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賃貸オフィス・事務所の記事

BCP対応と企業活動の機動力アップに貢献。営業拠点ビルにおける駐車場活用を実践する「大宮JPビルディング」

ビジネスの必須アイテムにもかかわらず、これまで、そのボリュームやスペック、運用など、あまり多くが語られてこなかったオフィスビルの駐車場。しかし、実際のオフィス移転時には、ビル選定の大きなファクターとなるケースも多々見受けられ、近年、都市部においても、使い勝手の良い大型駐車場を併設した賃貸オフィスビルが登場してきている。今回、エリア特性に即した大型駐車場を附置した「大宮JPビルディング」に、その開発経緯や戦略、実際の運用状況など、オフィスビル開発・運営における駐車場活用の可能性を取材した。

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日本郵便株式会社

不動産部 ビル運営室長
有坂 圭司氏

新たなビジネス拠点・大宮駅西口に大型駐車場併設のオフィスビル

日本郵便がJR大宮駅西口(埼玉県)に所有・運営する「大宮JPビルディング」は、地上20階建、ワンフロア約400坪の賃貸オフィスビル。それだけならどこにでもある一般的な高層オフィスビルだが、駅至近の立地でありながら441台を収容できる駐車場棟を併設するのは、全国的に見ても珍しい。また、駐車場併設がオフィスビルの付加価値向上に確実に寄与している点で、注目に値するケースといえよう。

日本郵便は、2007年の民営化以降、資産の有効活用を目的とする不動産事業に取り組んでおり、2013年3月21日にグランドオープンした東京・丸の内の「JPタワー」(商業施設「KITTE」)をフラッグシップとして、現在全国で8つの商業施設やオフィスビルを展開している。大宮JPビルディングは2014年8月に竣工した。

さいたま市大宮区にオフィスビルを開発したのは、「東日本大震災以降、BCP対応の観点からビジネス拠点の分散化の傾向が強まるなかで、新たなビジネス拠点として発展が期待されていたことが大きな理由だった」と話すのは、日本郵便㈱不動産部ビル運営室長の有坂圭司氏。さいたま市は、東京都心から20~40キロ圏内に位置し、東北自動車道、首都高速、外環道が市内を走るほか、関越自動車道、常磐自動車道、圏央道にも近い。さらにJR大宮駅には、東北新幹線、上越・北陸新幹線、上野東京ラインなど在来線・新幹線の10路線が乗り入れている。「北関東、東北、北信越へのアクセスが便利な交通の結節点でありながら、その割に賃料相場がそれほど高くない立地特性がテナント企業にとって魅力なはず」と有坂氏。特に同社が本件開発地として土地を有していた駅西口は、ソニックシティや大宮センタービルなどのビジネス施設のほか、そごうや丸井などの商業施設が立ち並び、「ビジネスと商業の表玄関に相応しい立地と判断していた」と話す。

利便性抜群の自走式駐車場は“顧客サービス”の一環

駐車場のニーズは、ビルの開発段階から把握していたという。早くからテナント候補企業と接触するなかで営業活動の拠点としての利用ニーズが高く、営業車両を持ち込む企業が多そうだという感触をつかんだのである。「あるテナント候補の企業からは、『100台分の駐車スペースが欲しい』と具体的なご要望がありました。他にも『周辺には駐車スペースがなくて困っている』という声も聞こえてきたので、テナント企業や地域の駐車場ニーズに最大限に応えるために、自走式の併設駐車場を作るという決断に至ったわけです」〔有坂氏〕。

駐車場の規模を検討するにあたっては、テナント企業の業種・業態から想定需要台数を割り出すとともに、敷地の形状、オフィスの貸床面積とのバランス、建設費用、工期などから総合的に判断した。駐車場の別棟での建設は、ビル地下階に構築するより建設費用の削減、工期短縮ができるというメリットがある。最終的に5階建・6フロア・441台収容の駐車場とした。

機械式ではなく、自走式にしたのには、同社のこだわりがあった。単に車を収容するだけなら、機械式駐車場の方がスペース効率の面では優れている。場所を取る自走式をあえて選んだのは、利用者の使い勝手とBCP対応を考慮してのことだ。「停電や災害が起きたときに、機械式は停止して出庫できないリスクがありますが、自走式ならその心配はありません。現にあるテナント企業からは、高速道路に至近であること、また自走式駐車場であることから災害時にもすぐに出動できる点を、高く評価していただいています」〔有坂氏〕。

駐車場棟は1階、3階、5階、屋上の各階でオフィス棟と連絡通路で接続しているため、車を降りてからオフィスへの移動が非常にスムーズだ。駐車場からの連絡通路を使った接続は商業施設では一般的だが、オフィス専用ビルではまず見かけることはない。これについて有坂氏は、「商業施設が顧客満足度を大切にするのと同じような感覚で、私たちもこのオフィスビルを設計・開発しています。駐車場をストレスなく使えることは、働く人たちの働きやすさにもつながるため、この点もビルの売りの1つになっています」と話す。

月極と時間貸しの併用で駐車場の稼働率アップ

運用効率を高めるための工夫としては、「月極」と「時間貸し」を併用している。441台収容のうち、382台を月極に充て(2016年7月現在の契約台数は308台)、30台を時間貸しに充てている。全て月極で貸す方が安定的な収入が確保できる上に、時間貸しに必要な設備投資も抑えられるという考え方もあるが、「ビルに郵便局を併設していることから、時間貸しの駐車スペースは必要と判断した」〔有坂氏〕。実際、郵便局の利用客のほかにも、テナント企業に車で訪れる来客にとっても併設駐車場は利便性が高く、時間貸しスペースの利用率は高いという。

一方、月極駐車スペースの管理には難しさもある。テナント企業の組織変更や支店の統廃合などによって、営業車両の台数に増減が生じることは避けられないからだ。対策として、普段からのテナントリレーションにおいて、駐車場ニーズに影響する組織変更などの情報を事前に入手するよう努めるほか、駐車場ニーズのありそうなテナント企業への声かけを意識している。「現在のところ、月極と時間貸しの併用で順調に稼働しています。今後はエリア周辺への周知活動を強化し、テナント企業以外の事業所による月極利用も促進していければと考えています」と有坂氏は話す。

駐車場ニーズに応えることが“売り”になる時代に

これまでビジネス利用の駐車場はあまり注目されてこなかったが、大宮JPビルディングの例からも、地域の特性に合った駐車場ニーズを満たすことがオフィスビル開発・運用においても重要であるといえるのではないだろうか。

日本郵便は、この大宮の例に続き、昨年11月にJR名古屋駅前に竣工した複合施設「JPタワー名古屋」でも、約370台収容できる自走式併設駐車場を建設した。「名古屋も公共交通機関の発達した大都会ですが、営業活動拠点として利用するテナント企業が多く、営業車両の駐車場ニーズは予想以上に高かった」と有坂氏は振り返る。

近年、車社会は飽和状態にあるものの、地域や企業の業種・業態によっては企業活動における車の利用がまだまだ期待できそうだ。案件ごとに駐車場ニーズをどう見極めるかが、オフィスビルの開発・運用に駐車場を活用する上でのカギになりそうだ。「テナント企業の業態を見ながら、営業車両の有無や必要台数、周辺にどれだけ駐車場があるかも含めて調査し、駐車場ニーズに応えていくことが重要だと思います」と有坂氏は話す。

企業活動はオフィス内だけにとどまるものではない。企業ブランドを支える立地バリューや、働く人の通勤や移動のしやすさに配慮した交通アクセスに加えて、これからは車での営業活動を考慮した駐車場ニーズに応えることも、オフィスビルの魅力や差別化につながる重要な要素になりそうだ。

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上記内容は BZ空間誌 2016年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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