050-5447-7862

平日 9:00〜17:30

物件を探す

事業用不動産のあらゆるニーズを網羅するサービスと豊富な実績で、お客様の課題を解決する最適なソリューションをご提案いたします。

お役立ち情報

CBREが手掛けた、さまざまな業種・規模の移転事例のご紹介を始め、オフィスや物流拠点の移転に役立つ資料・情報をご提供しています。

マーケット情報

独自収集したデータを元に、不動産マーケットの市況を分析予測し、市場変化をいち早く捉え、ポイントをまとめた市場レポートを配信しています。
また、物件レポート、業界トレンド情報など、事業用不動産の最新情報、トレンドを配信しています。

CBREについて

事業用不動産の分野において、世界有数の企業であるCBRE。日本国内におけるその強み、拠点、会社概要をご紹介します。

ヘルプ

物件検索の使い方や、会員サービス、よくあるご質問など、当サイトをより便利にご利用いただくための情報をご紹介します。

仲介業者様はこちら

賃貸物流倉庫・大型貸し倉庫の記事

現地営業マンが語る 北海道物流マーケット

シービー・リチャードエリス株式会社
札幌支店 インダストリアル営業グループ
寳剱 紀昭

ご移転計画のあれこれ、お気軽にご相談ください

CBREでは事業用不動産のプロフェッショナルチームが、お客様の経営課題や不動産にかかわるさまざまな課題解決をサポートします。

北海道の物流市場は最大消費地・札幌に集約

本州から北海道への物流は船舶輸送が全体の約9割を占め、うち過半が苫小牧港で荷揚げされます。この苫小牧から、北海道中央自動車道(道央道)、及び国道36号線を通り札幌に至る動線が、道内物流の中心。従って、この苫小牧~札幌ラインに沿って物流施設が集積しています。また、これら施設から札幌市内へ配送される荷物は、主に食品や雑貨を中心とする消費財となっています。

道内最大の消費地である札幌、物流面から見ても、その周辺エリアが道内における最大の物流集積地となります。苫小牧港からは北に約70km、道央道で1時間強の距離。その中でも最も大きな物流拠点が、札幌市内から約8km南東に位置する「大谷地流通センター」です。1967年に大谷地流通業務団地として開設され、JR貨物ターミナルや公共のトラックターミナル、団地倉庫など中枢の施設が集まっています。ここには、道内ほぼ全ての路線会社を含む約170社の物流企業が集積し、札幌市内向けの荷物の大半を取り扱っていると言われています。近くに地下鉄の駅があるため、物流施設で働く人材を集めやすい立地であることも大きなメリットでしょう。

一方で問題もあります。大谷地流通センター自体の歴史が古いため、多くのストック型倉庫は今の物流ニーズにマッチしなくなってきており、建物の老朽化も進んでいます。建て替えのために近隣で新たな土地を取得しようにも、大谷地内で候補地を見つけるのは難しく、かといって物流集積地である同地から遠く離れるという選択肢は魅力的ではありません。ただ、いずれ土地や建物の権利関係の調整が進めば、北海道内の最もニーズの高い物流適地であるだけに、今の物流ニーズを満たす新たな施設への建て替えが進んでいくのではないかと思います。

大谷地のすぐ北に位置する「米里エリア」にも物流施設が集積しています。米里はより市内に近く、札幌JCTに隣接する好立地でありながら、個人所有が多いため、なかなか開発が進んでこなかった経緯があります。昨今、大谷地の代替地として、市内全域へのアクセスの良さから主に路線会社や飲料系ベンダーが集積してきています。

さらにその北側にあるのが「東雁来エリア」。大谷地や米里より札幌市内に近い距離に位置するのですが、米里と東雁来の間に流れる豊平川により周辺道路に渋滞が起きやすく、また土地の区画が比較的小さなことから、物流ニーズがさほど高まっていきません。札幌エリアの物流集積は、苫小牧からの荷が市街地に入る直前、概して、豊平川以南の大谷地と米里に集中しているのが現状です。

札幌に次いでニーズの高い北広島エリア

札幌エリアに次いで物流施設の集積が見られるのが、その南に位置する北広島エリアです。中でも「大曲工業団地」は、国道36号線に面し、北広島ICへのアクセスも良いことから需要の高い地域です。しかし、札幌エリア同様、すでに、大型賃貸物件、及び開発用地は限られている状況にあることから、賃料相場も札幌・大谷地に比べて遜色がなくなってきています。そこで、さらなる物流のニーズを見込んだ北広島市では、大曲のすぐ南に位置する輪厚に新たな工業団地を整備しており、2010年以降の新規分譲を計画しています。北海道では、冬季の積雪が道路事情を左右するため、物流施設の立地選択には消費地との距離が重要なポイントです。冬季の道路事情を考慮するなら、札幌市内に特化した配送拠点としては、今後、輪厚エリアに広がっていく可能性はあるのではないでしょうか。

石狩エリアには大型共同配送施設が集積

札幌市内から15km北にある石狩エリアには、札幌市内のみならず、道央圏に向けた物流機能を担う大型物流施設が集積しています。ここは、札幌を視野に入れたエリアにおいて最も安価に土地が取得できるため、花王・カネボウやプラネット物流など、主に食品や雑貨など消費財を扱うメーカーや大手量販店向けの物流センターが立地しています。また、東洋水産、横浜冷凍、ニチレイ等の冷凍冷蔵倉庫が集積しており、日本アクセス北海道をはじめとして、メーカーや卸が企業の垣根を越えて共同で物流を行う大型共同配送施設が立地しています。同施設は大型化することでよりメリットが生まれるため、土地が安価に取得できる石狩エリアが適しているようです。とりわけ、営業用冷凍冷蔵倉庫群の庫腹量は、全道一の集積(全倉庫容量約21万トン)となっています。

札幌と苫小牧の中間に位置する千歳エリアには千歳空港があるものの、貨物輸送の9割を船舶が占めていることから空輸の物量自体が非常に少なく、物流市場を形成するまでには至っていません。ただ昨今、土地を安価に取得できることから、デンソーなどトヨタ関連の自動車工場が立地したことで、今後の企業集積及び空港の国際化による物流需要が期待されます。また、近隣の恵庭エリアには、ビールなどの飲料工場が多く建ち並び、工場から札幌市内に向けての配送拠点になっていますが、こちらも千歳同様、特定業種や特定企業の物流ニーズに限定されています。

苫小牧港がある苫小牧エリアは、道内向け貨物の過半が集まる湾岸都市です。道内主要都市へのアクセスの起点として、路線会社が集積しています。苫小牧港が北海道における物流の玄関口である限り、この流れは今後も変わらないでしょう。苫小牧西部地区には、エネルギー関連や工業関連企業が集積しているほか、上組などの倉庫会社が相次いで自社倉庫を増床しています。また、国道36号線沿いにはイオンなどの大型商業施設が立地しています。一方の苫小牧東部地区には、アイシン精機などトヨタ関連企業の新規工場の集積が見られだしました。しかし、物流ニーズは限定的であり、今後の自動車関連企業の集積による物流需要が期待されます。

自社所有の施設が多く賃貸市場が形成されにくい

このように、北海道の物流市場は、最大消費地である札幌を中心に形成されています。道内には広大な土地が広がっていますが、積雪の多い冬の道路事情を考えると、消費地からの距離が離れると利便性が極端に悪くなります。そのため、物流適地と呼ばれるエリアも限られてくるという事情があるでしょう。また、北海道では概して自社所有の施設が多く、テナント企業の数も限定されるため賃貸市場が形成されにくいという特徴もあります。最近では、コスト削減を主眼とした拠点集約ニーズの高まりから、物件の大型化が見られ始めましたが、テナントが求める施設のボリュームは、全国の他都市と比較して相対的に小さいものとなっています。そのため、東京や大阪など大都市部で主流となりつつある汎用性のあるマルチテナント型大型施設の供給は、現状では限定的だと言えるでしょう。ただしこれは、物流再構築や大型集約の成功例が、まだ北海道内であまり見られないことが最大の理由。最もニーズの高い大谷地で、市場が逼迫かつ施設が老朽化していることは事実であり、その展開次第では、また新たな可能性が見えてくるものと思います。

ご移転計画のあれこれ、お気軽にご相談ください

CBREでは事業用不動産のプロフェッショナルチームが、お客様の経営課題や不動産にかかわるさまざまな課題解決をサポートします。

この記事を見た人はこんな記事も見ています

記事を探す

物件をお探しのお客様専用窓口

CBREの記事をお読み頂き誠にありがとうございます。
ご移転のプランニングや優良未公開物件の仲介をご用命の際は右記のフォームからお問い合わせください。

物件相談フォーム