交通利便性が高く、「栄」や「名駅」エリアよりオフィス賃料水準の低い「伏見」エリアを希望する企業は多い。また、営業所機能が需要の多くを占める名古屋で、カギとなる駐車場が他エリアに比べ確保しやすいことも、人気を集める要因となっている。
「伏見」エリアにも他のエリアと同じく、オフィスビルの新規供給が少なかったが、2012年、2013年と続けて伏見通り沿いを中心にビルの竣工が見られた。これらのビルに企業の入居が続き、2012年の新規需要量はプラスとなっている。また2013年も新規需要量は増加する見通しである。
これに伴って、一時は2ケタ台を示していたエリア全体の空室率は、2013年に入って一旦低下した。また、大型の空室率も同様の動きを示していたが、新築ビルに移転した企業の二次空室が市場に供給されたため、2013年9月期は右上がりの推移となった。
このエリアに愛着を持つテナントは多く、今後は、「伝統」と「新しさ」が相まったオフィスゾーンとして魅力をさらに高めていくだろう。
写真撮影:2013年11月
凡 例
- 大型ビル:名駅・伏見・栄の3オフィスエリアに所在する、規模および設備等で各エリアを代表すると考えられる、基準階300坪以上または延床面積10,000坪以上のオフィスビル
- 名古屋グレードAビル:中村区・中区・東区・西区を中心としたオフィス集積度が高い地域に所在する、基準階500坪以上、貸室総面積6,500坪以上、延床面積10,000坪以上、築11年以下のオフィスビル