オシャレな人たちが集まる場所が、私どもが目指す場所
コントワー・デ・コトニエの出店を待つお客さまのためにも
できるだけ早く日本全国への展開を
コントワー・デ・コトニエ ジャパン株式会社
代表取締役社長 ベルトラン・ドストレー 氏
フランス発のファッションブランド日本上陸1年で12店舗に拡大
コントワー・デ・コトニエは、1995年にフランスで生まれた母と娘のためのファッションブランドです。一般の方から選ばれた本物の母娘を起用したファッションショーや、広告ビジュアルによる独自のブランドアイデンティティーの確立、その母娘モデルを募集するオーディション「キャスティング イベント」の開催によって、他のブランドにはないお客さまとの特別な関係を築いていることが、当ブランドが支持されている大きな要因の一つです。対象がセグメント化されたファッションブランドが多い中で、私どものブランドはより幅広い層に受け入れられる商品であると言えるでしょう。フランスでデザインされる商品は、トレンディでありながら母と娘の関係のような温かさが感じられる、着心地の良さが特徴です。
始めはフランス国内、パリ、トゥルーズの2店舗からスタートしましたが、その後急速に店舗数を増やし、現在はフランスはもちろん、イギリス、ドイツ、スペイン、イタリア、ベルギーなどヨーロッパの主要都市を中心に、全世界で277店舗を展開しています。
ヨーロッパの次に進出を考えたのが、フランスにファッションセンスが近い日本市場でした。2006年3月、東京に数店舗をオープン。まずは関東地方の主要エリアで展開しようと、恵比寿、横浜ランドマーク、自由が丘、銀座など9店舗を出店しました。同年秋には、全国展開への足がかりとして、名古屋に2店舗、神戸・元町に関西地方における旗艦店を出店。計12店舗に拡大しています。
東京圏以外への展開において、この神戸・元町への出店は、関西進出の足がかりとなります。神戸は、特にオシャレな人が集まるところであり、中でも最もファッショナブルな、大丸周辺の旧居留地というロケーションを選びました。これからここを拠点に、大阪、京都などの関西エリアで、積極的に店舗をオープンしたいと考えています。
20~25坪の小型店舗を路面中心に展開
エリアに関係なく、私どもの店舗の立地条件として重要なのは、「母と娘が揃って買い物に訪れる場所」であることとなります。具体的にそれがどこかは街によって様々ですが、世界のトップブランドが店を連ねる場所だったり、オシャレなお店が立ち並ぶ通りだったり。その街における主要なショッピングエリアということになると思います。また、商業地に限らず、オシャレな住宅街も当ブランドの商圏としては可能性が高いエリアです。例えば、東京・自由が丘などはその典型でしょう。街の中心に位置する商業地だけでなく、母と娘が楽しく買い物できる環境であれば住宅街でも展開できるというのは、当ブランドならではの特徴だと思います。
ヨーロッパではほとんどの店舗が路面店であることから、日本でも路面店を軸に考えています。店舗づくりのコンセプトも、フランスでのコンセプトと同じ。壁は白、床は本物の木材を使用しています。母娘に温かい雰囲気の中で買い物を楽しんでいただき、またショップや販売員にも親しみを感じていただけるよう、20~25坪という小さな店舗面積が主流です。お互いを近くに感じることのできる、小さくて温かみのあるオシャレなブティックが私どもの目指すスタイルなのです。
場所によっては、路面よりも百貨店や駅ビル、ショッピングセンターのほうが出店の可能性が高い場合もあります。そこはケースバイケースで考えています。最終的には、その街の環境や人々の買い物パターンを検証し、物件の賃料や通行量を考慮して判断。ショッピングセンターなどのビル内に出店する場合には、他にどのようなブランドがテナントとして入居しているかが重要な判断基準になるでしょう。
主要商業地や高級住宅街オシャレな人が集まる場所に出店
当ブランドの"顔"としての役割を担うのが、旗艦店である青山店。表参道にほど近い路面を選んだのは、世界のトップブランドの旗艦店が立ち並ぶ表参道エリアへの出店は、日本でのブランドポジションを確立するうえでも重要なステップだと考えたからです。すべての商品ラインナップを陳列し、ブランド全体が見渡せるよう、私どもにしては大型店になっています。
住宅街の路面店として成功しているのが、自由が丘店です。自由が丘はブランドコンセプトに合うオシャレな街。母娘が一緒に買い物を楽しめる街だと思います。自由が丘店はビジネスとしても成功しているので、同店のモデルを今後、全国の地方都市の同じような雰囲気の住宅街に広げていきたいと考えています。
エリアの知名度が高いこともあり、青山店などには、近隣からだけでなく全国各地から買い物に訪れるお客さまがいらっしゃいます。商圏としてはかなり広いと言えるでしょう。一方で、私どものブランドは小型店がメインですので、もっと小さな商圏に絞って出店することも可能です。例えば、名古屋の星が丘テラス店。名古屋市郊外にあるニュータウン・星が丘のショッピングモール「星が丘テラス」に出店しています。星が丘の高級住宅街に住む人々をメインターゲットとしているため商圏としては小さいですが、ファッション感度の高い住人の方々は当ブランドのお客さまとなり、またそういった方々が買い物をされる場所として星が丘テラスが位置づけられているので、お客さまのレスポンスは非常に良いと感じています。
横浜市郊外の港北ニュータウンの中心エリアに位置するショッピングモール「モザイクモール」内のモザイクモール港北店も、同様のコンセプトで作られています。
このように考えていくと、出店したい魅力的な街は国内にまだまだたくさんあります。例えば吉祥寺などもそうでしょう。この街は、関東全体で見ればさほど大きな街ではありませんが、人が住みやすく、買い物しやすい街。20代であろうと50代であろうと、一人でも二人でも買い物を楽しめる環境である点が魅力だと思います。他に中部地方では、一大ショッピングエリアを形成している名古屋駅周辺もぜひ出店を検討したい場所の一つ。こういった魅力的な場所には、条件に見合う物件が見つかり次第、出店していきたいと考えています。
また、都心部の再開発や新たな街の誕生にも注目しています。私どものブランドは、世の中の新しい変化にもダイナミックに対応していけるブランドですから、コンセプトに合う場所があれば、こういった不動産プロジェクトにも積極的に参加していきたいと考えています。
全国展開の次のステップとしては、関西地方での店舗数を増やしながら、札幌、仙台、福岡など他の政令指定都市への可能性を探っていく予定です。現在はまだ関東地方を中心とした12店舗のみですが、雑誌広告等を通じたブランドコミュニケーションは全国に向けて行っています。しかも、ブランドの方針として卸は行わず、基本的に私どもの店舗での販売のみなので、既存店舗には全国各地からお客さまが来られているという状態です。地方でもコントワー・デ・コトニエの出店を待つお客さまが大勢いらっしゃいますので、できるだけ早く全国各地にショップを作っていきたいと思っています。
どんなに小さな街にもオシャレな人はいます。そういった人たちがどこで買い物をするのか、自分の街なのか近隣の地方都市なのか。オシャレな人たちが集まる場所が、私どもが目指す場所です。
全国に何店舗あれば十分だというリミットは今のところ考えていません。母娘が買い物を楽しめる環境で良い物件があれば、順次出店していき、日本でのブランドプレゼンスを高めていきたいと考えています。