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東北 - 賃貸不動産市場 2016年3月期

年初から拡張移転ニーズが増加。既存大型ビルで空室消化が進む。

空室率は再び低下

シービーアールイー(株)の調査によると、2016年3月期の仙台市の平均空室率は、前期(2015年12月期)から0.3ポイント低下して7.2%となった。前期は、行政テナントの新庁舎への移転による解約が要因となり、13期ぶりに空室率が上昇した。しかし、今期は再び低下しており、特殊要因を除けば引き続き好調なマーケットであると見て取れる。

テナント企業の動向としては、年初から新規開設、人員増を要因とした拡張移転の事例が多く見受けられた。拡張に関しては、館内での増床や移転も多く、空室が一般募集される前に、館内テナントによって消化されるという事例もあった。また、単純な拡張移転ではなく、新規事業や新会社の立ち上げにより、現在の入居ビル内の増床ではなく、外部の物件を契約する事例も見られた。

グループの移転を要因とする大型空室の発生も見受けられたが、200坪以上の大型面積の空室の希少価値が増しているため、引き合いは好調である。

依然として、築浅ビルの人気は高いが、募集賃料の上昇により、以前と比べすぐに空室が消化されるといった状況ではなくなってきている。今期、空室が消化された物件の多くは既存の大型ビルで、築浅ビルよりは賃料が抑えられた物件であった。

築浅ビルの空室が少ない中、今期のように既存ビルの空室消化が進めば、既存ビルを中心とした仙台マーケット全体の募集賃料の上昇につながっていくものと考えられる。

今年は、3月18日にグランドオープンした「エスパル東館」や、2018年開業予定と報道されたヨドバシカメラの新ビルなど、JR仙台駅東口に注目が集まる話題が続いた。人の流れが活発になることで、商業エリアとして発展し、さらにオフィスエリアとしても発展していくことが期待される。

東北主要都市の市況

仙台以外の東北主要都市の今期の空室率を見ると、盛岡・山形・郡山は、仙台よりも空室率が低くなっており、大型面積を必要としている企業にっては動きが取りづらい状況となっている。空室の消化が進んでいる物件に関しては、少しずつではあるが、募集賃料の値上げも始まっている。

仙台支店 後藤拓己

相場表

種別 賃料(共益費込) 需給の動向 空室率
推移
仙台市中心部 13,000~16,000 円/坪 拡張・設備改善などの需要が多く、空室率は緩やかに低下しており、今後もこの傾向が続くものと見込まれる。 横ばい
郡山市 9,000~13,000 円/坪 引き続き市内に空室は少なく、テナントのニーズとのミスマッチが生じ、動きは停滞している。賃貸条件についても横ばいで推移している。 -
盛岡市 9,000~11,000 円/坪 耐震物件を中心に、空室消化が進んでいる。引き続き、大型面積の確保が難しい状態が続いている。 -
倉庫・配送センター
注文建築
3,500~4,500 円/坪 大型施設の竣工により発生する二次空室の消化が引き続き目立つ。拡張や統合を検討するテナントが多く、今後も先行して倉庫床を確保する動きが増加してくるものと予想される。 -
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は BZ空間誌 2016年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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