オフィスビルが集積し、一大オフィスゾーンを形成してきた「栄」。名古屋や東海圏を統括する営業拠点や、集客型オフィスなどの幅広いオフィスが入居している。オフィスエリアとして成熟した地域である一方で、新たなビル開発を行う余地に乏しく、その結果、新規供給がここ数年少なかったことが特徴であり、2009年以降は大型ビルの竣工が把握されていない。
近年は需要がマイナスを記録している。これはコスト削減のために入居ビル内で減床を行ったり、他エリアへの移転を行ったりするケースが見られたためである。新規供給が少なかったことから新たな企業の流入が無かったことにも起因している。
こうしたことから「栄」の空室率は上昇しており、名古屋平均のそれを上回って推移している。特に「大型ビル」の区分で上昇が続いており、2013年9月期にはおよそ9%の水準である。
「名駅」と比較されることの多い「栄」エリアであるが、名古屋の中心的なオフィスエリアとして、今後も根強い需要を得ていくだろう。
写真撮影:2013年11月
凡 例
- 大型ビル:名駅・伏見・栄の3オフィスエリアに所在する、規模および設備等で各エリアを代表すると考えられる、基準階300坪以上または延床面積10,000坪以上のオフィスビル
- 名古屋グレードAビル:中村区・中区・東区・西区を中心としたオフィス集積度が高い地域に所在する、基準階500坪以上、貸室総面積6,500坪以上、延床面積10,000坪以上、築11年以下のオフィスビル