オールグレード空室率は 3 期連続上昇。
みなとみらいはテナント優位の状況が継続。
横浜駅周辺の需給は均衡
CBREの調査によると、2023年6月期の横浜市オールグレードの空室率は6.3%となり、対前期(同年3月期)比0.3ポイント上昇した。
エリア別に見ると、「横浜駅周辺」エリアの空室率は、前期と変わらず2.4%。大手企業によるエリア外への縮小・集約移転が実施された一方、貸会議室運営会社による新規出店、製造業や不動産業など一部の企業で、拡張移転や館内増床といった動きも見られ、全体として需給バランスは均衡を保 った。潜在的な大型空室を抱えているビルの空室が顕在化した場合、賃料が下落する可能性はあるものの、現時点では前期から大きな変更はない。
「みなとみらい」エリアの空室率は、対前期比0.4ポイント上昇し8.4%となった。新築・既存物件ともに、エリア内外からの拡張移転や館内増床が散見されたが、需要を大きく上回るペースで、新規供給が見込まれる背景もあり、テナント誘致に際しオーナーから積極的な経済条件の提示が相次ぎ、賃料は下落した。今後の竣工予定物件の成約状況や、潜在的な大型空室を抱えるビルの動向を踏まえると、テナント優位のマーケ ットがしばらく続きそうである。
関内の空室率は依然低水準で推移
「関内」エリアは、前期と比べて空室率がわずかに上昇したものの、100坪未満の小規模面積帯を中心とした、既存物件の空室消化が進み、依然、低水準を保っている。2024年竣工予定の新築物件の成約状況や、2025年末以降に計画されている複数棟の大型再開発案件が、今後マーケットにどのような影響を及ぼすのか注目される。
「新横浜」エリアは、前期と比べて空室率がわずかに低下した。大型空室を抱えた物件のうち、グレードの高い坪単価1万円台半ば以上のビルが苦戦する中、坪単価1万円台前半のビルにおいては、募集していたすべての区画で埋め戻しの目途が立つなど、空室の消化が順調に進んだ。
「川崎」エリアは、前期より空室率がわずかに上昇した。100坪を超える大型成約が複数見られたものの、空室率が高い状況が続いている。各オーナーとも、さらなる賃貸条件の緩和や、キャンペ ーンを検討、実施している。また、川崎市役所の建替移転に伴う、二次空室の影響なども、考慮すべき事項となっている。
横浜支店 富川 貴由
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