伝統あるビジネス街の虎ノ門・霞ヶ関だが、昨今のオフィスマーケットでは、その歴史がマイナスに作用している一面がある。
非常に高い立地ステータスはあるのだが、そのステータスを必要とする企業やビジネスが減少。
それが同エリアの企業ニーズ低下に直接響いている。
行政の外郭団体や独立行政法人等を取り巻く昨今の状況も、これに拍車をかけていると言えよう。
また街が古く、大型ビルも築年数を経た旧耐震のビルが多数を占める。
これまで入居していた企業は、「新耐震よりも立地優先」という価値観で同エリアに立地していたと思われるが、これらのテナントが昨今の景況下、コスト削減移転により他エリアに退去し一旦空室になってしまうと、なかなか次のテナントが決まらない。
苦戦が続くオフィスマーケットであるが、期待したいのが旧文部科学省庁舎の建替事業として2007年に竣工した霞が関コモンゲートや、外堀通り、桜田通り沿いに建ち上がってきた新規開発群への新たなテナントニーズだ。
底に向かいつつある賃料も、2010年6月にも対前期比マイナス4%近くと、他エリアと比べて割安感が高まりつつある。
現在、様々な面積帯やグレード、既存・新築を問わず空室が見られ、立地グレードを求める企業にとって選択肢は広い。
将来的には、環状2号線新橋・虎の門再開発III-2超高層棟、いわゆるマッカーサー道路開発も計画されており、エリアポテンシャルのさらなるアップが期待できる。