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中京地区の大型物流施設建設

都市別特集

2008年3月6日

お客様第一の立地戦略はそのままに、よりレベルの高いサービスを提供するため、中京地区の中核となる大型物流施設を建設。

株式会社日立物流
理事 中部営業本部副本部長 村田 和幸
中部営業本部 LE・営業開発部 部長補佐 野沢 浩治

3PLの立地戦略は顧客の要望ありき

日立物流は、日立製作所の輸送業務を請負う物流会社として、1950年に創業しました。当初は、工場で作られた完成品の配送等、単機能の物流業務を行っていましたが、そのうち工場内の物流業務の一括受託や、国内外における超重量物の輸送を引き受けるなどして業容拡大を図ってきました。

1980年代半ばごろからは、日立グループ以外のお客様にもサービスを広げ、お客様に対して調達・生産・販売を効率よく行うための物流システムを提案し、物流業務を包括して受託する「システム物流」(サードパーティロジスティクス/3PL)事業を全国で展開しています。現在、当社におけるシステム物流事業の割合は、2006年の売上ベースで約7割を占めています。また、日立グループ以外のお客様の荷物の取り扱いは、全体のおよそ6割を占めるに至っています。これらの物流サービスを、国内約210ヵ所、海外約130ヵ所の拠点を通じて行っています。

お客様にとって最も効率的な物流サービスをご提供するのが当社の使命ですから、当社の物流拠点戦略も当然、お客様の荷物の仕入先や販売先を考慮しながら、お客様のニーズに合った最適な物流立地を選択するということになります。最も顕著な例を挙げるならば、埼玉県加須市にトイレタリー商品(シャンプーやリンスなど)を専門に取り扱う物流拠点を設け東日本全域の納品先に配送していますが、ここでは1社だけの物流を取り扱うのではなく、配送先を同じくする同一業界の複数企業に共同物流サービスを提供しています。競合する企業同士であっても、物流のインフラを共有できればその方が効率的。このように当社では、物流インフラを共有できる複数企業の物流拠点を集約して効率化を図る「業界プラットフォーム」の構築も行っています。

分散する拠点を集約するため大型物流施設の建設を開始

中京圏でも同様に、これまでお客様のニーズを重視した拠点展開を行ってきましたが、特にこの地域では流通系の消費財を扱う物流が拡大してきました。中京圏には他にも、自動車関係や航空機関係、陶器関係などの主力産業がありますが、これらの企業は昔から付き合いのある物流会社に配送を委託しているケースが多いためか、私どもはそこまで入り込めていないのが現状です。

弊社における中京圏での物流ニーズは、3000坪クラスの施設で行う規模が多く、お客様の要望に合わせて一つずつ拠点を展開していった結果、今では3000坪クラスの物流拠点が、名古屋周辺各地に点在する状況になりました。今後、更なる物流の効率化とコスト削減を進めていくには、顧客単位では限界がありますので、分散する拠点を集約し、車輌や人材、設備の最適配置や有効活用が必要になってきたと言えるでしょう。こうして大型物流施設の開設が必須となり、今年から春日井に第1期分として約15000坪の中京物流センターの建設を開始しました。

この大型物流施設の建設に至ったのには、もう一つの理由があります。中京圏には圏内に本社を置く優良企業が数多く存在する等、この地域の物流ニーズは高いと考えておりますが、これらの企業から物流事業を請負うにも、当社の既存施設に空きがほとんどなく、また5年ほど前から用地や賃貸倉庫物件の不足が深刻化し、3000坪ほどの倉庫を新規に確保することが非常に困難な状態になっています。今後、更に中京圏で3PL事業を拡大していくためにも、大型物流施設が必要だろうと考えたのです。

施設の汎用性を高めあらゆる物流ニーズに対応

中京物流センターの案件が具体化したのは、今から3年ほど前。1万坪クラスの施設用地を探していく中で、春日井市に今回取得した用地の紹介 を受けました。当初は、小牧・春日井エリアのほか、名古屋港、中部国際空港、第二東名にアクセスしやすい東海市などの名古屋港周辺エリアなども候補に入れていましたが、小牧・春日井周辺の交通インフラにより中京圏を広域にカバーできるこのエリアが、多くのお客様にとってのベストの候補地だろうという結論に至りました。

実は、春日井で大型物流施設の開発が可能になった背景には、総合物流効率化法の適用があります。総合物流効率化法とは、環境負荷の少ない効率的な物流に移行しようとする事業者に対し、税制特例の適用や立地規制に対する配慮が行われる制度です。当社が建設を予定していたエリアは市街化調整区域でありますが、この法律の適用を受けたことで開発が可能になりました。この制度の利用は当社としても初めてのことだったため、監督官庁のご指導を仰ぎながら進めていくこととなりました。愛知県において税制優遇を目的に総合物流効率化法を適用したケースはこれまでにもあったようですが、開発段階における立地規制緩和を目的とした適用事例はあまりなかったようです。

中京物流センターが完成したあかつきには、中部圏内の広域配送拠点として機能する予定です。つまり、既存施設の物流機能をそのまま移行させるのではなく、近隣の施設に中京物流センターを加えた広域エリアの中で、お客様に最適な物流システムを構築していくことになります。複数の拠点から重複している配送を集約する、あるいは保管型の荷物を一ヵ所に集約するなどして、輸送時に発生するCO2の低減や、物流コストの削減を図ります。

施設の特長としては、保管型や通過型、中継配送などのあらゆる物流ニーズに対応できる汎用性の高い施設を目指しています。一例を挙げれば、1階フロアの3面にバースを配置し、うち1面を地面と同じ高さの低床に、残り2面をトラックの荷台高さに合わせた高床にし、荷物の大きさや種類によって接車バースを使い分けられるようにします。また、階によって天井高を変え、天井高の不要な流通加工作業は天井の低い空間で行うなど、3次元的に空間を効率利用できるよう設計しています。計画は2期に分け、最終的には施設全体の中央に幅40mほどのトラックバースが貫通する形になります。

今年1月に開発の許可が下りたばかりで、現在は、ようやく現地の造成に取り掛かったところです。第1期工事の完成は、2009年1月を予定しています。完成した折には、スケールメリットを生かしたこの大型物流施設を中心に、中京エリア全体の物流の効率化を図り、お客様へのよりよいサービスやコスト還元ができればと考えています。

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上記の記事の内容は オフィスジャパン誌 2008年春季号 掲載記事 掲載当時のものです。

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