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【第1回】「満足度」を聞くのはもう古い?ファクトベースで組織の今を可視化。CBREが「組織診断パルスサーベイ」を開発した理由

  • 2026年2月17日

働き方の多様化や人的資本経営への注目が高まる中、オフィスのあり方も「ただの働く場所」から「組織のパフォーマンスを最大化するツール」へと変化しています 。こうした背景を受け、CBREのアドバイザリーサービスでは、客観的な指標に基づいて組織の現状を可視化する、「組織診断パルスサーベイ」という新たなソリューションをリリースしました 。

今回よりスタートする連載では、本サーベイの開発者であり、人的資本経営アドバイザリーサービスと社内人事の両面で活躍する齊藤 敦子ディレクターにインタビュー 。CBREが「人・組織」にフォーカスしたソリューションを提供した、その深層に迫ります 。第1回は、事業用不動産のサービス企業が組織診断を行う意義は何か、他のサーベイとは何が違うのか? その核心を語ってもらいました 。

シービーアールイー株式会社 齊藤 敦子

齊藤 敦子(さいとう あつこ)

シービーアールイー株式会社
バリュエーション・アドバイザリー&
コンサルティング・サービス本部
コンサルティング・サービス
ストラテジック・ソリューション
兼 人事部 Talent & Organization
ディレクター

パルスサーベイとは?

人的資本経営の視点からCBREが独自に導き出した組織の持続的成長に必要な
16のファクターを基にした診断サービスです。社員エンゲージメントとビジネス成長に関わる要因を、ハード(オフィス環境)× ソフト(組織・人材)の両面から包括的に可視化します。

組織診断パルスサーベイ

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日本企業の課題は「戦略」と「人」の接続不全

―― まずは齊藤さんのバックグラウンドについて教えてください。人事部として社内のマネジメントに携わる傍ら、社外のお客様に対して、人的資本経営に関するアドバイザリーをしていると伺いました。

そうですね、少し珍しいポジションかもしれません。もともとはホテル業界出身なんです。大手外資系ホテルグループで、組織開発や人材開発をメインにキャリアを積んできました。

勤めていた企業はいずれも、その当時、世間でまだあまり認知されていなかったビジョン経営やミッション経営、人的資本経営といった新たな経営手法を、早期に取り入れていた企業です。私はそうしたノウハウを社内の組織づくりで実践するとともに、社外のクライアントへコンサルティングとして提供する仕事をしていました。

現在はCBREでも、同様のコンサルティングを行い、「人と組織のポテンシャルをどのように引き出すか?」という課題に日々向き合っています。今回リリースした「組織診断パルスサーベイ」は、これまでの知見を詰め込み、企画から設問設計まで私が開発したものです。

――今、多くの企業が人的資本経営に取り組もうとしていますが、齊藤さんから見て、日本企業が抱えている共通の課題とは何でしょうか?

人材・組織開発において 多くの日本企業が陥りがちなのは「戦略」がないまま具体策に走ってしまうことだと思います。ここで言う戦略とは、目標を達成するために「どのような人材が必要で、どう配置し、どう能力を引き出すか」という全体像のこと。採用や教育といった具体的な施策は、これにもとづき取り組んでいかなければなりません。

しかしビジネスの現場においては、自社の主軸事業の戦略はしっかりと練るのに、それを実行する「組織・人材」の話になると、全体像を描かずに個別の施策へ走ってしまう事例が少なくありません。例えば、流行りの研修プログラムを安易に導入してしまうなど、考えられるケースです。

テクノロジーが指数関数的に進化し、企業を取り巻く業界構造もめまぐるしく変化する「VUCA(ブーカ)※」と呼ばれる不確実な時代においては、組織や人に関しても、思い付きや過去の延長ではなく、到達したい未来から逆算し、その実現に必要な能力・構造・カルチャーを意図的に設計し、変化に応じて柔軟に更新することが重要であると考えます。そして、当然その設計の中には、「如何に自律的に考え動き、新しい価値を創造できる人材と組織を作っていくか」が織り込まれているべきです。

それなのに評価制度(KPI)を見ると、イノベーションを起こすために重要な「社内での横断的なコラボレーション」などの重要な要素が評価項目に入っていない、ということがよくあります。このような組織の問題点を正しく知り、戦略レベルで人と組織をどう動かすか。そこに向き合うことこそが重要だと感じています。

※VUCA: Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べた言葉 。社会情勢やビジネス環境の変化が激しく、将来の予測が困難な状況を指す

シービーアールイー株式会社 齊藤 敦子

「満足していますか?」とは聞かない。こだわったのは「ファクト(事実)」

――そこで開発されたのが「組織診断パルスサーベイ」なんですね。しかし、読者の中には「なぜオフィスの賃貸仲介や構築支援を行う不動産会社が、組織診断を?」と疑問に思う方もいると思います。

理由は大きく2つあります。 1つは、オフィス環境という「ハード」だけでは、お客様の経営課題を解決しにくい時代になったからです。最近は、オフィス移転や構築にあたって「社員をどう動かしたいか」「どんな働き方を促進したいか」という「ソフト(組織)」面から逆算して考えたい、という企業様が非常に増えています。オフィスは単なる場所ではなく、経営課題を解決するツールですから、本来はソフトとハードの両面からアプローチしないと、期待する効果は得られません。

そしてもう1つは、我々のアフターサービスとしての側面です。不動産の賃貸仲介においては、 物件を紹介し、移転が完了したところでサービスが終わるケースが大半。「その移転は本当に正解だったのか?」「組織はどう変わったのか?」という検証を行い、その後をフォローすることが、なかなかできていないのが現状です。

移転後の効果測定を行い、組織づくりや次のオフィス構築の参考にしてもらう。このようなプロセスまでが賃貸仲介における当然の価値だと考え、本サーベイは基本的に料金をいただいておりません。無償かつ、ソフトとハードという双方から組織の現状を知ることができるという点が、本サーベイの利点であり、他の一般的なエンゲージメントサーベイと異なるところです。

――そのほかにも、他社のサービスと比べて、CBREの「組織診断パルスサーベイ」ならではの特徴はありますか?

社員への質問を通じて組織の状態を診断するという形式自体は、一般的なエンゲージメントサーベイと変わりありませんが、最大の違いであり強みは、「満足していますか?」という抽象的な質問ではなく、「どんな事象が起きているか」というファクトベースの質問項目を設けている点にあります。

満足度というのは社員の主観やその時の感情に大きく左右されますし、不満と答えられても「なぜ不満なのか」をもう一度掘り下げなければなりません。「満足か?」ではなく、「社内で部門を超えたコラボレーションは発生していますか?」「仕事を通じて刺激を得られていますか?」といったように、成功している企業でよく見られる「事象」が、自社で起きているかどうかを本サーベイでは重要視しています。

――その「成功している企業の事象」というのは、どうやって定義したのですか?

人的資本経営に関する既存のセオリーに加え、実際に成長し続けている優良上場企業約50社の統合報告書(IR資料)を徹底的に読み込みました。そして、ビジネスを安定的に伸ばし、かつ新規事業もうまく生み出している企業が、共通して「大切にしている要素」や「目指している組織像」を抽出したのです。本サーベイでは、そこからメインとなる16のファクターを特定し、それを36の設問に落とし込みました。

客観的な基準のもと、感情や主観ではなく事実にフォーカスしているからこそ、結果を踏まえた次の打ち手が見つかりやすい。「部門間の連携が起きていない」という現状が浮き彫りになれば「連携を生む場や仕組みをつくろう」と、取り組むべき施策が自ずとわかります 。複雑な解析を経ずとも、課題解決への具体的なアクションにつながることが、ファクトベースで診断を行う最大の強みです。もちろん、ハード(オフィス環境)とソフト(組織)の両面から診断できるのも、CBREが提供するソリューションならではの特徴です。

組織診断パルスサーベイ

まずは現状を知ることが、組織変革の第一歩

――今お伺いしただけでも、非常にロジカルに設計された、CBREならではのソリューションだと感じました。今後、どのようなシーンで活用してもらいたいですか?

繰り返しになりますが、現代のビジネス環境において、企業が勝ち続けるためには、単なる効率化を超えた価値創造が求められています 。明確な戦略のもとで、社員各々が自ら試行錯誤し、新しい価値を生み出せる組織へと変容しなければなりません 。

とは言え、そのために「何から手をつければいいか?」という悩みをお持ちの経営者や人事責任者は多いかと思います。この「組織診断パルスサーベイ」は、こうしたお客様に対し、自社の現在地を知るためのツールとして、お気軽に活用していただきたいですね。

回答の手間は最小限に抑えており、組織の現状を、回答から1週間以内にフィードバック可能ですので、経営方針と現場の認識にどの程度の乖離があるのかを早期に知るだけでも、これからの戦略構築の大きなヒントになります 。人的資本を最大化し、より良い組織とオフィスづくりを進める一助として活用してくださればと思います。

診断の結果、見えてきた課題に対してどうアプローチするのか? 連載第2回目以降では当社ソリューションをさらに深掘りしていきます。

「組織診断パルスサーベイ」を貴社でも実施してみませんか?

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