ソフトバンクモバイル株式会社
お客さまに選ばれる移動通信サービスの 提供を目指し、充実したサポート体制を構築。
ソフトバンクグループで携帯電話事業を展開する同社は、2012年、全国で6拠点目となるカスタマーコミュニケーションセンターを札幌に設置した。コールセンターが多く経験のある優秀な人材を確保しやすいことが、札幌拠点開設の第一の理由である。進出にあたっては市の立地助成制度も大いに活用し、採用活動の充実に役立てている。また、オフィス賃料水準の割安感も重要なポイントとなっている。
同社のビル選定条件は、立地がよいこと、停電がないこと(法定点検除く)、そして適正な賃料設定。入居ビルは駅から地下道直結の好立地のため、採用面でも通勤面でも大きくプラスとなる。また大災害の発生で停電が不可避となった場合は、拠点分散によって全国の他エリアのセンターが相互にカバーできる体制となっている。
執務スペースは、従来の詰め込み型のコールセンターのイメージを払拭。デスクを円形にレイアウトして管理者がオペレーターを迅速にフォローできるようにゆとりを持たせ、また休憩室も完備してアメニティ面を充実させ、スペース効率よりも働きやすさを重視した。人的資源に支えられた業務であり、経験ある従業員に長く勤めてもらえるように配慮された執務環境となっている。今後は、長期雇用の仕組みを整えながら安定した業務体制を推進し、お客さまへのサービスのさらなる拡充を目指していく。
〔取材協力/写真提供:ソフトバンクモバイル㈱〕
アクサ生命保険株式会社
強固な事業継続体制を目指し、リスク分散の観点から札幌本社を設立。
2014年11月、アクサ生命保険㈱は札幌に第2の本社を新設した。契機となったのは東日本大震災。当時、東京本社のバックアップのために、急遽福岡にオペレーションを移したが、事業継続体制のさらなる強化を図るには本社機能の分散が必要と判断した。震災後の保険業務の対応が一段落してすぐ、社長直属で独立した決定権を持つ危機管理・事業継続の専門部署を設置し、新本社設立をスピーディに決定。2013年11月には記者発表を行い、全国的にも話題となった。
本社としてオフィスを現地化していきたい同社にとって、長期的に魅力ある人材が確保可能な環境であり、また自然災害が少なく災害の影響が東京とリンクしないことが、札幌を選択した大きな理由である。移転に際しては、道庁や市による助成金にとどまらない様々な支援が助けになったという。
入居中の「札幌三井JPビルディング」は、災害時に72時間の電源供給や水の供給が可能。事業継続目的を満たすスペックを備えていることはもちろん、札幌の一等地のビルということで、地元および転勤の従業員双方に評判がよく、また採用の面でもプラスになっているそうだ。
災害はたとえ数%の可能性でも、起こればそこで終わり。事業継続への投資はお客さまを大切にする尺度でもあるという同社の事例は、重要機能や拠点の分散の必要性を学ぶうえでの好例となるだろう。
〔取材協力/写真提供:アクサ生命保険㈱〕