大型需要はやや鈍化する一方で、 100坪未満の空室には品薄感。
空室率は4%台まで低下
シービーアールイー㈱の調査による、2018年3月期の横浜オールグレードの空室率は4.9%となり、対前期(2017年12月期)比0.6ポイント低下した。
エリア別に見ていくと、「みなとみらい」エリアの今期の空室率は6.8%となり、対前期比0.3ポイント低下した。貸会議室運営の大手企業による大型成約があったこと以外は、小規模案件の需要による空室消化が多く見られた。ビルによっては、入居テナントの館内増床により新規の空室が消化される動きがあり、マーケットに出ないまま、水面下で決まるケースも見受けられた。
「横浜駅周辺」エリアの今期の空室率は2.1%となり、対前期比1.0ポイント低下した。同エリアでも、貸会議室運営の大手企業により、予備校跡だったビル1棟を賃借する大型成約があった。好立地の物件については、新規空室の埋め戻しが早期に行われ、エリア全体の空室率低下の原動力となったが、築浅の大型空室や高価格帯のビルのリーシングはやや鈍化し、動きが少ない状況である。
前期に続き、「横浜駅周辺」「みなとみらい」エリアでは、共に100坪未満の空室の品薄感が強い。一方で、大型物件については、オフィスとしての成約が見られなかったことから、空室率が低下してもマーケットが改善したとは言えない状況である。
新横浜・関内・川崎の状況
「新横浜」エリアの今期の空室率も、対前期比で低下した。引き続き、空室率は低水準で推移しており、駅に近いビルにおいては100坪を超える成約が数件あったため、ほとんど空室がなく、需給が逼迫した状況となっている。新規空室が出ることになっても、館内増床により消化されてしまう状況である。
「関内」エリアでも、今期の空室率は低下。2年後に予定されている横浜市市庁舎の、みなとみらい線馬車道駅近くへの移転により、現市庁舎とその周辺に賃借しているビルについては、二次空室が出てくるものと予測されている。今後のエリアの動向が懸念される
「川崎」エリアでは、引き続き空室率が低水準で推移しており、今期の空室率は1%を切った。空室があっても、引き合いが数件重なる状況となっている。
横浜支店 小河 卓
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相場表
種別 | 賃料(共益費込み) | 需給の動向 | 空室率 推移 |
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横浜大規模ビル | 16,000円~22,000円/坪 | 空室率は低下傾向で、必要面積の確保が難しくなっている。みなとみらいエリアには大型空室があるが、横浜駅周辺には少ない状況。 | |
横浜中小規模ビル | 11,000円~15,000円/坪 | 小規模空室に動きが多く、空室率は低下。空室確保のためにはスピードが必要だ。 | |
関内大規模ビル | 9,000円~13,000円/坪 | 空室率は低下傾向で、必要面積の確保が難しくなっている。 | |
関内中小規模ビル | 8,000円~10,000円/坪 | 空室率は低下傾向で、必要面積の確保が難しくなっている。 | |
新横浜大規模ビル | 10,000円~13,000円/坪 | 空室率は低下傾向で、必要面積の確保が難しくなっている。 | |
新横浜中小規模ビル | 8,000円~10,000円/坪 | 空室が少なく、選択肢が少ない状況が継続。 | |
川崎 大規模ビル | 15,000円~18,000円/坪 | 空室率は低下傾向で、必要面積の確保が難しくなっている。 | |
川崎 中小規模ビル | 11,000円~15,000円/坪 | 空室が少なく、選択肢が少ない状況が継続。 |
空室率推移凡例: | 上昇 | やや上昇 | 横ばい | やや低下 | 低下 |
※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。
文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。