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対ロシアの国際物流へと展開

東北全域の物流網構築を足がかりに 対ロシアの国際物流へと展開する

センコン物流株式会社
代表取締役社長 久保田 晴夫

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宮城県北部へのトヨタ進出は100年に1度のビジネスチャンス

当社は、昭和34年に設立され、来年で設立50周年目を迎えます。創業は、現在の日本梱包運輸倉庫の当時の役員が出資し合って会社を立ち上げ、業務を開始したのが始まりです。当時は、本田技研のオートバイを東北で保管・配送する業務を請け負っていましたが、その後、本田技研が四輪車に移行して急成長するに伴い自社で物流子会社を持たれるようになり、当社の業務は激減してしまいました。そこで、生き残りをかけて技術が応用できるトラクター等の農機具メーカーの物流業務へと方向転換したのです。その過程で農産物の保管・輸送業務も行うようになり、今ではタイヤ、合板、公共資材、医療機器、精密機械、半導体製造装置など多岐にわたる顧客の物流ニーズに対応しています。

当社は宮城県を中心に、秋田、岩手、山形、福島および新潟県へと拠点を拡充し、東北全域をカバーする物流網を築いてきました。東北エリアは南北に距離がある上に各都市の人口密度が低く、物流業務を行うには効率の良い地域とは言えません。企業が東北エリアへの進出を考える場合でも、物流面では自社の拠点を持たずに、現地の事業者に委託するケースが多いのです。当社でも、こういった企業の東北エリアにおける物流業務の受託が、ビジネスの大半を占めています。

もちろん東北唯一の100万都市である仙台市内にも、物流市場は存在します。しかし食品や衣料など小型の荷物が中心で、当社が得意とする分野の貨物は少ないと言えます。東北の中心都市であることには間違いないのですが、周辺に工場が少なく物流市場自体のポテンシャルがそれほど高くないことから、当社では仙台市内の物流のみで事業を完結しようとは考えてきませんでした。今後も、仙台市内の物流に注力することはないと思います。

今、最も注目しているエリアは、トヨタの自動車製造子会社であるセントラル自動車や、半導体製造装置世界2位の東京エレクトロンといった大企業が進出を決定した宮城県北部です。これらの企業が進出すれば、関連企業を含めた産業の集積も進み、物流の需要も生まれます。当社にとっては100年に1度の大きなビジネスチャンス。セントラル自動車が進出を予定している土地周辺に当社もすでに土地を取得し、拠点構築に向け動き始めています。

3PL業務の全国展開を視野に日立物流と提携

東北エリアにおける物流ニーズの代表的なものとして、同地で生産された穀物の保管・全国輸送業務がまず挙げられます。地元で収穫された米、大豆等の穀物は、これまでは主に農協系の自社倉庫で保管されていましたが、それらの倉庫は小規模で使い勝手があまり良くない上に、老朽化が進んでいます。最近では、民間企業の近代的営業倉庫のニーズが高まっており、弊社でもここ2~3年は、米や穀物等の保管需要に応えられるよう設備投資を進めています。今年11月には、山形県東根市にある大森工業団地の隣接地に約2,100坪の営業倉庫を完成させました。うち約1,200坪は、米や穀物等の保管需要を見越し、摂氏5℃~15℃で温度管理できる定温機能を持つ倉庫にしています。

ただ、今年春頃からの小麦・とうもろこしの価格高騰が、物流市場にも影響を与えています。というのも、食パンやパスタの値段が急上昇して、これまで人気のなかった米が売れるようになり、昨年産の米の在庫がほとんどない状態なのです。これは餅についても同様です。例年であれば、年末まで保管需要がある餅も、売れ行き好調のため倉庫に入らなくなってしまいました。米や餅が売れるのは、その生産地である東北全体にとっては良いことなのですが、倉庫が空くということは、物流業者にとっては相当の打撃です。特に穀物は、季節やその他の条件によって在庫に変動が生じやすく、そういった"季節波動"をどう吸収するのかは長年の課題となっています。例えば、備蓄用の政府米や季節波動の少ない大豆や根菜類の保管量を増やすなどして、通年で倉庫の空きがないように調整しています。

他に東北特有の荷としては、木材や車のタイヤなどがあるでしょう。タイヤに関しては、夏用タイヤのみならず、積雪の季節に対応した冬用タイヤの需要もあります。年に2回の需要があるタイヤは、このエリア特有の荷だと言えるかもしれません。

近年は、東北エリアの物流市場も競争が激しくなり、特に最近の原油高により従来の運輸を中心とする物流だけでは生き残りが厳しくなってきました。当社の今後の課題としては、運輸を中心とする物流業務から、より付加価値の高い物流へと転換していくことが重要だと考えています。企業の物流業務を一括して請け負う3PL業務もその一つです。当社では3PL業務を全国規模で展開したいと考え、ちょうど1年前の平成19年12月、3PLの最先端のノウハウをお持ちの日立物流と資本・業務提携を行いました。

また、単に荷物を運ぶだけではなく、輸送や保管業務の前後に不可欠な流通加工業務にも積極的に対応しています。実際の例としては、工場の生産や検査部門に要員を派遣したり回収された電線をリサイクル用として再出荷したり、飲料ペットボトルの1本1本に景品をつけたり、あるいは通販カタログをセットして配送するなどの作業を、自社のセンターで請け負っています。

次に狙うのは対ロシア物流現地で委託販売倉庫業を開始

また、東北エリアや日本国内だけにとどまるのではなく、海外にも目を向けていく必要があると思っています。当社が今後、大きなビジネスチャンスとして狙っているのは海外です。中国へはすでに多くの物流企業が進出していますから、後発でしかもエリア的に距離のある東北の私どもがかなうわけはありません。それよりも、当社が基盤とする東北エリアの地勢を生かしてこれから勝負できるのは、未開拓の極東ロシアだと思っています。

かつて国際物流といえば、太平洋側を拠点とする対米貿易ばかりが語られてきました。しかし近年、日本海側と上海や香港を結んだ対アジア貿易が盛り上がりを見せているのは明らかです。日本海側の国際物流に対する利点が再認識される中で、極東に近いという東北の地の利を生かした対ロシアビジネスや物流が、脚光を浴びてきているのです。

また、既存のヨーロッパ側からの対ロシア物流を補完するルートとして、極東側からの物流が求められているという事情もあります。対ロシア物流は、北はフィンランドから、南はエストニアから陸路でトラックを使って入ってくるのが一般的です。しかし、ヨーロッパ側からの入り口であるモスクワの税関付近では、道路をはじめインフラの整備が遅れている上に、40~50キロものトラックの渋滞が起きているのが現状です。そこで、ヨーロッパ側からだけでなく、極東からの物流ルートも開拓していく必要があるという考え方が浮上してきています。

近年、ロシア経済の成長とともに極東地域での購買力も高まり、日本の商品を求める人が増えたり、企業の進出を求めるなど、日本企業やその商品に対するニーズが高まってきています。それに対して、東北の各自治体も、農産物を中心とする対ロシア輸出に力を入れるようになりました。宮城県は、先日、対ロシア協力を目的に「宮城ロシア貿易促進コンソーシアム」を立ち上げ、当社もその共同代表の一員に任命され活動を進めています。また、秋田県も新潟県も、ウラジオストクとの航路開通を目指しています。

このように、日本企業にとって大きなビジネスチャンスが期待できる極東ロシアですが、問題は、中小規模の荷主が現地に進出し、営業拠点を構えるにはまだまだリスクが大きいということです。そこで、すでにウラジオストクに拠点を置き、ロシア向け中古車輸出事業に乗り出していた当社が、平成17年に、さらにハバロフスクに現地法人センコン・ロシアを設立し、同市郊外に借り受けた倉庫で日本製品の保管・輸送業務を始めました。しかし、日本からの物量は思うように集まらず市内中央部に移転。事務所の一角を日本企業の商品を展示販売するアンテナショップに改装し、商品の広告宣伝や市場調査を行うとともに、ロシアにおける販売代理店の募集など流通の可能性を探る役割を担っています。ロシアへ持ち込む荷が増えれば、物流も生まれます。当社がロシアでの販売網を開拓し、モノの流れを作るという意気込みでやっているわけです。

実は、ロシア国内での販売ライセンスを取得するには、素材や生産地に関する詳細な書類を用意する必要があり、かなり面倒な作業です。ロシアへ進出を考えている企業は、それだけでも尻込みしてしまいます。そこで、当社が販売ライセンス取得の手続きから通関業務、在庫管理、販売代金の回収まで、すべて代行しています。また、いったん極東で取得した販売ライセンスは、ロシア全土で通用します。市場チャンスはやはりロシア西部にありますから、最終的には、極東のみならずロシア全土で日本の商品を流通させ、その物流を担っていきたいと考えています。

現在、私どもが取り扱っている商品としては、インスタント食品からコーヒー、お茶、食器、ポット、アクセサリー、化粧品まで多岐にわたります。こうした生活資材の物流は、ロシアでは完成されていないのが実情です。ですから当社では、まず、生活資材を中心とした物流を展開していきたいと考えています。ルートとしては、仙台港からウラジオストク経由でハバロフスクへ陸送する、あるいは日本の港から釜山経由でウラジオストク、空路であれば新潟空港からウラジオストクかハバロフスクあるいは仙台空港からインチョン経由でハバロフスク空港へ空輸するルートがあるでしょう。当社の対ロシア戦略としてのビジネスの挑戦は、今はまだ試行錯誤の域を出ていませんが、1年後にはかなり具体的な事例としてご紹介できるものと思います。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2008年冬季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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