札幌に拠点を構える魅力とは ―リスク分散が企業進出理由の半数
企業立地推進に取り組む札幌市では、札幌に立地するメリットとして主に次の3点を挙げており、これらは同時に企業が札幌への進出を決めるポイントにもなっている。
①自然災害リスクが低い
過去30年間で震度3以上の地震は10回程で、今後30年以内に震度6以上の地震が発生する可能性も0.6%と非常に低い。さらに台風は札幌に近づくにつれ勢力が弱まり逸れていく傾向にある。BCP(事業継続計画)の観点からも、企業は将来にわたり安定した業務運営が可能となる。
②250万都市圏の豊かな人材供給力
札幌圏には、北海道内の人口および高等教育機関が集中しており、優秀な人材の確保が可能。このことは、進出企業の高い評価を得ている。併せてワーカー定着率が良いことも、中長期的な人材育成の面で利点となる。
③低廉なビジネスコスト
オフィス賃料が他の都市と比較して割安であることに加えて、夏場は冷房がほとんど不要な快適な気候であり、冬場の暖房と年間で通算しても冷暖房費を抑えることができる。
札幌市が推進する進出サポート制度 ―助成は幅広く、誘致後のサポートも充実
※各助成制度には、対象・適用地域・その他の要件等がありますので、
市のホームページで詳細をご確認ください。
http://www.city.sapporo.jp/keizai/biz_info/seido
札幌市では、「コールセンター・バックオフィス立地促進補助」「IT・コンテンツ・バイオ立地促進補助」「札幌圏設備投資促進補助」と充実した各種助成制度を設けている(右表)。
コールセンターは、政令指定都市の中で女性の割合が最も高い札幌市において人材確保が比較的しやすく、また雇用創出に資する業態である。すでに60以上もの企業進出があり、就業者は3万人を超える。さらに平成25年からは本社機能の移転に対する特例制度も設けられた。平成19年よりスタートしたIT・コンテンツ・バイオ立地促進は、小規模オフィスも対象としている点が他都市にはあまり例がなく、引き合いが増加している。
これらの助成制度には、多くの問い合わせがあり、毎年制度を活用して進出するケースが増加している状況だ。さらに市では、単に進出をサポートするだけではなく、進出後の継続的なフォローにも力を入れている。例を挙げると、コールセンター業務へ理解を深め働いてみたいという意欲を高めるための広報活動や、実際の就業者を対象にスキル向上目的の研修会を無料で企画・実施しており、これは毎回抽選になるほどの人気ということである。
今後も行政によるフォロー体制の充実が契機となり、札幌へ進出する企業が増えていくことが予想される。
〔取材協力/資料提供:札幌市経済局産業振興部〕
お問い合わせ
●札幌市経済局産業振興部立地促進担当課 TEL:011-211-2352
●札幌市総務局東京事務所 TEL:03-3216-5090