名駅
名古屋の玄関口である名古屋駅東側に広がるエリア。地下鉄や私鉄も乗り入れ、また商業施設の集積も進んだことから、新たな名古屋の「顔」としての位置付けを得ている。近年は大型オフィスビルの開発が相次いでおり、オフィスエリアとしての成熟度を高めている。さらなる交通利便性の拡充も予定され、一層の発展が期待される。
伏 見
名古屋の中心的な大通りであった「本町通」から西側のエリア。古くからのビジネス街として知られ、繊維関係の企業などが今も多く所在している。地下鉄が3線利用可能など利便性にも優れ、近年は伏見通り沿いを中心に大型オフィスビルが相次いで竣工したことから、築年数の浅いビルが少ない名古屋の中で人気を集めている地域である。
丸の内
「栄」、「伏見」の北側、名古屋城との間に広がるオフィスエリア。地下鉄桜通線の開通により利便性が高まった。また、都心型高層住宅が近隣に多く所在し、通勤の便が良いことも人気の理由である。中小規模のビルが多く、また名古屋の官庁街である三の丸地区に隣接していることから、外郭団体や法律関連企業が多く入居している。
名駅西
名古屋駅西側のエリア。大型量販店や予備校などが進出し、駅前から徐々に整備が進んでいる。ビジネスホテルや居酒屋などの飲食店も多くある。オフィスビルは中小規模が中心であり、企業の集積度は低いが駅東側と比較して賃料水準は低廉であることから、一定のオフィス需要を得ている地域である。
金 山
JR、地下鉄、名鉄が乗り入れるターミナル駅を中心に広がるエリア。周辺にホテルや商業施設が開業し、また中部国際空港(セントレア)へのアクセスも良いことから、オフィス立地として見直されてきた。また車の利便性も高くオフィスニーズは根強い。築浅のオフィスビルが少なく、今後の新規供給が待たれている。
栄
従来からの中心的なオフィスエリア。金融機関の集積なども見られ、根強いオフィスニーズを得ている。また、地下鉄栄駅を中心に大型百貨店が立ち並び、ブランドショップが多く所在するなど、名古屋の中心的な商業地区としても広く知られている。地下街も発達しており、他の都市には無い名古屋独自の個性を持ったエリアである。
3大都市【名古屋市・東京都(区部)・大阪市】比較データ | ||||
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比較項目 | 名古屋市 | 東京都(区部) | 大阪市 | |
1人口〔H25年10月〕 | 2,271,380人 | 9,059,903人 | 2,683,487人 | |
2事業所数〔H21年〕 | 132,199社 | 553,684社 | 209,636社 | |
3従業員数 〔H21年〕 | 1,533,964人 | 7,902,039人 | 2,454,646人 | |
4大企業数 〔H21年、従業員300人以上〕 | 331社 | 2,487社 | 632社 | |
5銀行の総預金残高 〔H23年〕 | 20兆4,230億円 | 172兆605億円※都全域 | 31兆199億円 | |
6市(都)内総生産(生産側)名目 〔H21年〕 | 11兆6,670億円 | 85兆2,016億円※都全域 | 19兆6,532億円 |
◎出典:1…各都市HP、2・3・4・5・6…「大都市比較統計年表(平成23年)」横浜市 政策局 統計情報課(資料…2・3・4:総務省統計局、5…各都市銀行協会、6…各都市統計主管課)
名古屋オフィスマーケットデータ
名古屋の中心的なオフィスゾーンの貸室総面積は約89万6,600坪。東京主要5区のおよそ1割、大阪の3分の1の規模である。「名駅」、「伏見」、「栄」共にほぼ同規模であるが、名駅エリアに大型ビルが多くあることが分かる。近年の名古屋オフィスマーケットの特徴は、新規供給がわずかであったことであるが、2015年、「名駅」エリアでの大型ビル開発によって、6万坪近いオフィス床が供給される予定。空室率を見ると、2012年末に向けて低下基調で推移し、とりわけグレードAの区分では低水準となっていたが、2013年に入って上昇を見せている。
凡 例
- 大型ビル:名駅・伏見・栄の3オフィスエリアに所在する、規模および設備等で各エリアを代表すると考えられる、基準階300坪以上または延床面積10,000坪以上のオフィスビル
- 名古屋グレードAビル:中村区・中区・東区・西区を中心としたオフィス集積度が高い地域に所在する、基準階500坪以上、貸室総面積6,500坪以上、延床面積10,000坪以上、築11年以下のオフィスビル