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ファッションブランドの店舗戦略

株式会社ベイクルーズ 取締役CSO 小松崎 睦氏

宮益坂変貌の先駆者として
坂下交差点角地に5階層の大型店舗を出店。

株式会社ベイクルーズ
取締役CSO
小松崎 睦

ベイクルーズは、セレクトショップや百貨店等を対象とするカジュアルメーカーとして1977年に設立。女性向けブランド「スピック&スパン」からスタートした後、除々に新しいブランドを開発し、現在は「ジャーナルスタンダード」、「イエナ」、「ドゥーズィエム クラス」などを含めた15ブランドを展開しています。ブランド毎の主たるターゲット層は各々異なりますが、いずれも、ファッション感度の高いオシャレな人たちを対象に、自分流の着こなしを大切にしたブランドであることは共通しています。1984年からは直営店も展開。1店舗1ブランド体制で、現在、全国64店舗で販売しています。

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大都市圏を狙って出店9割以上が成功を収める

どのブランドについても言えることですが、当社が出店地域として視野に入れているのは、東京、大阪をはじめ、政令指定都市クラスの大都市圏のみです。というのも、ブランドの特徴から考え、そういった大都市圏の購買層にマーケットが限られてくるからです。また、外資系ブランドや大手アパレルのように、一つのブランドを幅広く全国展開して知名度を上げていくという手法もあるかもしれませんが、それでは、ブランドの価値は低下してしまいます。それよりも、ハイセンスで希少価値のあるブランドを、需要のある地域に投入していくというのが当社の戦略となっています。市場の大きい東京や大阪を除いては、1都市に対してブランドの出店は1店舗のみというのが基本方針。したがって、すでに一つのブランドが出店している都市の場合、次の重点事項は別ブランドの投入、または新規ブランドの開発となります。そのようにして、ベイクルーズは現在の規模にまで成長してきました。

出店場所の選定にあたっては、私がたたき台を作り、社長と二人で決定しています。このブランドをこの地域に出店しようという戦略ありきで物件を探すというよりも、現実的には、持ち込まれる物件情報に対し、立地や広さに適したブランドをはめ込んでいくケースが多いと言えます。手持ちのブランドが増え、選択肢の幅が広がった今は、特にその傾向が強いですね。仮に30坪の物件があれば、その広さで展開できるブランドを選定するという具合です。あとは、路面に強いブランドなのか、商業施設に入った方が集客できるブランドなのか、マーケットの客層、売上予測などを総合的に判断して決めていきます。

中には、予想に反して失敗した店もありますが、出店の9割以上は成功しています。立地やブランドの選択が正しかったということもありますが、ブランドの持つ力がお客さまを呼んでいることも成功の大きな理由でしょう。

街の変化を察知して出店場所を決める

街は常に変化していくので、それを見極めて出店を判断していくことが非常に重要な要素です。例えば東京・丸の内のように、以前は商業立地としてまったく認識されていなかった街が、丸ビルの開発を境にどんどん商業地へと変化していくケースもあります。逆に、かつて一世を風靡した街でも、商業地としての魅力をなくしてしまうところもある。これはあくまで私見ですが、代官山などは、まさにそう言えるのではないでしょうか。以前はファッションの最先端を行く人たちが多く来街していましたが、数年前から街がガラリと変わり、オシャレな人の足が遠のいてしまったように感じます。当社も「ドゥーズィエム クラス」というブランドを出店していましたが、他の街の店舗はすべて順調に業績を伸ばしているにもかかわらず、代官山店の売上はジリ貧の状態。そのため、代官山からは今年撤退しました。

当社が本社を置く渋谷・神南も、この5~6年で随分変化しました。本社機能と「ジャーナルスタンダード」が入るこのビルが完成したのが、10年前。当時、この辺りは商業地としてはとても静かで、大人のお客さまが多く訪れる立地環境でした。ところが一時期、ジャーナルスタンダードがブームになり、不特定多数の若いお客さまがどっと来店されるようになったのをきっかけに、周囲にも若者向けの店舗が増えていきました。そうして、大人の街から若者の街へと変化していったのです。ジャーナルスタンダードは若い層も取り込めるブランドなので、今も営業は続けていますが、比較するなら、当社にとっては以前の環境の方が良かったと言えるでしょう。

街というのは、どういう街にしたいかという明確な意志がどこかにない限り、どんどん崩れていくものです。例えば、志を持ったビルオーナーさんが多くいらっしゃる場所は、しっかりとした街づくりがなされている。特に最近は、不動産投資ファンド等がビルオーナーになるケースが多く、テナントを選択する基準も高い利回りや賃料が前提となり、街づくりの観点がますます薄れているのが現状ではないでしょうか。

街を変えていく覚悟を持ち渋谷・宮益坂に出店

今年の3月30日に、渋谷の宮益坂下交差点の角に、5階層のファッション複合店舗「B.C.Salon SHIBUYA(ビーシーサロン・渋谷)」をオープンしました。地下1階から地上3階の各階に4ブランド、4階には子会社が展開する加圧トレーニングジムを出店しています。

「なぜ(商業エリアとしては格下の)宮益坂に出店したのか」「ベイクルーズは何を考えているのか」と、何人かの人に言われたのも事実です。渋谷駅から近く、青山へ向かう通過点でもある宮益坂は立地としては魅力的ですが、以前のベイクルーズだったら間違いなく出店しなかった場所でしょう。私自身、宮益坂に対してはあまり良いイメージを持っていませんでした。様々な業種の店舗が混在し、不特定多数の人が往来するこのエリアは、ファッションの店を出店するには適した環境ではないと感じていたからです。それに、宮益坂は他のどの競合ブランドも出店していない未開拓エリア。当社はこれまで、既に出店している競合他社の業績をみて出店を判断するという慎重な姿勢を貫いてきました。自分たちが先駆者になることはあり得なかったわけです。

ところが、今回はあえて先駆者となることを選びました。決め手となったことの一つは、地下1階から地上4階までというボリュームのあるランドマーク的な物件だったということです。これなら街のイメージに埋もれることなく、逆に街のイメージを変えていけるかもしれない。もし、これが40坪程度の路面店で、坂の途中に位置する物件であったら、決めていなかったでしょう。

建物のオーナーが宮益坂周辺の町内会長をされており、宮益坂のイメージを変えていきたいと考えていらっしゃることも、私どもの背中を押す大きな要因となりました。私どもも同じ考えであることをご理解いただき、リーズナブルな家賃設定をしていただいたことは、当社にとって大きなリスク軽減になったと思います。

ただ、物販は地下1階から地上2階までというのが一般的な考え方ですので、上層階をどうするかという問題がありました。これについては、当社の子会社が展開する加圧トレーニングジムを出店させることで解決しました。渋谷駅前徒歩1分の好立地ですから、同業態にとっては、仕事帰りのサラリーマンやOLを取り込める絶好のロケーションと言えます。

ベイクルーズが宮益坂の角地に大型店舗を作れば、後に続く店舗が現れて、街も変化していくのではないか。そんな期待と将来像を抱き、あえて先駆者としての出店を決めました。我々が成功すれば、他店も続いてこの地に進出してくるに違いありません。我々が成功することが、街の変化にもつながっていくのだと考えています。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2007年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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