1時点の空室率(即入居可能な空室区画が対象)は、銀座、渋谷、心斎橋、栄が0%、表参道・原宿で1%を切った〔Figure 1〕。そして、コロナ禍前の2019年Q4との比較が可能な4エリア(銀座、表参道・原宿、心斎橋、栄)の全てで、2025年Q1の空室率がコロナ禍前の水準を下回った。この状況はコロナ禍前よりもリテーラーの出店機会が限られていることを示唆している。

セカンダリーエリアでも空室率は大幅に低下

セカンダリーエリアの空室率も2023年以降、低下している〔Figure 2〕。2023年は、プライムエリアで賃料が上昇したため、その高い賃料水準を負担できないリテーラーのセカンダリーエリアでの出店が増加した。セカンダリーエリアはプライムエリアに比べて賃料が低く、リテーラーにとって空室区画の選択肢も多く残されていたからだ。

2024年後半に入ると、セカンダリーエリアはプライムエリアで潜在化しつつあった出店需要の受け皿になった。セカンダリーエリアで出店したリテーラーの判断には、同じ業態の店舗の近くに出店することで、そのエリアの回遊性を活かし、消費者を引き込むという戦略的な理由があったと考えられる。

Figure 1:プライムエリアの空室率

Figure 2:セカンダリーエリア 空室率の変化

2025年も厳しい出店競争が続くなか、柔軟な出店戦略が求められる

2025年もリテーラーの旺盛な出店意欲は続くだろう。業態別にテナントの過去2年間の出店実績と、現在の出店需要(希望面積)を比較すると、ほとんどの業態で出店需要が過去2年間の出店面積を大きく上回っている〔Figure 3〕。特に出店需要が旺盛なのは「ファッション」と「ラグジュアリー」、「アウトドア・スポーツ」の3業態である。例えば「ファッション」については、2023年と2024年の2年間の出店面積が8,000坪前後だったのに対して、現在の出店需要(希望面積)はその2倍を超えている。

Figure 3:過去2年間の出店面積と今後の出店需要

今後も募集区画は限定的で、リテーラー間の出店競争は厳しい状況が続く可能性が高い。リテーラーが出店の機会を高めるためには、出店先の選定条件を柔軟に変更し、選択肢を増やす必要がある。具体的には3つの方法が考えられる。

2. リテーラーが出店機会を高めるための3つの方法

①店舗の規模や出店時期を柔軟に調整する

東京のハイストリートでは、現在のリテーラーの出店需要に対して、今後も募集区画が不足する可能性が高まっている。今後3年程度の需給バランスを分析するために、東京における潜在的な募集区画数を推計し、現在の出店需要と比較した〔Figure 4〕。その結果、30坪超60坪以下の区画に関しては、今後の潜在的な募集区画数は出店需要の3割程度しかなく、最も不足感が強いことがわかった。このような状況を踏まえ、リテーラーがエリアや立地を重視する場合は、店舗面積の条件に柔軟性を持たせ、大小様々な店舗計画を検討することが重要だ。

Figure 4:募集区画と出店需要の件数比較(推定値、東京のハイストリート4エリア)

また、リテーラーは、出店時期を柔軟にとらえることで出店機会を増やすことができる。路面店舗は定期借家契約が主流で、契約満了によるテナント入れ替えの可能性がある区画も一定程度存在する。このような区画を狙って、出店時期を3年程度先まで視野に入れることで、検討できる募集区画の数を増やすことができる。

②インバウンド目的の出店先として複数の都市を候補に加える

ハイストリートの出店需要が堅調な理由の1つは、インバウンド消費の増加にある。インバウンド消費を狙った出店戦略では、東京や大阪だけでなく、他の都市でも成果を得られる可能性が高まっている。

インバウンド消費の増加が特に顕著なのは福岡県である。2023年Q3以降、福岡県の訪問者数と消費額(買物代)は増加が続いている〔Figure 5〕。また、従来からインバウンド消費が限定的とされていた兵庫県でも、2024年Q3から訪問者数が回復し、現在では消費額(買物代)もコロナ禍前の水準を超えている。さらに、2025年4月からは神戸空港に国際チャーター便が就航するため、訪問者数は増える見込み。神戸のハイストリートでは2025年Q1の空室率が前期より大幅に低下するなど、リテーラーの動きが活発になっている。これは、リテーラーの売上が国内消費の回復によって増加したことが背景にあると考えられるが、今後は訪問者数の増加によってリテーラーのインバウンドへの訴求効果も高まる可能性がある。国内消費の安定性と成長余地があるインバウンド消費が神戸の魅力となるだろう。

Figure 5:訪日外国人の訪問者数と買物代 2019年同期間に対する変化訪問者数 変動率

③店舗需要の増加で回遊性の向上が見込まれるエリアに先行投資する

ハイストリートでは、再開発による変化やリテーラーの新規出店によって、エリアの出店需要は変化する。したがって、現在は店舗数が少ないエリアでも、将来的な回遊性の向上を見据えて出店することも戦略として有効だと考えられる。その観点から、今注目すべきエリアをFigure 6からFigure 10にまとめた。

特に注目されるのが、大阪のハイストリートである。大阪の心斎橋〔Figure 6〕では、御堂筋で全6車線のうち側道2車線の歩道化を進めており、2025年3月までにプライムエリア内の歩道が完成した。その結果、御堂筋を介した東西の回遊性が高まり、西側でもリテーラーの出店需要が散見されるようになった。加えて、西側には2028年末に開業予定の開発計画があり、ラグジュアリーブランドを中心にリテーラーの関心を集めている。今後、具体的なテナントが明らかになれば、西側の出店需要が増加し、回遊性がさらに向上することが期待される。

また、心斎橋の北にある南船場4丁目でも「飲食店」や「ファッション」、「ショールーム」の出店需要が増加傾向にある。これらのリテーラーの多くは、心斎橋筋の賑わいよりも落ち着いた雰囲気を好んでいるようだ。今後、店舗数が増加して回遊性が向上する可能性があるエリアとして注目される。

Figure 6  大阪:心斎橋

今注目すべきエリア(Figure7 東京:銀座 / Figure8 東京:表参道・原宿 / Figure9 名古屋:栄 / Figure10 福岡:天神)は下記よりPDFをダウンロードしてご覧いただけます

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サマリー

1.リテーラーに柔軟な店舗戦略が求められる理由

2.リテーラーが出店機会を高めるための3つの方法

作成:2025年5月

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上記内容は BZ空間誌 2025年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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