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賃貸物流倉庫・大型貸し倉庫の記事

現地営業マンが語る 東北道物流マーケット

シービー・リチャードエリス株式会社
仙台支店 インダストリアル営業グループ
橋詰 仁郎

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唯一の100万都市・仙台市が東北エリアの物流の要

東北エリアにおいて人口や商業が最も集積しているのは、立地的にちょうど真ん中に位置する、100万都市の宮城県仙台市です。商業や産業が集積すれば、当然、そこに物流も伴っていきます。仙台が東北物流の核であることには、疑問の余地はないでしょう。

この仙台市を除けば、あとは20~30万都市が、広域にわたって点在しているのが東北の概観図となります。南北に長く伸びる東北エリアは、福島県、山形県、宮城県の南東北と、岩手県、秋田県、青森県の北東北に分けられ、特に北東北は、中央に奥羽山脈が走っていることもあり、日本海側へのアクセスが弱いという問題を抱えています。その北東北への配送の拠点となるのが、仙台市から高速自動車道を2時間ほど北上した位置にある岩手県盛岡市です。一方の南東北では、東北自動車道と磐越自動車道が交差し、東北で2番目の人口を擁する福島県郡山市に物流施設が集積しています。

仙台の歴史的な物流集積地「宮城野・若林エリア」

仙台市における物流市場を見てみると、昔から物流集積地として発展してきたのが、JR仙台駅の東側に位置するJR貨物・宮城野ターミナル周辺です。その昔、貨物ターミナルの東側に造成された問屋団地の発展に伴い、その周辺に物流施設が集積してきたという経緯があり、賃貸物件も豊富。区画整理を行い造成された物流特化の立地特性を有しており、仙台バイパスを中心に、路線業者など域内の物流企業も数多く集まっています。地下鉄の延伸による宅地化や卸業界全体の衰退といったマイナス要因はあるものの、今後も重要な物流拠点であるという位置づけは、堅持されていくのではないでしょうか。東北への進出を考える物流企業は、まずこのエリアに進出しようとするのがセオリー。仙台市内へのアクセスは抜群で、東京をはじめとする全国各地から運ばれてきた荷物を、仙台市内に配送するための拠点として利用されています。

仙台における物流の要として発展してきた宮城野・若林エリアですが、最近ではある問題も指摘され始めています。それは、歴史あるエリアであるだけに昔ながらの古い倉庫が多く、それが現代の物流ニーズにそぐわなくなってきていることです。30~40年前に建てられた倉庫のほとんどは、500~600坪の多層階といったスタイルの倉庫であり、ストック型施設からスルー型施設へと移り変わっている今の時代では、使い勝手がいいとは言えません。また、建物の老朽化も進んでおり、荷主企業の印象もあまりいいとは言えないようです。

このように小規模の倉庫が乱立している背景には、仙台市周辺で取り扱う荷物の多くが小型であるという事情もあります。大きな荷物がなければ、大きな物流施設も必要なく、小さな倉庫でやりくりしてきたというのが現状なのです。たとえ一つの倉庫が手狭になったとしても、同じエリア内で100坪や200坪ほど借り足して微調整する、ということが長年行われてきました。その結果、同一エリア内で倉庫が分散したとしても、仙台市内へのアクセスの良さというメリットのほうが強く、このエリアを出て、別の場所に物流拠点を統合するという動きはこれまで見られませんでした。

そのような中、物流拠点を統合した初めてのケースとして注目を集めたのが、2007年8月に本格稼働を開始したアスクルの新物流拠点「仙台DMC」です。同社はそれまで、宮城野・若林エリアにある複数の物流施設を利用していましたが、仙台港に近い立地にプロロジスが開発した地上4階建、延床面積約4万?の大型施設に拠点を統合しました。アスクルの拠点統合によって、このエリアでは数千坪の倉庫に空きが出たとも言われています。今後も、拠点統合の動きに伴う企業流出の可能性は考えられるでしょう。そうならないために、このエリアの既存物流施設のグレードを高める、あるいは不動産の価値を高めるなど、物流拠点としての魅力を高めるための動きが今後出てくるのではないかと推測されます。

北部エリアの産業集積に伴う物流需要の高まりに期待

宮城野・若林エリアに次いで、近年需要が高まっているのが、東北自動車道の泉ICから大和IC付近の「北部エリア」です。埼玉県川口市から青森県八戸市まで伸びる東北自動車道のちょうど中間点に位置しているため、東北全域を見据えた配送の拠点として注目を集めています。加えて、トヨタ自動車の生産子会社であるセントラル自動車の進出と、半導体製造装置最大手の東京エレクトロンが第二工場の開発を予定しており、近い将来ここに一大工業地帯が誕生するであろうという期待も、このエリアが注目を集めている理由と言えるでしょう。ただ、このエリアは自社物件が多く、現在はまだ賃貸物件はほとんどありません。今後、産業集積が進むにつれて物流需要が高まれば、施設の供給も増えてくるものと思われます。

セントラル自動車の進出は、仙台港周辺の「港エリア」や、仙台空港周辺の「南部エリア」にとっても好材料として受け止められています。仙台港や仙台空港は、ともに地方港、地方空港であるため現在は貨物需要がそれほど多くはありませんが、北部エリアへの産業集積によって空輸や運輸の貨物が増えれば、港や空港の活性化にもつながり、物流拠点としてのポテンシャルも高まるのではと期待されています。

今後、供給増が見込まれるマルチテナント型施設

賃料の相場観としては、仙台市内への配送拠点として人気の高い宮城野・若林エリアが最も高く、3,000円/坪前後が相場です。宮城野・若林エリアに代わって、港エリアや南部エリアが検討されるケースもありますが、商圏である仙台市内から若干離れていることもあり、賃料は宮城野・若林エリアより低めとなる傾向があります。また、最近、需要が高まっている北部エリアの賃料相場も、3,000円/坪といったところとなっています。

これまで、東北の中核である仙台周辺であっても、マルチテナント型物流施設の供給はほとんどありませんでしたが、セントラル自動車の進出による物流需要の増大を見越した大型施設の開発の動きがすでに見られ始めています。今年10月には、仙台空港周辺にマルチテナント型施設が竣工、来年末までには、仙台港周辺と仙台市北部でそれぞれ1棟ずつ、大型施設の竣工が予定されています。東北エリアにマルチテナント型の施設が根付くかどうかは、これら3施設の稼働状況によって決まってくるのではないかと思います。現状ではまだ、物流企業や荷主企業の側に戸惑いが見られるようですが、大型施設の供給が増えれば、拠点統合によるスケールメリットを重視する傾向も強まってくるのではないでしょうか。物流関連企業が今後、マルチテナント型施設の活用も含めてどのような戦略をとっていくかによって、東北エリアの物流マーケットも大きく変わっていくのではないかと推察されます。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2008年冬季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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