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賃貸不動産市場その動向と相場 2017 Q2
目次

東京

グレードA空室率は4%台に上昇、さらに需給が緩む可能性も。

空室率の押し上げ要因

今年1月、米国でトランプ政権が発足したが、政策の不確実性が高く、かつ内向きである側面が強いことから、世界経済の行方には慎重な見方が広まっている。日本経済では、2014年度の消費税増税によるマイナス成長の後、GDPは緩やかながらもプラス成長が続いており、今後も当該トレンドが続く見込みである。ただし、高まる先行きの不透明感から、企業収益の増加にもかかわらず、前向きな取り組みは鈍い状況である。

当社の調査による、2017年3月期の東京グレードAビルの空室率は4.2%と、対前期(2016年12月期)比1.4ポイント上昇した。今期は、複数の新築ビルが竣工したが、いずれもまとまった空室を抱えたまま竣工を迎えたため、空室率の上昇要因となった。

テナント動向は、人員増加や業容拡大に伴う拡張需要が根強く、拡張移転や分室、館内増床等の需要が多くを占める状況に変わりはない。しかし、企業のコスト意識は依然高く、移転等に向けた意思決定は動きが鈍い状況である。そのため、昨年以降、大型空室を抱えたまま竣工するグレードAビルは増加傾向にあり、賃料水準が高い新築グレードAビルのリーシングには時間を要している。

テナントは慎重な姿勢

今後、東京グレードAビルの新規供給は、2017年に約8.7万坪、2018年に16.9万坪が予定されている。特に、2018年については、過去10年間の年平均8.8万坪を大幅に上回る水準が見込まれており、その内10万坪が「丸の内・大手町」エリアに竣工する予定である。すでに、大口テナントの入居が決定したビルが見られる一方、総じて賃料水準が高いため、一部で空室を残して竣工する可能性は否定できない。また、2019年以降も過去平均を上回る供給量が見込まれることから、グレードAビルの想定成約賃料は、2017年の下期を目処にピークを打ち、その後緩やかな下落に転じるものと予見される。

今後の供給増加や賃料の先安感により、テナントサイドには、新築グレードAビルの選定に、より慎重な姿勢を取る動きが散見される。そのため、通常の募集条件より踏み込んだ条件を提示することで、大口テナントを確保しようとする動きも一部のビルに出てきている。今後のリーシングの動向には、一層注視していく必要がある。

ビル営業本部 冨山 圭一

相場表

種別 賃料(共益費込み) 需給の動向 空室率
推移
主要3区大規模ビル 25,000~46,000 円/坪 新築ビルの空室消化スピードがやや低下している。 やや上昇
主要3区中小規模ビル 16,000~28,000 円/坪
好立地・築浅物件の人気は高く、空室率は低水準を維持している。
横ばい
周辺7区大規模ビル 20,000~36,000 円/坪
内部増床の需要が多く、外部募集にならずに空室消化が進み、空室率は低下している。
やや低下
周辺7区中小規模ビル 15,000~25,000 円/坪
好立地・築浅物件の人気は高く、空室率の低下が進んでいる。
やや低下
23区内大規模ビル 15,000~21,000 円/坪
値頃感のある大型物件への需要は引き続き多く、コスト意識の高い企業の受け皿となって空室消化が進んでいる。
やや低下
23区内中小規模ビル 10,000~13,000 円/坪
継続的に分室等の需要は多いが、立地条件次第では苦戦する傾向が強い。
やや上昇
立川 10,000~19,000 円/坪
満室になった区画と新規空室が同等に見られ、空室率としては横ばい。賃料は頭打ちの印象がある。
横ばい
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

(注)主要3区=千代田、中央、港 周辺7区=新宿、渋谷、文京、豊島、品川、台東、目黒 23区内=左記10区を除く東京都内

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

オフィスジャパンはBZ空間に誌名が変わりました。
上記の記事の内容はBZ空間(オフィスジャパン)掲載当時のものです。

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