広島:空室率は再び低下。前向きな移転ニーズが増加傾向。
今秋竣工の新築ビルに期待
シービーアールイー(株)の調査による、2021年12月期の広島市内中心部の空室率は2.5%と、対前期(同年9月期)比0.6ポイント低下した。コロナ禍の影響で、縮小・撤退という企業も少なくなか ったが、比較的小規模の減床が多かった。一方で、拡張・環境改善などの前向きな移転ニーズも多く、自社ビルの建て替えに伴う大型空室の消化などもあり、空室率の低下につながったと考えられる。
今期の空室率は前期から低下したものの、広島県庁の耐震補強工事に伴い一時的に賃借していた複数のビルで、再び空室が発生することや、コロナ関連のコールセンターなどで、短期利用しているビルも複数あることから、来期以降に空室率が上昇する潜在的な要因を抱えている。
新規供給は、今年秋に広島東郵便局跡地に「広島駅南口計画(仮称)」が竣工予定である。広島駅周辺では、2019年4月に竣工した「GRANODE広島」以来の新築ビルとなる。業績好調な企業や、立地改善・人材獲得の観点などから注目している企業は多く、需要が喚起されることを期待したい。
岡山:空室率はやや上昇するも、テナントの前向きな動きが増加。
注目される新規供給
2021年12月期における岡山市の空室率は、前期(同年9月期)からやや上昇した。前期は、大幅に空室が増加したが、今期は、あまり目に見える動きがなかった。一方で、15坪前後の事務所新設の動きや、既存事務所の立地や環境改善を検討する前向きな動きが増え始めている。コロナ禍で、一時移転を見合わせていた企業が、動き出した感がある。ただし、一部には、縮小を検討する企業や、館内縮小、事務所を閉鎖しサービスオフィスに入居する動きもある。
今年は、昨年の1棟に続き、新築オフィスビルが2棟供給される。さらに、来年には1棟の竣工を控えており、計4棟の大量供給がある。リーマンショック下の2009年に新築されたビルがテナント募集に苦戦した結果、以来10年以上新築オフィスビルの供給がなかった岡山。コロナ禍の新築ビル群の入居状況に、注目が集まっている。
今年は、4年に一度の「瀬戸芸」、 3年に一度の「岡山芸術交流」、令和の岡山城の大改修など、人が集まるイベントがある。岡山がどのような印象をもたれるかも、気になるところである。
広島支店 柴﨑 雅史 / 越智 昭博
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