赤坂・六本木・神谷町は、JR東京駅をはじめ、東京メトロ銀座線・東西線といった主要ビジネスラインが利用でき、交通利便性が非常に高いエリアである。
業務集積は重厚長大産業やメーカー、製薬、地銀等が中心で、IT企業や外資系の集積があまり見られないからか、業況悪化により即退去といった企業は少ない。
実際、リーマンショック以降も、大規模なリストラ移転は見られなかった。
ただし、入居ビルの建替のため移転する際、ビルグレードを下げたり旧耐震のビルに移ることはなく、そのニーズに合致するビルが周辺に見つからずやむを得ず転出といった事例は多々見受けられた。
同エリアは、元来大規模ビルが少なく、現在集積する企業でも自社ビル周辺にたこ足的に拠点分散しているケースがあるほどである。
当然、統合ニーズはあるものの器がなく、ある程度の規模を持つビルが建ち上がると、ニーズを吸収し大抵8-9割の稼働率で竣工を迎えている。
また、新規供給は建替によるもののため市場ボリュームは急拡大せず、大型ビルの空室率は比較的安定している。
賃料水準の低下は、丸の内・大手町エリアの動向に左右されての要因が大きい。
東京駅を中心とした相対的な相場観で賃料が下落したため、丸の内・大手町エリアの下げ止まり感が明らかになった今年初めから、同エリアも賃料下げ止まり感が見えつつある。
大型ビルの空室率も低下し2.3%と低水準。
今後も引き続き堅調な推移を見せると思われる。