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福岡 - 賃貸不動産市場 2018年12月期

賃料相場

2019年3月25日

空室率は過去最低値更新、 貸し手優位の市況で、賃料上昇続く。

コワーキングオフィスが続々オープン

シービーアールイー(株)の調査によると、2018年12月期の福岡主要オフィスゾーンの空室率は0.4%となり、対前期(同年9月期)から0.1ポイント低下した。想定成約賃料は、前期から2.2%上昇の14,800円/坪で、まだ高止まりは感じられない。

天神エリアでは、300坪規模の解約があったものの、入居希望が複数社集まり、即テナントが決定したため、空室率のデータへ反映されない動きとなった。テナント需要は引き続き旺盛で、貸し手優位の市況が続いており、募集賃料よりも高い金額で成約するケースが多く見られる。

IT企業を中心とした増床や分室に加え、建て替えによる立ち退きテナントの需要が後を絶たない。さらには、コワーキングオフィスやコンパクトホテルが一棟借りするケース等も重なり、賃料上昇と空室率の低下に拍車をかけている。昨年秋には、コワーキングオフィス運営の「WeWork」が大名エリアのビルを一棟使用し、オープン。同業態の「fabbit」は、アクロス福岡の1階にオープンした。続いて、今年春には、博多エリアで「SPACES」がビルを一棟使用してオープン予定である。水面下では、こうした業態の開設計画がさらに進んでいる。

福岡市の大規模プロジェクト

福岡市が行うプロジェクト「天神ビッグバン」による、容積率上乗せや高さ制限緩和の期限が間近に迫ってきていることもあり、天神エリアの開発が活発になっている。新たに、天神西通りの角地で、3棟を建て替える共同開発の記事がリリースされた。

さらに、福岡市は攻勢の手を緩めない構えで、博多駅周辺の再開発促進のため「博多コネクティッド」を始動すると年明け早々に発表した。博多駅から半径約500メートル、約80ヘクタールのエリアで老朽化したビルを対象とし、容積率の上乗せ、高さ制限の緩和等により、建て替えを促進させるプロジェクトである。

博多駅近隣には、築40年を超えるビルが現存し、耐震補強や大規模なリニューアル等により、最大限の有効活用をしてきた。それゆえに、老朽化したビルのオーナーにとっては朗報であるものの、「天神ビッグバン」に大きく後れを取るため、福岡の好調なマーケットが、いつまで続くのかを慎重に見極めた上で、建て替えを検討していくことになるだろう。

福岡支店 午頭 涼輔

相場表

種別 賃料(共益費込み) 需給の動向 空室率
推移
博多駅前 15,000円~18,000円/坪 大通りに面した大型ビルに空き予定が出るが、入札形式で募集する動きが見受けられる。その影響から賃料は高騰している。 横ばい
博多駅東 13,000円~16,000円/坪 博多駅前に比べ割安感のあるエリアだが、空室が少ない影響もあり賃料は上昇傾向にある。 横ばい
呉服町 12,000円~15,000円/坪 引き続き空室消化が進んでいる。エリア全体で賃料は上昇傾向。 やや低下
天神 16,000円~18,000円/坪 明治通り沿いの大規模ビルでは、空室がほとんど消化されている。賃料も高騰しており、その影響は周辺エリアにも及んできた。 やや低下
赤坂大名 11,000円~13,000円/坪 エリア全体の動きは、空室も少なく停滞気味。ただし、新たな空室が出れば成約賃料は上昇傾向。 横ばい
北九州小倉 8,000円~10,000円/坪 需要は停滞。大型ビルを中心に引き合いは集まるが、賃料水準は全体的に横ばい。 横ばい
中・大型倉庫
市内
2,700円~3,200円/坪 需要は引き続き堅調。大型マルチ倉庫の成約で、供給は大型・中型ともに品薄感が続く。 横ばい
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー(株)社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

上記の記事の内容は BZ空間誌 2019年春季号 掲載記事 掲載当時のものです。

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