“新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る”
ミッション遂行を支える仙台の優れた人材
株式会社メルカリ
CSグループ 佐藤 浩太郎氏
急成長の鍵を握るカスタマーサポート
当社は2013年の創業以来、フリーマーケットアプリ「メルカリ」を運営しています。3分ほどで出品できる手軽さが評価され、いくつもの賞を受賞し、今年の3月には国内で2600万ダウンロードに到達。1日の出品数は数十万品を超え、月間流通額は100億円を超えるまでに急成長を遂げました。
この成長を支えているのが、カスタマーサポート（以下CS）の存在です。CSメンバーの役割は主に3つです。1つはお客さまからのお問い合わせにメールで対応すること。2つ目は、ルールに違反する出品物や違反取引を監視すること、そして3つ目は、お客さまの感じる不便さや不満を、プロダクト部門へ伝え、連携することです。CSはお客さまとの唯一の接点となるので、メンバーの対応の善し悪しがそのままアプリの評価に直結します。優秀な人材を採用することが、当社の成長の鍵と言っても過言ではありません。
優秀な人材が育成される土壌
2014年4月、当社はCS機能強化のため、仙台市にCSセンターを開設しました。当初は100坪程度の広さでしたが、すぐに手狭になり、15年7月に300坪超の現在のオフィスに移転しました。県内および近県から集まった平均年齢26歳のメンバー100名程が働いています。
仙台を選んだ主な理由は2つあります。1つは当社が求める優秀な人材が多いこと。仙台市には東北大学をはじめいくつもの大学があり、学力水準が高い地域です。また、市をあげてコールセンターの誘致が行われ、CS業務の経験者が数多く在住しています。事実、当社には毎月10名程が入社しているのですが、応募者の約半数が経験者であり、即戦力となる人材を採用しやすいというメリットがあります。
もう1つは、自治体の有形無形の支援です。進出の際の助成金によるサポートをはじめ、地元メディアとの橋渡しや、市が主催するイベントへの講演依頼など、知名度向上や地域企業との連携につながる無形のサポートからも、大きな恩恵をいただいています。加えて、本社がある東京から、新幹線で約1時間半という距離感も重要でした。
地域の同業企業とも協力し東北復興を
当CSセンターでは、リフレッシュスペースを充実させる等、メンバーが快適に働く環境に配慮するとともに、仕事にやりがいを持ってもらえるよう、ダイレクトに意見を言えるフラットな社風を大切にしています。メンバー間のコミュニケーションを促進できるような定期的なイベントも随時開催しています。また、事業のグローバル化も推進しており、すでに800万ダウンロードを超えたアメリカに加え、イギリスへの進出も準備しています。
近隣には同業種の企業も多く存在しますが、情報や知識を共有する関係を築き、ともに成長しようという土壌がこの仙台にはあると思います。各社が協調して事業を発展させていくことが、新たな企業の進出や雇用の創出につながり、仙台そして東北を盛り上げていくことにもつながると考えています。我々の成長が、東北復興の一助になることを切に願っています。
写真提供●㈱メルカリ （取材●2016年4月）
