勢いある企業に見る、若い世代が大胆に活躍できるオフィスとは
株式会社メルカリ
CSグループ
光崎 拓生 氏
株式会社メルカリ
CSグループ
佐藤 圭一 氏
急成長を支え続ける365日の安心・安全
個人間で簡単かつ安全にモノを売買できるフリーマーケットアプリを、グローバルに展開する株式会社メルカリ。2013年7月のリリースから4年間という短期間で、日本では5,000万ダウンロードを突破、1日の出品数は100万品以上、月間流通額は100億円以上(2017年7月現在)と、国内最大のフリマアプリとして急成長を遂げている。
六本木に東京オフィスを構える同社は、2014年4月に仙台にカスタマーサポート(CS)の拠点を開設、そして今年3月には福岡・博多駅至近の立地に国内3番目の拠点となるCSオフィスをオープンした。同社は常に安心・安全な取引を提供するためCSを重視しており、全社員の半数以上にあたるメンバーが、365日体制で問い合わせ対応や規約違反の監視・取り締まり等のCS業務に従事している。
「博多という地を選択した背景には、労働人口の集積が挙げられます。周辺に大学が多く、近郊都市圏から若年層が流入して人口増加率も高い。また福岡市内は製造業が少なくサービス業が多いという産業構造となっており、接客、コールセンターやCS業務等の経験者が多く、当社の業務にマッチングする優秀な人材が多いことも大きな理由です」と、福岡オフィスで人事・総務を担当するCSグループ 佐藤圭一氏は語る。
福岡オフィスでは、メールだけでなく電話でもサポートを行っており、これまでのCS業務や接客でのキャリアを生かして業務をしている。さらに、市内には同業種の企業が多く、情報や知識を共有して共に成長していこうという土壌が、同社のような新しいサービスを展開する企業を惹きつけているということである。
フラットな社風を体現する福岡の新オフィス
木の素材感を生かした温かみのあるエントランスからオフィスに入ると、まず目を引くのは壁や柱に大きく描かれたメルカリが掲げる“3つのバリュー”である。
Go Bold – 大胆にやろう
All for One – 全ては成功のために
Be Professional – プロフェッショナルであれ
「これは、当社が“新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る”というミッションを達成するためのコアな価値基準です。世の中にインパクトを与える多くのイノベーションを生み出すために大胆なチャレンジをすること、チームワークを重視しメンバーの力を結集すること、そしてメンバーが常にオーナーシップを持って自由闊達に仕事をし、専門的能力をレベルアップしていくこと。これらをメンバー全員で共有し、実行するための施策の1つとして、Face to Faceのコミュニケーションを活性化させる環境づくりを常に意識しています」(佐藤氏)。
オフィスはフリーアドレスを採用しており、席を固定化しないことが情報共有をしやすい環境にも一役買っている。また、リフレッシュスペースは一般的な会社と比べても広く確保しており、社内のミーティングや社内外の勉強会やイベントでも利用されるほか、月1回はオリジナルの屋台にデリバリーを用意した社内交流イベントに活用されている。
さらに新入社員に対しては、5日間連続で既存メンバーが交代でメンターランチを実施。これは全社で行われており、さまざまな立場・職種のメンバーと一緒に食事をすることで、入社したてのメンバーにとって悩み相談はもちろん仕事のヒントを得る機会にもなっているという。
「コミュニケーションを大切にするフラットな社風、これが当社の企業文化となっており、この福岡オフィスでも体現されています。現在は立ち上げメンバー20名ほどの拠点ですが、今後は業容の拡大に合わせて拡張も計画しています」と、福岡オフィス開設でリーダーとして中心的役割を担った、CSグループ 光崎拓生氏は語っている。
“Go Bold”に働くことを可能にするバックアップ
人材が資本であるインターネット関連業界の中でも、20~30代の若年層が多く働く同社では、社員が長く勤められるように、執務環境だけでなく福利厚生面も充実させている。
「スキルを蓄積した人材が家庭環境等の事情で退職せざるを得なくなるのは、会社と社員の双方にとって大きな損失だと考えております。そのため、当社では社員が「Go Boldにおもいっきり働ける環境」をより充実させていくため、2016年2月に人事制度として『merci box』を導入しました。産休・育休中の給与の100%保障をはじめ、妊活費の支援、病児保育費の支援、社員の死亡保険加入などの制度を整えています。また、今年5月には認可保育園と認可外保育園の保育料差額を会社が負担する制度を新たに追加しました」(光崎氏)。若い世代が安心してライフイベントを迎え、仕事とのスムーズな両立が可能となるよう支援するとともに、手厚い制度で他社との差別化も図られている。
世界的なマーケットプレイスの創出をミッションに掲げる同社は、国内3拠点のほか、米国サンフランシスコ・ポートランド、英国ロンドンの海外3拠点も展開。米国でのダウンロード数は現在2,500万を超えており、今年3月には英国でもサービスをローンチをするなど、さらなるグローバル展開も視野に入れている。日本発の世界的アプリとして認識される日も近いだろう。
〔取材 2017年7月〕