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株式会社ユーザベース| 成長ベンチャーに訊く

ケーススタディ

2022年1月26日

経済情報プラットフォーム「SPEEDA」など、BtoBのSaaS系ビジネスを手がけるとともに、ビジネスパーソンをターゲットとした話題のソーシャル経済メディア「NewsPicks」を運営する株式会社ユーザベース。2008年にワンルームマンションで創業し、2022年7月には経済情報の中心地、東京・丸の内に本社を移転。取締役CPO/CAOの松井氏に、これまでの事業と働く場の変遷と、新オフィスについて語ってもらった。
株式会社ユーザベース 取締役 CPO/CAO 松井 しのぶ 氏

共創・熱・象徴がコアバリュー。
ビジネスを楽しめる世界をめざし、
東京駅至近に新オフィスを開設!

株式会社ユーザベース
取締役 CPO/CAO
松井 しのぶ

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人間らしく働ける世界をめざし 仲間3名で2008年に創業

ユーザベースは、「経済情報の力で、誰もがビジネスを楽しめる世界をつくる」をパーパスとして掲げ、BtoBやBtoCビジネスを展開しています。ビジネスにおける情報収集と分析の課題を解決する、経済情報プラットフォーム「SPEEDA」をはじめ、営業戦略やABMの実行をサポートする顧客戦略プラットフォーム「FORCAS」、新規事業開発や人材育成、組織活性化を手がける企業変革ソリューション・プラットフォーム「AlphaDrive/NewsPicks」など、SaaS系ビジネスのほか、経済ニュースを専門家や業界人のコメントと合わせて読むことができるソーシャル経済メディア「NewsPicks」も運営しています。

創業は2008年で、前代表取締役CEOの梅田優祐と、現代表取締役Co-CEO/CTOの稲垣裕介、新野良介の3名で立ち上げた会社です。2021年に梅田が非常勤取締役になり、稲垣ともう一人の代表取締役Co-CEOの佐久間衡による体制になりましたが、今も事業の主軸になっているのは、創業2年目にリリースした「SPEEDA」です。

「SPEEDA」は経済情報プラットフォームであり、オリジナルで作成しているレポートなどもありますが、基本的には企業の対投資家情報や、トレンドとなっている経済ニュースなど、すでに世の中に公開されている情報が多いです。しかし、それらの情報は通常バラバラに公開されているので、インターネットによるSaaSがここまで広がる以前は、図書館にまで足を運んで情報を探したり、集めた情報を徹夜で資料にまとめたりと、時間と労力が必要でした。また、BtoCの世界では、UI含めてユーザーが直感的に使えるサービスが多く存在していましたが、当時、BtoBの世界ではまだ直感的に使えるサービスが今ほど多くなく、ユーザーがサービスに合わせなければならない時も多くありました。梅田自身も、そのような状況を前職の投資銀行時代に経験し、その苦労を解消しようと創業したのがユーザベースであり、開発したのが「SPEEDA」。機械でできることは機械に任せ、人はよりクリエイティブな領域で仕事をする。それが社会の発展につながると梅田たちは考え、ユーザベースという会社を立ち上げました。

株式会社ユーザベース

ワンフロアであることにこだわり 「場所のパワー」を大事にしたい

創業当初は、品川のワンルームマンションを仕事場にしていたと聞いています。2009年からは赤坂、南青山、北青山と1、2年ごとに移転を繰り返し、メンバーが急増して私も入社した北青山では、150坪のオフィスを借りていました。メンバーが150名くらいになった2014年12月からは、恵比寿で300坪のオフィスを借り、500名になった2018年の夏には六本木の600坪のオフィスへ。2022年7月からは資本業務提携をしている三菱地所さんの紹介で、東京駅からすぐの丸の内のビルにオフィスを構えています。広さは1,400坪で、メンバーは1,000名ほどになりました。

オフィスは、これまで執務スペースがワンフロアであることにこだわり、中でも恵比寿は数百人いるメンバーの顔を覚えるくらいの一体感があり、メンバー一同のお気に入りでした。一方で、その後に移転した六本木のオフィスは、広さが2倍で、近くに美術館や神社があるなど、ビジネスと癒しが共存するような場所だったのですが、事業の数とともにメンバーの数が増え、オフィスキャパシティがいっぱいに。結果として、本社オフィス以外にスペースを借りる事業が出てきたりして、どことなく横のつながりが希薄になった印象がありました。

ユーザベースには、自分の働き方を自分でデザインするという考えがあり、創業以来、働く場所と時間はメンバーの自由にしてきました。しかし、組織が大きくなっても同じオフィスで働く「場所のパワー」があるのは確か。机を並べて隣で仕事をしたり、お手洗いでたまたま顔を会わせたり。六本木にいた最後の年は、梅田が代表を退任して第2創業期がスタートする一方、出社するメンバーが少ないコロナ禍になっていましたが、ビジネスをより成長させるためにも、全員が同じ場所に集まる場所を作りたい、「One Uzabase(ワン ユーザベース)」になろうと移転を決意しました。

株式会社ユーザベース

理想通りのオフィスを構築できた ユーザベースの発信地

現在の丸の内のオフィスは、「共創が起こる場所」「熱を生む場所」「象徴となる場所」という、三つのコアバリューをもとにして設計しました。アフターコロナのハイブリッドな働き方を前提とする一方で、出社時にはメンバー同士のコラボレーションが生まれたり、ユーザー参加型のイベントなどを熱く盛り上げたり。また、丸の内は経済情報の中心地であり、私たちのビジネスを象徴する場所です。東京駅もすぐ近くなので、道ゆく人から社内の雰囲気や配信スタジオの撮影風景が見えたり、ユーザベースという会社を外部に伝えていくことも意識しています。

この場所にオフィスを構えられたのは、三菱地所さんのご紹介のおかげであり、ユーザベースとしては物件の選定に関してそれほど大変な思いはしませんでした。大企業とベンチャーをつなぎ、丸の内の地を一緒に盛り上げていきたいという三菱地所さんとの資本業務提携のコンセプトもありました。また、広さにゆとりがありながらも築年数を経ているので、 坪単価的にもリーズナブルな範囲におさめることができました。さらにはOAフロアもないフルスケルトンの状態で借りることができたので、私たちの理想通りのオフィスをつくることができました。

コロナ禍の現在、出社率は3割ほどですが、社内は完全フリーアドレス制で、事業の隔たりを感じることもなく、フラットな環境で働くことができています。仕事はもちろん、イベントをしたりランチをするなど、公園のように自由に過ごせるエリアもありますし、社内には100mほどの直線の道も設けました。まるでリアルな街をつくっていくような感覚でした。

株式会社ユーザベース

経済情報のインフラとして 世界中のひとに活用してほしい

ユーザベースは、創業当初から、ミッションのフレーズなどに「世界」というワードを入れてきました。それは、現在のパーパスにも反映されており、弊社のサービスを経済情報のインフラとして、世界中のビジネスパーソンに活用してもらいたいという想いが込められています。ユーザベースは現在、東京に本社を置くほか、米国と上海、シンガポールとスリランカにオフィスを構え、16国籍のメンバーが共に働いています。金曜日の11時には、原則としてメンバー全員が集まるタウンホールミーティングを開き、海外のスタッフにも配信しています。外国のオフィスでも、「経済情報の力で、誰もがビジネスを楽しめる世界をつくる」というパーパスや、自由な働き方は共有できており、日本から遠く離れた国でも、同じユーザベースの仲間がいる感覚です。今後は海外へさらに事業を拡大していきたいと考えています。

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上記内容は BZ空間誌 2022年冬季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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