次世代空調の「アクティブチルドビーム」を導入したTRI-SEVEN ROPPONGI。
ペンブローク・リアルエステート ジャパン
バイスプレジデント
ゴードン・ハットン氏
快適性と環境配慮を重視したTRI-SEVEN ROPPONGI
ペンブローク・リアルエステートは、グローバルな不動産アドバイザリーとして、好立地にあるオフィス、住宅、複合施設などの不動産への投資・運用・開発を手がけています。現在はボストン、ロンドン、ストックホルム、シドニー、東京、ワシントンD.C.に拠点を置き、欧州、北米、アジア、およびオーストラリアの主要マーケットで延床面積合計、約60.5万㎡にのぼる不動産を運用しています。また当社は、環境対策に積極的に取り組んでおり、ポートフォリオの75%以上が、環境配慮型の建築物として認定済み、もしくは認定審査段階にあります。日本には2001年に拠点を開設し、これまで都内に3棟の高級レジデンスを開発しました。そして現在、東京・六本木に2016年春の竣工を目指して建設しているのが、日本で初めて手がける商業施設併設型オフィスビルである「TRI-SEVEN ROPPONGI(トライセブンロッポンギ)」です。当該施設も他の物件同様、自然と調和した環境配慮型であると同時に、最先端のデザインと設備を備えた、快適なオフィス環境の実現を目指しています。その取り組みの具体例の一つが、空調システムの性能なのです。
空調は、執務空間の快適性を高める上で重要なファクターであるにもかかわらず、ビル選択の際には、あまり重視されていないのが実情でしょう。現在、国内のハイグレードなテナントビルではVAV方式や個別方式の空調が採用されていますが、この方式には快適性に対するいくつかの課題が指摘されています。
その1つが気流による温度差。中央熱源方式のVAVでは16°C、個別方式のビルマルチでは12~13°Cに冷却した冷たい空気が室内に供給されます。そのため直接、風が当たる場所は急速に冷やされるので、それ以外の場所と大きな温度差ができてしまいます。特に欧米人は直接、風が当たるのを嫌がる傾向が強いので、不快に感じることがあるのです。
もう1つは音の問題。空調のファンが回転する音は意外と大きく、知的生産性を高めるために静寂を保とうとすると、ことのほか気になるものです。さらに言えば、長時間稼働による乾燥も、目や肌に悪い影響を与えています。
TRI-SEVEN ROPPONGIでは、こうした問題を解決するソリューションとして、最新鋭の空調である「アクティブチルドビーム」を導入しています。
省エネ稼働と快適環境を実現するアクティブチルドビーム
アクティブチルドビームは、冷水で冷房負荷を処理するエネルギー的なメリットと、天井ディフューザーの優れた空気分布特性を組み合わせたシステムです。具体的には、空調機から供給される一次空気により誘因効果を引き出し、誘因された室内の空気をチルドビームに内蔵された18°Cの中温冷水を通したコイルで冷却し、その冷風を室内へ供給する方式です。ちなみに、自然対流で冷気を供給するものをパッシブチルドビームと呼びますが、アクティブチルドビームでは、空調機からの一次空気を導入して、大きな誘因効果を引き出すため、冷房効率が高くなっています。
では、アクティブチルドビームの優位性を、環境配慮の点から見てみましょう。先にも触れたとおり、チルドビーム本体に供給する一次空気によって冷気を吹き出すため、中央熱源のVAVシステムに比べて、空調機のファン動力は1/5程度に低減されています。また、チルドビームに内蔵されたコイルへ供給する冷水温度が18°C程度であり、空調熱源を高効率で運転することが可能です。さらにTRI-SEVEN ROPPONGIでは、一次空気にVAVを設置しているため、一般的な空調システムと比較して、大きな省エネ効果を実現しているのです。
また、快適性の観点から見ると、一般空調と比較して少し温度が高めの冷風が、天井を這うように広がりながら下方に下がっていくため、直接に冷風を受ける不快感がありません。音に関しても、ファンが内蔵されていないため静音性が高く、ストレスを感じにくいのです。さらに言えば、室内空気が乾燥しづらいのも特長です。私自身、初めてアクティブチルドビームを導入したビルに行った時の出来事は、今でも覚えています。入ったときは特に意識はしなかったのですが、半日、そのオフィスで働いても、乾燥で目が痛くなることがなかったからです。
なお、居住性には直接関係ないのですが、本体に内蔵したコイルはドライコイルのため衛生面で優れているほか、空調機械室の省スペース化が図れる、本体にファンなどの可動部がないため故障リスクが少ないといった、メンテナンス上のメリットもあります。
TRI-SEVEN ROPPONGIでは、こうした優位性をさらに高めるために、個室対応を容易にし室外温度の影響を受けやすいペリメータゾーンは3.6×3.6m毎、それ以外のインテリア部分は7.2×7.2m毎に、ON/OFFおよび温度制御を可能にしています。さらにペリメータゾーンは4管式のファンコイルユニットとのハイブリッド方式により、個別制御性を高めています。また、運用管理をしやすくするために、テナントのPCからインターネットでスケジュール設定や温度調節ができるなど、使い勝手を向上させているほか、テナントのエネルギー消費量を確認できるようにしています。
より快適なオフィス空間の創造を目指して
TRI-SEVEN ROPPONGIは、アクティブチルドビームを、オフィス全面に採用する、国内初のテナントビルになります。アクティブチルドビームは、国内ではあまり普及していませんが、海外では導入事例が多く、当社の海外物件においても採用し、その有効性は実証済みです。そのため、今回のTRI-SEVEN ROPPONGIでも、迷うことなく導入を決意することができたのです。
近年、オフィス空間の快適性が、業務効率の向上に大きく寄与するという認識が広がっています。また、コスト面だけでなく、環境への配慮から省エネに注目する企業が増えているのも事実です。そして、テナントに対して、長期的価値を見い出せるような、快適な環境を提供することは、我々デベロッパーの使命だと考えます。その観点からも、空調は長い期間にわたり使用する設備として、重視すべきものでしょう。その意味で、アクティブチルドビームは今後、国内においてもメジャーなシステムになると思います。ぜひ、TRI-SEVEN ROPPONGIのテナントとして、先進的なシステムの素晴らしさを実感してみてください。
↓TRI-SEVEN ROPPONGIの詳しい情報はこちら
TRI-SEVEN ROPPONGIに関するお問合せ先
東京本社 ランドロードレプリゼーテンション部
萬藤 智洋(まんどう ともひろ)
090-6883-8106
東京本社 ランドロードレプリゼーテンション部
上野 明日香(うえの あすか)
080-3272-8498