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mizuiro ind AOYAMA|店舗出店ケーススタディ

  • 2025年11月25日

常識を覆す挑戦で業界の壁を破る!「ファッションで人を笑顔にする」ために、ブランドの世界観にこだわり抜いた店舗づくり。

mizuiro ind AOYAMA
マザーズインダストリー株式会社

mizuiro ind AOYAMA

世代別のカテゴリー分けが常識だったレディスファッション業界において、2004年のブランド立ち上げから一貫して「エイジレス」にこだわってきたmizuiro ind(ミズイロインド)。その運営母体であるMother’s Industry (マザーズインダストリー)が2025年6月、東京・青山にアジア戦略の拠点となる旗艦店をオープンさせた。国内ではこの店舗だけで常設展開するユニセックスの新たなラインをはじめ、既存の枠にとらわれないチャレンジやそれにかける思いと出店戦略を、代表取締役の笹野信明氏に聞く。

mizuiro ind AOYAMA

年齢という枠組みを取り除き、多世代に支持を得たmizuiro ind

すでに成熟産業として長い時を経ているファッション業界。雨後の筍のごとく新たなブランドが生まれては消える、まさにレッドオーシャンである。その中にあって、誕生の時から独特の感性を貫き、業界の常識を打ち破る独自路線で着実に成長してきたのがMother’s Industryのmizuiro indだ。

同ブランドの独創性の一つに、創業時から一貫した「エイジレス」の追求がある。今でこそ広まりつつあるが、20年以上前のレディスファッション業界では、20代向け、30代向け、あるいはミセス向けといった世代ごとのターゲットに向けてデザインするのが常識だった。「年齢にとらわれずに格好いいものを提案したい。ラグジュアリーブランドではすでにやっていることだし、わざわざ垣根を作る必要はない。当時勤めていた会社には受け入れられない考え方だったので、これが独立の原動力になりました」。そう語るのは同社の代表取締役である笹野信明氏だ。こうして2003年9月、同社はマーチャンダイザーだった笹野氏と、デザイナーの二人によって大阪で創業された。

二つ目の注目点は、CREDO(クレド)に対する深いこだわりだ。クレドとは企業活動の拠り所となる価値観や行動規範を表現するもので、日本語では信条や志と訳される。創業時、たった二人でありながら、将来を見据えたクレドを詳細に検討していたのだ。その最初にあるPHILOSOPHY(哲学)は「ファッションで人を笑顔にする」こと。続くVISIONとして「全ての人が知っているブランドになる」ことを掲げている。さらにCULTURE、MINDなどそれぞれ複数の項目を子細に記しているのだ。

こうした考えのもとに、2004年にオリジナルファッションブランドである「mizuiro ind」をスタートさせた。ブランドコンセプトは飾らない人(Simple)、自分らしく服を楽しむ人 (Ageing)、こだ わりの あ る人(Personal)にシンプルでコーディネイトしやすい Japanese Trad を提案すること。ちなみにブランド名はデザイナーが子どもの頃から好きだった色である“ミズイロ”と、理屈なしに好きでいられる服を作り続けたい、という思いから名付けられた。

mizuiro ind AOYAMA

目指しているのは、年齢に関係なく、誰でも楽しめるエイジレスで、場所やシーンを選ばないシーンレス、季節に左右されないシーズンレスなデザイン。特徴的なのはパンツなど一部を除いて、アイテムのほとんどがワンサイズのみであること。カラーもホワイトやブラックを中心にニュートラルカラーの2~4色の展開。これがブランドコンセプトと相まって、幅広い年齢層に受け入れられている。

それから20年余り、現在では旗艦ブランドであるmizuiro indに加え、「MidiUmi (ミディウミ)」「MIDIUMISOLID(ミディウミソリッド)」「MARMARMAR(マーマーマー)」といったブランドを展開。また、これらの販売チャネルとして、ミズイロインドを中心に国内外のブランドをミックスしたセレクトショップ「MARcourt(マーコート)」や「MARcourt DESIGNEYE(マーコートデザインアイ)」を、北海道から九州まで、全国に50店舗以上の直営店を運営している。

加えて公式ECサイトの「MARcourt ONLINE STORE」やスマホの公式アプリ「Mpasscase(エムパスケース)」も運営しており、コロナ禍における経営難を支えてきた。「店舗での接客や、デジタルの活用の仕方次第で、レッドオーシャンをホワイトオーシャンに変えることも可能でしょう。今はその転換期と考えて、様々なトライアルを行っています」(笹野氏)。

mizuiro ind AOYAMA

キーワードは「ファッショナブル」ベストを尽くすことのみが成長戦略

笹野氏の経営哲学の独自性は他にもある。例えば先にあげたいくつかの自社ブランドにしても何ら制約を設けていな い。 mizuiro indについても自ら立ち上げた最初のブランドとしての愛着はあっても、そこに執着する気はないという。「会社自体がコングロマリット(複合企業体)化して、いろんな人たちがいろんなキャラクターで様々なことをチャレンジしていいのかなと思っています。だからMother’s Industryはこうあるべきという固定観念は持っていません。ファッションで人を笑顔にするっていうフィロソフィーに沿って、ファッショナブルであれば、別にアパレルでなくてもいいんです。逆に、時流で今はこれが儲かるから、これが効率がいいからやるといった考え方は、Mother’s Industryでは認められないです」(笹野氏)。そう言い切るだけに、ものづくりにあたっては、常にベストを尽くす。お客さんを笑顔にするために仕事をやり抜いたかどうかを、スタッフに約束事として求めているという。

こうした思考の柔軟性は販売戦略、ひいては成長戦略にも表れている。一般的には創業何年で店舗数はこれくらい、売上高は前年対比何倍のいくらくらい、といった目標を立てがちだろう。だが同社では、売上高や店舗数はマーケットが決めるものと考えている。ベストのバランスの価格をつけて、それでも欲しいという人が一人でもいれば、そこに届くように配荷率を上げる。それに従って必要な店舗数はおのずと見えてくるということだ。

つまり、売上や店舗規模よりも先に、一人でも多くの顧客に商品を届けることが最優先される。その表れが、直営の店舗やECに加えて、ホールセール(卸し)にも注力している点だ。同社には100社を超える卸先である地方のセレクトショップがある。時にはそうした卸先の近くに直営店を出店することもあり、かつては卸先からクレームが来ることもあったが、出店後も同様に卸し続けることで問題は解消するという。「卸先さまは『全ての人が知っているブランドになる』というビジョンを実現すべく、ともにミズイロインドを広めてくれるパートナーとして欠かせない存在です。現在では皆さんが理解してくれ、Win Winの関係を築けています」(笹野氏)。

また直営店を出店する際も、スモールスタートを基本方針としているという。仮に資金があっても、小さく始めて、需要に応じて少しずつ規模を拡大していく経営手法を取っている。

mizuiro ind AOYAMA

海外進出の第一歩として、青山に旗艦店ポイントはジェンダーレスファッション

2025年6月には、mizuiro indのフラッグシップショップ「mizuiro ind AOYAMA」(FLAGSHIP SHOP TOKYO)を、東京・青山にオープンさせた。1階が128.63㎡、2階242.63㎡、トータル371.26㎡の2フロア構成で、約110坪のサイズ感は、これまでで最大である。

この青山店には二つの大きなミッションが託されている。一つには本格的な海外進出に向けての拠点となること。同社では以前からフランスやアメリカの展示会に出展し、海外のセレクトショップに卸していた。コロナで一時期は停滞したもののすでに再開させている。そして今回の青山店はアジア圏を視野に入れた旗艦店とすべく、開発を決めた。「最初は台湾で…とも思ったのですが、世界中からいいブランドが集まるファッションの聖地ともいうべき青山でやってみたいと思い、ここに決めました。商圏としては飛行機で5~6時間の国々を想定しています」(笹野氏)。

そしてもう一つのミッションは、mizuiro indというブランドを孵化(インキュベーション)させる場所にすること。単にリブランディングするのではなく、まだ見えていないmizuiro indの一面をさらに深掘りし、気づいていないところを膨らませることで、ブランドの見えていない一面を表現する。これにより、mizuiro indが持っている多様な可能性を可視化し、ブランドの解像度を上げていくという。

そのmizuiro indが、青山店において新たなチャレンジとしているのが、「ジェンダーレス」である。昨年秋、フランス・パリで行われた展示会「Premiere Classe 2024」に出展した、ブランド初となるユニセックスライン「mizuiro ind Free People」を国内で唯一、青山店限定で常設展開するという。

男性、女性のどちらが着ても魅力的なコレクションであり、しかもワンサイズで展開。まさに既存の概念を打ち破る挑戦であり、そのために展示用のトルソー(マネキン)もオリジナルでの開発が検討された。「破壊的な考え方というか、今までのセオリーと違うことにチャレンジする。その表現が国境を越えて『いいね』って評価してもらえるものが作りたかったし、それを実現するのがMother’s Industryのスタンスです」(笹野氏)。

こうした世界観を伝える上で最も効果的な媒体が、リアリティのある店舗空間である。実際に商品を手に取り、スタッフとの対話を通じてブランドの世界観を体感できるリアルな店舗は、情報発信する上で極めて重要だ。だからこそ青山店には、笹野氏のこだわりが詰まっている。白壁やコンクリート、木、石などのシンプルな素材で構成した、ミニマルで洗練された空間にはアートやアンティークファニチャーを配し、アートギャラリーのように訪れる人にインスピレーションを与え、ショッピングにとどまらず、感性を刺激する場と時間を提供している。お店を彩る設えの数々は、笹野氏自らパリに買い付けに行き、交渉を重ねて調達してきたこだわりの逸品ばかりだ。

だがこれらも、会社の財務状況やキャッシュフローといった「体力」を最優先に判断したという。経営の健全性により、会社内部の条件が整ったからこその新たな挑戦である。今後は韓国や台湾にも店舗展開を進め、ブランドを世界に広げていきたいと考えている。

mizuiro ind AOYAMA

企業の方向性を導き出すクレド、スタッフ一丸でトップブランドへ

「ブランドは全員で作り上げるもの」と語る笹野氏。自ら現場に深く入り込むことで、ブランドへの思いや哲学を隅々まで浸透させ、それがスタッフの接客にも表れる。それゆえに青山店で買い物をした顧客から「接客が良かった」と喜ばれることが何よりうれしいと話す。「うちの若いスタッフは優秀。クレドに共感してくれることで同じ価値観で行動できますし、判断材料となる情報もたくさん持っていて、器用な人が大勢います。後はしっかりと向き合って教育することで、みんな一気に成長してくれる」という。開店時がピークと言われがちなイメージを払拭し、彼らとともに常に何かを発信する店にしたいと考えている。

「クレドのMINDの項目では『人を育て、会社を永久存続させる』と記しています。すべての人が知っているブランドになるために、自分ができるところまでは全力で走ってバトンをつなぐ。自分では達成できなくても次の世代は必ず受け取ってくれると信じていますから」、と語る笹野氏。成熟した市場でいかに差別化を図り、独自の哲学を貫くかという、現代のビジネスにおける普遍的な課題への挑戦を続ける笹野氏の情熱と戦略が、ファッション業界の未来を切り拓くと言っても過言ではないだろう。

mizuiro ind AOYAMA
mizuiro ind AOYAMA
企業名 マザーズインダストリー株式会社
施設名 mizuiro ind AOYAMA
所在地 東京都港区南青山5-6-19 MA5
営業時間 11:00 ~ 20:00
定休日 不定休
アクセス 東京メトロ「表参道」駅 B1出口 徒歩1分
オープン 2025年6月14日
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上記内容は BZ空間誌 2025年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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