貸店舗・賃貸店舗の記事

都心回帰の現象が鮮明になる中、丸の内、六本木等の新たな商業施設は大変な賑わいを見せている。このような新名所の相次ぐ誕生で都内「エリア間競争」はさらに激しさを増し、若者で賑わう渋谷といえども、決して安穏とできる状態ではないだろう。今号の店舗マーケット特集では、来年6月の地下鉄副都心線開業、また投資家による開発の顕在化や大手家電量販店の進出予定など、今、大きな転機を迎えている渋谷を取り上げる。店舗テナントの出店動向、新規開発概要のとりまとめに加え、渋谷を拠点とする企業・デベロッパーに登場いただき、渋谷の「今」、「これから」にスポットを当ててみた。

シービー・リチャードエリス株式会社
リテールサービス部 工藤 浩樹

商業立地として、渋谷は、JR線と玉川通り・六本木通り(首都高速)を境として四つのエリアに大別されます。四つのエリアとは、通常渋谷の代名詞となるセンター街や渋谷109の所在する『道玄坂・宇田川・神南エリア』。オフィスサポート型店舗や飲食店が集積する『宮益坂エリア』。首都高速より南側の『桜丘町エリア』。渋谷警察署やJRAが所在する『渋谷駅南口エリア』です。その中で『道玄坂・宇田川・神南エリア』は商業集積度が最も高く、私どもも注目しているエリアです。

渋谷の商業地としての特性の一つとして、路面店舗だけでなく、「渋谷109」「パルコ」といったファッションビルや百貨店が核となり街を構成している点が挙げられます。この大型商業施設群が情報を発信し若者を渋谷に引き付けており、地元オーナーが多い路面店舗や中小規模の商業ビルは、その集客に伴う形で、物販、飲食、サービス、アミューズメント等多様な業種業態が出店し賑わいを創出しています。また、JR渋谷駅より放射状に広がる地形が通り毎に特徴を持たせている半面、他の商業地と比べると回遊性を阻害している面もあります。

また、当該エリアではまとまった面積の確保が難しいため、大型の開発は2000年開業の「渋谷マークシティ」、2001年開業の「セルリアンタワー」以降はなく、他の商業地と比較しても少ないエリアです。そういった意味では、来年に予定されるヤマダ電機の出店は、渋谷にとってインパクトのある大型開発といえるでしょう。

渋谷駅周辺マップ
テナント出店トピックス
テナント名(店名) 所在地 規模 スケジュール 概要
A ユナイテッドアローズ 道玄坂
1丁目
約80坪 2007年3月15日
オープン
渋谷マークシティイーストモール1階に「ユナイテッドアローズグリーンレーベルリラクシング」の業態にて出店。
B ファースト・ファースト 渋谷
1丁目
約68坪 2007年3月18日
オープン
明治通り沿い「百瀬ビル」1階・地下1階に出店。 非会員制のコンビニフィットネスという業態。
C ベイクルーズ 渋谷
1丁目
292坪
(店舗面積
5フロア)
2007年3月30日
オープン
明治通りと宮益坂の交差点角地のビル「小林ビル」に出店。 地下1階〜地上3階レディスアパレルの業態。 4階にトレーニングジムでの構成。
D WEGO 神南
1丁目
約153坪
(3フロア)
2007年4月14日
オープン
J-ONE SQUARE 1〜3階に新業態「BRY(ブライ)神南店」として出店。
E コールド・ストーン・
クリーマリー
道玄坂
1丁目
店内6席 2007年4月19日
オープン
渋谷マークシティレストランアベニュー4階に出店。 全米1,350店舗以上を展開するアイスクリームショップ。
F アンドナンド 宇田川町
95
約80坪 2007年4月20日
オープン
ダスキンによる高価格帯のドーナツの1号店(客席数100席)渋谷公園通り沿い。 渋谷ホームズ地下1階に出店。
今後の出店予定
テナント名(店名) 所在地 規模 スケジュール 概要
G アルマーニ・
エクスチェンジ
神南
1丁目
約155坪 2007年9月
オープン予定
公園通り沿い。 路面店として出店予定。
渋谷開発概要
テナント名(店名) 所在地 規模面積 スケジュール 建築主 備考
1 渋谷SEDEビル 道玄坂
1丁目
地下1階
地上5階建
1,259㎡
2007年09月
オープン予定
楠本商店 用途は商業施設。
2 (仮称)
円山町計画
円山町
14
地下1階
地上13階建
11,582㎡
2007年11月
オープン予定
リテック・
コンサルタンツ
道玄坂に面する。 駐車場跡地の開発/用途は店舗・事務所。
3 (仮称)
渋谷公園通り
パークレーン3
神南
1丁目
地下2階
地上5階建
2,259㎡
2007年12月
オープン予定
大成建設 公園通りに面する。 旧公園通りビル他跡地の開発/用途は事務所・店舗。
4 (仮称)
宇田川町ビル
宇田川町
12
地下2階
地上10階建
3,511㎡
2008年05月
オープン予定
コマーシャル・
ディベロップメント・
ツー
井ノ頭通りに面する。 旧ワールドビル跡地の開発/用途は物販店舗・飲食店舗・その他。
5 (仮称)
神南1丁目プロジェクト
神南
1丁目
地上5階建
701㎡
2008年05月
オープン予
クオリケーション 用途は物販店舗・飲食店舗。
6 (仮称)
ヤマダ電機渋谷店
道玄坂
2丁目
地下1階
地上7階建
8,858㎡
未公表 ヤマダ電機 文化村通りに面する。 旧長谷川スカイラインビル跡地の開発/用途は物販店舗。

※ 現地建築計画のお知らせより内容記載

一方、渋谷においても不動産投資による開発の波は、少しずつながらも押し寄せています。ビームスやユナイテッドアローズといったセレクトショップが多く出店している公園通りを中心とした神南エリアにおいては、投資家による中小規模の商業ビルの開発が確認されるようになってきています。神南エリアは、センター街や文化村通り、井の頭通りといった渋谷駅に近い地域より、賃料は低廉かつ安定した傾向にありましたが、このような開発の影響もあり、賃料相場は上昇基調に入っています。

昨今の銀座、表参道など主要な商業エリアでの賃料上昇基調と同様に、渋谷もその例外ではありません。渋谷全体を見ても、局地的に賃料が高いというマーケットから、全体的な上昇基調へとマーケットはシフトしています。

今後の渋谷の展望としては、まず、来年6月開業予定の地下鉄副都心線の影響がどのように波及するかにあります。新線開通で、より広域からの集客が期待され、街としてさらにパワーアップしていくことは間違いないでしょう。商業ゾーンは広がりを見せ、具体的には、明治通り沿いや宮益坂といった現状オフィスサポート色が強いゾーンについても、原宿や青山通りとの回遊性が高まることにより、アパレルショップ等ファッション性を意識した店舗の出店が増えていく可能性があります。また、いまだ正式発表はないものの、老朽化が目立つ渋谷駅そのものが将来開発されるであろうことはまず間違いなく、これらの複合した相乗効果により、今後ますますの発展が期待できるといえます。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2007年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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