「街区全体で「CO2排出実質ゼロ」大型開発が集中する東京湾岸で、未来へ向けた新たな街を築いていく
サステナブルな環境であるために、街区全体で「CO2排出実質ゼロ」をめざす
「私たち野村不動産グループの本社も、芝浦プロジェクトS棟が完成したらそちらへ移転します。50年、100年と末永く本社を置きたいビルですし、周辺の街づくりにも取り組んでいきます。そのため、芝浦プロジェクトのつくり手としての意気込みは、並大抵のものではありません」。そう話すのは、野村不動産(株)都市開発第一事業本部ビルディング営業一部長兼芝浦プロジェクト本部ビルディング営業部長の辻圭一郎氏だ。
港区のウォーターフロントを舞台とする開発は長年、構想していたものだという。その計画が現実味を帯びてきたのは、浜松町エリアが国家戦略特別区域に指定された2017年頃。その後、2021年10月、芝浦プロジェクトとして旧浜松町ビルディングの建て替え工事に着手した。
約10年をかけて再開発する区域面積は、約4.7ha。高さ約230mのツインタワーを建築し、S棟は地上43階・地下3階建、N棟は地上45階・地下3階建となる。まずは、2025年2月竣工予定でS棟の工事を進め、N棟は2027年度に着工予定。2030年度に全体の竣工をめざす。東京でも最大級となる大型複合開発で、延床面積約55万㎡のフロアには、オフィス・ホテル・商業施設・住宅が入る。また、設計は世界的建築家の槇文彦氏が担当。東京湾岸部の新たなランドマークになることはもちろん、これからの働き方やライフスタイルを提案する場になることが期待されている。中でも注目のトピックは、カーボンニュートラルの取り組みにより、街区全体のCO2排出量を実質ゼロにすることだと、辻氏はいう。「野村不動産は、2050年にありたい姿をめざすサステナビリティポリシーとして、『Earth Pride -地球を、つなぐ-』を掲げており、脱炭素を2030年までに特に取り組むべき課題のひとつとして定義しています。芝浦プロジェクトもそのポリシーのもとで開発を進め、オフィスのほかにホテルや住宅、商業施設や外構なども含めた取り組みになっています。CO2排出量を建物単体ではなく、街区全体として実質ゼロにする例は極めて珍しく、日本初になることをめざしています」。
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