5か所8フロアの分散オフィスをワンフロアに統合 定借活用でテナント・オーナー納得のコスト削減移転
年間賃料コスト
削減率 | -34% | 削減額 | 5億5,360万円 |
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移転によるオフィスコスト累計比較
都内5ヵ所8フロアに拠点分散集約移転によるコスト削減を目指す
多くのSEと営業部員を抱え、これまでシステム構築の分野で順調に業績を伸ばしてきた情報通信システムのG社。グループ会社を含め、渋谷と恵比寿に5ヵ所8フロア(計1,350坪)で拠点展開していた。しかし、景気悪化の影響により業績が悪化すると、経営のスリム化が急務となり、コスト削減の一環としてオフィス賃料の削減を検討することになった。
経営を建て直すためには、従来のオフィスコストを全体で30%削減することが絶対条件。そのため、分散する拠点を1ヵ所に集約し、賃料コストの削減はもとより業務効率も向上させようと考えたのだが、同時に、いくつかの問題も浮上してきた。集約移転を考えると、移転先の床面積は最低1,000坪以上が必要となるが、営業活動の利便性を下げず、取引先やステークホルダー、社員に対し"リストラ"の印象を与えず、さら都内5ヵ所8フロアに拠点分散集約移転によるコスト削減を目指すに低コストでこれだけの面積を確保できるのか。はたして要望に沿った移転は実現可能なのか、先行きは不透明な状況だった。
使用面積の削減と定借の活用でコストメリットを最大化
G社から協力依頼を受けたCBREは、まず物件選定における可能性や比較材料を引き出すことを目的に5拠点の現状確認を実施。1拠点への集約効果を最大化するために、レイアウト効率の向上による面積削減を提案した。共有スペース(会議室、応接室等)の使用状況や業務支援・生活支援機能(備品、出力機、給茶機能等)の集約見直しを図ることにより、350坪の面積削減が可能となった。また、このように面積とコストを落として移転した場合のコストシミュレーションを実施し、株主や社内を説得できるだけのコストメリットを提示。結果として、新宿駅近隣という好立地に、ワンフロアで1,000坪を有する好条件ビルへの移転を決めた。
移転成功の大きな要因として、CBREが、候補物件の中から移転先を決める際のアドバイスにとどまらず、テナント・ビルオーナー双方のリスクとメリットを考慮した契約に導いたことが挙げられる。テナント側のコスト削減とオーナー側の利益確保を両立させるため、契約期間5年の定期借家契約を締結することを提案。その期間中にフリーレント期間を盛り込み、段階的に賃料をスライドさせていくという賃料プランを提案した。
スライド幅については、綿密なシミュレーションによりG社のコスト削減目標を実現すると共に、先行きが不安なオーナーにとってもトータルでの利益確保を実現できる数字を模索していった。結果として、双方にメリットのある契約を結ぶに至ったのである。
「移転計画をスムーズに進め、かつ期待以上のコスト削減効果を達成できたのは、CBREさんがスピーディな候補物件の提示と、定期的なマーケット情報を長期間継続して提供してくれたおかげです。我が社のニーズを的確に把握してくれていたため、契約条件の調整時にも安心してお任せできました」とG社の担当者は話している。