050-5447-7862

平日 9:00〜17:30

物件を探す

事業用不動産のあらゆるニーズを網羅するサービスと豊富な実績で、お客様の課題を解決する最適なソリューションをご提案いたします。

お役立ち情報

CBREが手掛けた、さまざまな業種・規模の移転事例のご紹介を始め、オフィスや物流拠点の移転に役立つ資料・情報をご提供しています。

マーケット情報

独自収集したデータを元に、不動産マーケットの市況を分析予測し、市場変化をいち早く捉え、ポイントをまとめた市場レポートを配信しています。
また、物件レポート、業界トレンド情報など、事業用不動産の最新情報、トレンドを配信しています。

CBREについて

事業用不動産の分野において、世界有数の企業であるCBRE。日本国内におけるその強み、拠点、会社概要をご紹介します。

ヘルプ

物件検索の使い方や、会員サービス、よくあるご質問など、当サイトをより便利にご利用いただくための情報をご紹介します。

仲介業者様はこちら

賃貸オフィス・事務所の記事

森ビル松本氏が語る、オフィス市況は底を打ったのか?

オフィス市況は供給不足・需要増にシフト。
「為替」「株価」に続き、「企業業績」の推移がポイントに。

森ビル株式会社 営業本部 マーケティング室 部長 松本栄二

森ビル株式会社
営業本部 マーケティング室
部長
松本 栄二

ご移転計画のあれこれ、お気軽にご相談ください

CBREでは事業用不動産のプロフェッショナルチームが、お客様の経営課題や不動産にかかわるさまざまな課題解決をサポートします。

供給減と需要増 空室率低下基調が鮮明に

まず、現在のオフィスマーケットの市況についてお話しします。当社が独自に調査した「大規模オフィスビル市場動向調査(2012年12月実施、 2013年3月公表)」によると、2013年に供給されるオフィスビル(延床面積1万㎡以上)は58万㎡となっています。これは、大量供給があった 2012年のわずか33%であり、過去平均の105万㎡と比較しても55%と、非常に少ない水準と言えます。しかも、賃貸マーケットだけを見ると、予定の 7割以上が3月までですでに供給済みであり、今後の新規供給は極めて少ないことがわかっています。

一方、「2012年 東京23区 オフィスニーズに関する調査」によると、新規の賃貸予定について「意向あり」の回答が昨年と比較して1ポイント増加しています。もちろんこの中には縮小移 転も含まれますが、新規賃貸予定の拡大縮小割合の設問では、拡大の予定が割合(54%)、件数(255件)と、2009年以降最大になっています。逆に縮 小を考えている企業は比率、件数ともに少なくなっており、前向きな移転の動きが高まっていると見ています。端的にいえば、2013年は供給減に対して、拡 大基調が高まっている状況といえます。

仲介各社が発表しているオフィス市況データを見ても、去年の夏ぐらいから空室率が低下傾向にあり、当 社の調査でも、2012年の大量供給に対して上期は供給量が新規需要量を上回りましたが、下期は反転して空室率が低下しています。さらに、今年に入ってか らはアベノミクスの影響で、景気見通しに明るさが見えてきたこともあり、さらなる改善が期待されます。2013年3月期あるいは上期の決算報告で企業の業 績回復傾向が見られれば、オフィス市況の改善はさらに加速すると考えています。

ビル選択のキーワードはBCP Aクラスビルへのニーズが鮮明に

今回のオフィスニーズ調査で特筆すべき点は、BCPに対する意識の向上です。新規賃借ビルを選ぶ基準について、その理由の最上位に「耐震性の優れたビル」が今回初めて選ばれました。震災の前は14ポイントだったのですが、震災直後は35ポイントに、現在はさらに伸びて40ポイントとなっています。また、それ以外の項目でも、他がポイントを落とす中で「ビル管理の防災体制、バックアップ体制」を求める声が大きくなっており、東日本大震災とその後の震災発生の予測で、BCPの需要が急速に高まっているのです。

加えて、企業のBCPの策定状況も、震災直後の調査では策定済みが35%であったのに対して、1年半後の2012年12月には50%と増加しています。また、策定予定の企業を含めると、当時が76%だったのに対し、現在も77%とほぼ変化がありませんでした。これはBCPに対する意識が一過性ではないということを示しており、事業継続性が大きな経営課題になっていることの証しでしょう。

今回の調査では、約2,100社から回答をいただきましたが、そのうち、BCP策定予定がない企業も含め、それを分母にして比較すると、入居ビル選定基準に耐震性能を盛り込んでいた企業は、震災直後が8%、つまり12社に1社であったのに対して、現在は12%と8社に1社となっています。また、今後、策定予定の企業を含めると21%と、5社に1社が入居するビルの耐震性能を自社のBCP項目に盛り込むことになります。つまり、震災直後に比べ、現在は会社の規定として耐震性能が選択基準の最重要事項として認知されるようになっているわけです。加えて、防災体制も以前は20社に1社から今後は8社に1社へ、非常用発電機についても、以前は33社に1社と特定企業のものだったのですが、今後は9社に1社が求めるなど、大きな変化が見られました。

企業によって求める安全性のレベルは異なるでしょうが、少なくとも耐震性能が低いビルに好んで入ろうというテナントはいなくなっており、高度なBCPを求めるなら、自ずと築浅の大規模ビルで、防災面まで考えれば不動産専業会社が管理運営するAクラスビルに需要がシフトしていくと考えられます。つまり、今後は選択されるビルとそうでないビルの二極分化が鮮明になっていくことが予想されます。最近の成約状況を見ても、今年3月までに供給したAクラスビルは、順調に推移しています。また、BCP面で競争力の低いビルを除けば、東京全体の空室率は5%程度に回復していると見ることができるのではないでしょうか。なかでもAクラスビルの需給バランスは、今後さらにタイトになってくるだろうと予測しています。

今度の景気動向が賃料上昇の決め手に

ビルオーナーやテナント企業にとって気になるのが賃料でしょう。市場動向を見ると、すでに2003〜2004年当時までは回復しているといえます。当社についていえば、稼働率が高く競争力があるビルは、この4月に値上げを実施しました。同業他社についても、稼働が高いビルは値上げしているようですし、今後もこうした動きは増えていくと思われます。

ただ、それがオフィス市場全般の相場にまで波及するかどうかについては、まだ未知数の部分が大きいのも事実でしょう。

2005年からリーマンショック前にかけての水準にまで回復するかどうか、その判断をする上でのポイントは、「為替」「株価」「企業業績」の3つがそろうことが重要だと考えています。為替は2004年が底で2005年から上がりだしましたが、現在もこの時と同じように円安に振れ始めています。株価も2004年から2005年にかけて11千円から16千円に上昇し、現在も同じ状況になりつつあります。つまり、為替と株価は賃料が上昇した2004-05年当時と同じ状況になりつつあるようです。あとは企業業績が、増収増益基調になるかどうかが分かれ目でしょう。2004-05当時は、売上高が2年連続で6%以上増加、経常利益も2年連続で15%以上増加していました。先にも述べた通り、2013年の第1四半期や上半期の決算でいい数字が出てくると、状況は近いものになってくると思われます。こうした状況になれば、企業は人員拡大から増床・移転という流れになり、必然的にAクラスの需要が高まり、賃料相場の上昇につながっていくでしょう。つまり、今後の成り行き次第であり、特に、都心のオフィスの主要業種である金融・保険業、法律会計事務所や経営コンサルタント、IT系企業の業績改善が大きなファクターとなります。競争力のある主要なビルの稼働率が高まっている中、アベノミクスで需要サイドのマインドがチェンジすれば、賃料が上昇しはじめると見ています。

今後のプロジェクトがオフィスの競争力をらに向上させる

当社はかねてからヴァーティカルガーデンシティ(立体緑園都市)という街づくりのコンセプトに基づき、東京の国際新都心形成に向けて、新橋、虎ノ門、赤坂、六本木といったエリアの再開発を進めています。当エリアに多く所在する当社保有の営業物件すべてが新耐震基準を満たしていることに加え、六本木ヒルズ、アークヒルズ、愛宕グリーンヒルズの3拠点を中心とする周辺ビルへの群管理体制を敷いています。また、このエリアに社員の防災要員社宅約200戸を設け、有事の際には、社員が直接、震災対策に当たる体制を構築しています。防災面だけでなく、当社ビルに入居する企業のオフィスワーカーに向けての様々な優待サービスやスポーツイベントの開催など、森ビルが提供するオフィスビルならではのメリット創出や満足度の向上に努めています。

当エリアでは今後、昨年竣工した「アークヒルズ仙石山森タワー」に続き、「アークヒルズサウスタワー」が今夏竣工予定。高い耐震性能や非常用発電設備により事業継続を実現するだけでなく、都心部の超高層オフィスの屋上としては最大規模となる屋上庭園や低層部の緑あふれる憩いのフロントガーデンなど、オフィスワーカーが利用できるスペースが多様な働き方を可能にします。また、来年竣工を控えた「虎ノ門ヒルズ」は、BCP対応はもちろんのこと、インターナショナルホテルや、国際会議に対応するカンファレンス、高規格レジデンス、多様な都市活動をサポートする店舗などを擁し、国際ビジネスセンターの一翼を担うプロジェクトです。これらの主要プロジェクトを成功させ、エリアの魅力を向上させていくことがオフィスの競争力をさらに高める大事な要素と位置づけています。

新規賃借予定の理由

  2009年 2010年 2011年 2012年
耐震性の優れたビルに移りたい 11 15 35 40
賃料の安いビルに移りたい 40 43 38 36
業容人員拡大 28 28 36 34
立地の良いビルに移りたい 20 34 35 30
1フロア面積が大きなビルに移りたい 21 22 28 27
設備グレードの高いビルに移りたい 19 27 26 24
セキュリティの優れたビルに移りたい 15 20 24 21
防災体制、バックアップ体制の優れたビルに移りたい 8 10 19 20
企業ステイタスの向上 11 16 12 12
事務所の統合 13 9 12 13
環境に配慮したビルに移りたい 4 8 9 8
入居中のオフィスビルの建て替え 5 6 8 9
新規事業展開 9 12 8 9
オーナーの信用度が高いビルに移りたい 5 8 5 6
分室が必要 2 2 2 3
一時的な仮移転 1 1 1 1
支店・営業所の新設 2 1 1 2

ご移転計画のあれこれ、お気軽にご相談ください

CBREでは事業用不動産のプロフェッショナルチームが、お客様の経営課題や不動産にかかわるさまざまな課題解決をサポートします。

上記内容は オフィスジャパン誌 2013年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

記事を探す

物件をお探しのお客様専用窓口

CBREの記事をお読み頂き誠にありがとうございます。
ご移転のプランニングや優良未公開物件の仲介をご用命の際は右記のフォームからお問い合わせください。

物件相談フォーム