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プロロジスパーク盛岡|東北再興へ

都市別特集

2022年7月26日

高まる東北の物流ニーズに応え 地域社会への貢献をめざす プロロジスパーク盛岡

みちのくコカ・コーラボトリング旧本社の広大な敷地を買い取り、岩手県・矢巾町に東北最大のマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク盛岡」を開発することになった、物流不動産の老舗企業「プロロジス」。物流における「2024年問題」への施策としてのみならず、その背景には潜在的物流ニーズや、東北エリアにおける経済の回復やアクセス網の向上があったという。巨大な物流拠点の開発に至った経緯やこれからの展望について、プロロジスの開発部ディレクター中山博貴氏、そしてCBREインダストリアル&ロジスティクスの本多善則に語ってもらった。

プロロジス
開発部ディレクター
中山 博貴

プロロジス 開発部ディレクター 中山 博貴氏

シービーアールイー株式会社
インダストリアル&ロジスティクス
本多 善則

シービーアールイー株式会社 インダストリアル&ロジスティクス 本多 善則

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「物流の2024年問題」の解決に向けた 東北エリア最大の物流拠点

みちのくコカ・コーラボトリング旧本社の敷地を取得し、東北最大のマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク盛岡(PP盛岡)」の開発に向けて動き出した、物流不動産の老舗大手「プロロジス」。これまでは東北全域に向けた物流のハブとして、仙台に拠点を設けて顧客の物流を支えてきたが、一方で、トラックドライバーの時間外労働の上限規制改正など、迫り来る「物流の2024年問題」へ向け、東北における物流マーケットや施設立地の見直しに着手。新たな戦略のもと、2022年5月に「プロロジスパーク岩沼(PP岩沼)」を稼働し、2023年11月にはPP盛岡が竣工、さらには「プロロジスパーク仙台泉3」の開発も予定しているという。

「仙台には2006年から進出していますが、当初は特定企業の専用施設であるBTS型が中心でした」。そう語るのは、一連のプロジェクトを牽引するプロロジス開発部ディレクターの中山博貴氏だ。「2008年頃からマルチテナント型も手がけていますが、当時はリーシング面で苦戦を強いられた部分がありました。しかし東北エリアの物流マーケットは数年前とは明らかに状況が変わりました。今回CBRE様と連携し、PP岩沼のプロジェクトに着手したところ、以前とは違って引き合いが多く、竣工前の時点で8割が成約済に。東北における物流市場の盛り上がりを実感しましたね。」(中山氏)

東日本大震災で被災の中心地となった岩手・宮城・福島の3県では、2019年度の製造品出荷額が2010年度の10兆7,637億円を上回る、12兆2,487億円へ回復。また、2021年には、全長570kmにおよぶ復興道路・復興支援道路が全線開通し、海岸堤防の整備など、災害への備えも強化されたことから、その沿線を中心に工場や関連施設の新設が増えているという。「2024年問題を考えたとき、ドライバーが1日で配送できるエリアは、片道3時間ほどの距離内に限られます。その場合、仙台からでは北東北の青森や秋田をカバーできません。そこで、東北における物流需要の高まりやアクセス網の改善を追い風に、PP岩沼に引き続き、北東北への中継地点となる新たな拠点の開設を決定しました。」(中山氏)それが東北最大のマルチテナント型物流施設、PP盛岡というわけだ。

プロロジスパーク盛岡
プロロジスパーク盛岡

先進の巨大施設がマーケットと地域を支えていく

2023年11月竣工予定のPP盛岡は、地上3階建で計画延床面積30,000坪強、敷地面積は22,000坪強を誇る。現時点ですでに2割ほど成約にいたっているというから、ニーズや注目度の高さがうかがえる。中山氏は、先進的かつ巨大なPP盛岡の特長を次のように語る。「1・2階はグランドレベルから、また、3階はスロープを使って直接出入りできるなど、トラックが効率よく各フロアへアクセスし、ワンフロアで平面利用・運営できるように配慮しています。また、荷積みや荷下ろしがしやすいように整備し、1,500坪からの分割利用も可能です。自社倉庫を構える企業も多いなか、事業計画に合わせてフレキシブルに活用でき、さらには使い勝手のよい先進の仕様であることから期待を集めています。」

一方、みちのくコカ・コーラボトリングという、地域に根ざした老舗企業の土地を取得することで実現に至ったPP盛岡。プロロジス広報室リーダーの古川志織氏は、PP盛岡の地域への貢献について、次のような点を挙げる。「みちのくコカ・コーラボトリング様の旧本社では130名前後の方が働かれていました。昨今の物流施設では工場以上に多くの人手が必要となり、PP盛岡では500名ほどの雇用が見込めます。」

ECなどの通販が身近になったこともあり、女性の働き手が増えているという物流施設。プロロジスでも、眺めのよいカフェテリアや、通勤用送迎バスの整備など魅力ある職場環境の整備を進めると同時に、安全・安心な施設づくりをめざしてきたという「。弊社のマルチテナント型施設の標準仕様として、緊急地震速報システムや衛星電話、停電時に72時間、一部施設では最大7日間、電力を供給可能な非常用電源を備えてお客様の事業継続をサポートしています。また、施設が立地する自治体と防災協定の締結を進めており、災害時には地域の皆様の避難所としてもご利用いただけます。物流施設としての利便性の追求はもちろんですが、防災性や職場としての魅力を高めることで、お客様のみならず地域の皆様にも愛される施設をめざしています。」(古川氏)

防災面はもちろん、先進の施設とあれば環境への配慮も課題のひとつになる。「大型マルチテナント型物流施設では、環境認証を取得しています。PP盛岡でも既存LED比で電気使用量を半減できるLED照明を採用し、屋根には太陽光発電設備を設置する予定です。これからの時代や地域の要請に応じて環境に優しい施設にしていきたいです。」(古川氏)

プロロジスパーク猪名川2〔カフェテリア〕

プロロジスパーク猪名川2〔カフェテリア〕

プロロジスパーク草加〔カフェテリア〕

プロロジスパーク草加〔カフェテリア〕

プロロジスパーク猪名川1〔カフェテリア〕

プロロジスパーク猪名川1〔カフェテリア〕

地域社会から信頼される企業・物流拠点でありたい

PP盛岡のような大型施設の開発には、様々な制約のクリアが必要だと、中山氏は語る。「土地が空いているエリアでも、農業振興地域や市街化調整区域の場合は、複雑な手続きを経なければ開発に着手できません。その分、時間を要しますが、PP盛岡の計画地は、もともとみちのくコカ・コーラボトリング様の本社で工業団地内にあったため、プロジェクトを円滑に進めることができました。また、みちのくコカ・コーラボトリング様が同地で長年管理されてきた敷地内の樹木で伐採しなければならなかったものは、内装材やベンチとして最大限活用させていただく予定です。雇用や防災の面に加え、そのような点も地域の皆様に評価いただけたように感じています。企業様の土地をお譲りいただくことは、我々としても制約面でメリットがありますし、PP盛岡をきっかけに今後も検討していきたいと思っています。」(中山氏)

PP盛岡のプロジェクトを遂行するにあたり、施設のリーシングを担当したCBREインダストリアル&ロジスティクスの本多善則は、次のように振り返る。「東北エリアの自治体と連携を深めるみちのくコカ・コーラボトリング様と同様に、プロロジス様にも行政への対応を丁寧にしていただきました。物流ニーズが高まっているとはいえ、地元企業様へ自ら足を運び、中山様から直接ご説明いただくなど、PP盛岡にかけるプロロジス様の思いを関係各所へしっかりと伝えることができたと感じています。開発前に、地元の皆様とコミュニケーションするなかで、当該施設へ期待する声が非常に高かったことは、プロロジス様が進出を決定される決め手のひとつとなったのではないでしょうか。これまでアクションを起こしていなかった企業様が、PP盛岡ができるならと拡張や移転を具体的に検討されるなど、新規供給がさらなる需要を喚起し、マーケットを拡大した印象です。我々としても、プロジェクトをよりよいかたちに発展させることができました。」

PP盛岡のような大型物流施設は、物流拠点としてはもちろん、地域を支え、これからの社会を牽引していく役割も果たす。プロロジスのような老舗企業ともなれば、なおさらその社会的使命は大きいといえるだろう。

中山氏は次のように語る。「PP盛岡では、食品や日用雑貨を中心に北東北の物流を担いたいと考えています。コロナ禍以降、世界情勢は不透明でサプライチェーンにも乱れが生じており、メーカーでは事前に生産部材を多めに確保するなど、在庫積み増しの傾向も見られるようになりました。そのような状況に応えられるよう、我々は物流施設本来の役割を果たすことはもちろん、経済や雇用の創出、防災や環境保全の面でも地域貢献を続けていきます。PP盛岡をはじめ、大型物流施設はもはや単なる倉庫ではありません。開発に伴う様々な制約はありますが、地域の自治体や企業様との対話を深め、今後も全国で物流拠点の開設を進めていきたいです。」

プロロジス施設の雇用創出効果
企業名 プロロジス
施設 プロロジスパーク盛岡
所在地 岩手県紫波郡矢巾町広宮沢
規模 地上3階建
敷地面積 73,713.12㎡(22,298.22坪)
計画延床面積 99,592.21㎡(30,126.64坪)
竣工 2023年11月(予定)
CBRE業務 土地取得に向けたプロジェクト推進(売買仲介等)、リーシング

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上記内容は BZ空間誌 2022年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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