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第5回 居心地と快適を創り出すABWの新思考 “フリースタイル・ワーキング” 元スクウェア・エニックス総務部長 岡田大士郎 氏

「居心地」プロデュースに必要なのは?

「居心地」とは、『ある場所・地位などにいるときの感じや気持ち。居心(いごころ)。「居心地のよい部屋」』(大辞林)とあります。
人間が感じる「気持ち」つまり「感性」であり、そして「心」の居場所とも言えます。「感性」を豊かにし、「心」に安らぎと癒しを与える「場」つくりの意味を考えてみたいと思います。

ドイツの実業家 カール・アルブレヒトは、無意識の組織や知性の低い組織は、組織エントロピー*が増加し、「場」の「居心地」を悪くすると共に、組織の持つ価値創造力に多大な影響を与えると言っています。組織エントロピー増加を抑制するには、「ホメオスタシス」(生体が外部の環境の変化に対して内部環境を一定の状態に保とうとする性質) 機能を活性化させて、組織シントロピー (エントロピーの速度をリカバリーし、破壊・崩壊という流れを修復・再生・蘇生へ向かわせる過程)を増加させる事で「組織の知性」が高まる、と説いています。

*エントロピーとは、元来、熱力学の領域で使われる、「系の乱雑さ・無秩序さ・不規則さの度合を表す量」ないし 情報理論では「情報の不確かさの度合を表す量」とされています。

組織シントロピーを高めるには、「場」の「居心地」を最大化する仕掛け必要です。
では、どのようにすれば「場」の居心地を高めることができるのでしょうか。私が考える「居心地」プロデュースのための要素は、「安らぎ」「安心」「快適」「良好な人間関係」「適度な自信」「自立意識」「喜働意識」「暮らしを楽しむ心」....etc. といった「場」つくりの要素と同じものです。
「幸福働」の「場」つくりとは、「居心地」をプロデュースすることでもあります。私達仕事人は、職場で「居心地」を感じて仕事に専心する事ができれば価値創造力が高まるはず、との仮説に立って、「組織の知的生産性向上」と「場」の力の相関関係を認識する事が重要です。

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ABW、そしてWAA、FSWへ

【連載】Happy LivingWork Styleを実現してゆく「働き方改革」の新思考~ワクワク「場」つくりと幸福働~

では、どのようにして「居心地」を演出していけば良いのでしょうか。
ヒントはABW(Activity Based Workstyle )とWAA(work from Anywhere and Anytime)ないしFSW(Free Style Working)にあります。
ABWは、フリーアドレスの進化系スタイルとして一般化されつつありますが、そのコンセプトは、原則「執務オフィス内」が前提となっています。自分のアクティビティに応じて、ワークプレースを選択できるスタイルは、ナレッジワーカーにとって「居心地」よく価値創造活動に専念できる「場」となります。
しかしながら、十分なオフィススペースを持てない企業にとって、ABWスタイルを導入するにはコストのハードルがあります。

そこで、代替的に考えられたワークスタイルが「WAAスタイル」です。
Work from Anywhere and Anytime、略してWAAと呼ばれている、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社が導入した新しい働き方の在り方で、同社取締役人事総務本部長(CHRO)の島田 由香さんが中心となって推進されている制度です。
WAAのスタイルは、組織の活性化やコミュニケーション促進を企図した「フリーアドレス」や「ABW」に、「WeWork」や「ワークスタイリング」、「LIFORK」などに代表される「Co-Workingオフィスコンセプト」を融合したワークスタイルであり、「Free Style Working(FSW)」とも言えます。いつでも、どこでも、自分のサーカディアンリズムとライフリズムに合わせた「仕事時間」を自分自身でデザインするのが、「FSW: フリースタイル・ワーキング」です。
「フリースタイル・ワーキング」は、芸術的創作活動をする画家、彫刻家、作家、作曲家、ファッションデザイナーといったアーティストのワークスタイルのように思われますが、これからの時代、組織社会で働くナレッジワーカーにとっても、知識・価値創造に必要なワークスタイルになるものと思います。

そもそも、フリーアドレスやABWの発想は、日頃、顔を合わさない社員等との交わりが、何か新しいアイデアや価値創造のきっかけになり、組織活性化ひいてはイノベーション誘発につながる事、また、ワークモードに合わせて仕事ができる「クリエイティブ・ワークスタイル」を企図するものです。
フリーアドレスに関しては、導入している組織に話を聞いてみると、「効果がある」と認識している組織は限定的で、「上手く機能せずグループアドレスや固定席に戻した」 との話の方が多く聞こえてくる印象があります。
仕事との関連も理由の一つかもしれませんが、「オフィス」という物理場の中にあるワーカー個々のパーソナルスペースが無いというネガティヴ心理が、少なからず影響を及ぼしているのではないかと感じます。

今までのオフィスという器は不要になる?

「働き方改革」の流れの中で、オフィスでワーカー個々の「居所」意識を無くす試みの一つが、テレワークでありサードプレイスワークであるとすれば、思い切って自社オフィスを最小限にして仕事をする発想、「フリースタイル・ワーキング」を志向するのも一考ではないでしょうか。近未来には、「オフィス」とは、必ずしも自社の社員たちと一緒に働く場所ではなくなるかもしれません。
Co-work スタイルの「フリーオフィス」が進化すれば、出社して就業するという仕事の概念は変わってくると思います。2010年に米国でスタートした「WeWork」のCo-working スペースレンタルビジネスは、凄まじい勢いで世界に広がっています。

イノベーションは「組織の器」であるオフィスで生まれるだけではありません。組織の枠を越えた「知のコミュニティ」である「コワーキング場」で生まれるオープンイノベーション!
オープンイノベーションをプロデュースする「フリースタイル・ワーキング」、このワークスタイルはどんどん広がってくると思います。

前述したユニリーバ・ジャパン社の島田さんは、人事部門の方です。「働き方改革」を人事部門のエグゼクティブが旗振りをされるのは自然ですが、あるインタビューを拝見したところ、素晴らしいと思ったのは、社員の成長を強制せずに、さりげなく「サポート」されていることです。人事部門は、その職責から「人を育てる」意識が強く出がちですが、自立的に「人が育つ」サポートをされています。
私が提唱している「場」つくりも同じ視点であり、「組織心理学」あるいは「組織行動学」の視座に立っているのも共通しています。そして、総務部が「働き方」に取り組む意味は、ファシリティ、ICT、そして社内広報の視座をも包括した「組織心理学」と「環境心理学」そして「オフィス学」を融合する事にあります。

「幸福働」を支えてゆくには、人事部門や総務部門の区別なく「管理部門協創」の意識と、相互協力体制をつくることが大切です。

著者プロフィール

岡田大士郎 氏

岡田大士郎 氏

日本興業銀行(現・みずほ銀行)において、ストラクチャードファイナンスなどの投資銀行業務や海外業務(ロンドンに勤務)、ならびに国際税務業務を20年にわたり経験後、ドイツ銀行グループでDirector, Head of Taxesとして国際税務統括の業務に従事。
2005年にスクウェア・エニックスに入社し、2007年まで米国Square Enix, Incの社長(COO)として米国事業に携わった後、2007年に本社に帰任。「組織風土並びに働き方改革」をミッションとして総務部長に就任。
その後、ミッションであるクリエイティブワークプレイスの構築を進め、2012年に本社スタジオの全面移転や2015年には大阪事業所の移転プロジェクトに関与。クリエイティブワークプレースダイナミクスの実践と、コンテンツ制作業務における価値創造支援を行う「場」作りに取り組んできた。
2018年3月にスクウェア・エニックスを退社後、一般社団法人ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアム並びに一般社団法人日本ライフシフトの理事として、幸福社会創造の活動に取り組んでいる。

2015年のJFMA優秀オフィス賞を受賞。
2014年1月より一般社団法人ファシリティ・オフィスサービスコンソーシアム(FOSC)の理事・東京支部長として総務人事FMの普及活動に取り組んでおり、2016年1月には副代表理事に就任。
また、ニューオフィスマネジメント研究会の参与として、総務ネットワークの拡大に取り組んでいる。
2017年11月には一般社団法人日本ライフシフト協会理事に就任。

■岡田大士郎のFM日記  http://blogs.yahoo.co.jp/daishiro_okada
■一般社団法人ファシリティ・オフィスサービスコンソーシアム(FOSC) http://www.fosc.jp/

 

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