企業のコスト重視傾向が強まり、ハイグレード物件で空室率上昇傾向。
ミドルグレードは高稼働維持
2021年6月期の金沢における空室率は6.6%と前期(2021年3月期)より1ポイントの上昇となった。直近の空室率の上昇の中では、最大の上げ幅となった。
ビルグレードごとの空室動向を見てみると、ミドルグレードの物件については、従前からの高稼働を維持しており、空室率上昇の要因は主として、ハイグレード物件にあると言える。もともと使用面積が大きいテナントが多く、かつ賃料単価が比較的高いこともあり、拠点戦略の見直しの結果、撤退や他拠点への集約などにつながるケースが見受けられる。一方で、出店や移転などを検討する企業も少なくない。ただ、需要の特徴として、コスト重視の傾向があり、郊外の戸建物件や手ごろ感のあるミドルグレードのオフィスビルが好まれることが多い。
空室率上昇も賃料水準は横ばい
今期の想定成約賃料は前期とほぼ同水準帯と言える10,950円/坪となった。現時点では、空室率上昇の賃料水準への影響は限定的である。しかしながら、空室率の上昇が続いた場合、賃料水準が下落トレンドに転じる可能性もあり、市況の注視が必要である。
金沢営業所 橘 智史
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