活況を呈する北海道・東北エリアの倉庫・配送センターニーズを検証する
広がる平原に遠い山並み、冬の厳しい自然、北の大地・北海道。そして山深い奥羽山脈と平野一面に実る稲穂、日本の原風景・東北。両エリアに対し私たちが一般的に抱くイメージは、このようなものではないだろうか。どちらも札幌市、仙台市とそれぞれ政令指定都市を有するものの、郊外の人口集積はいずれも小規模で、またそれが広域に広がっているため産業集積には独特の難しさを持っている。これまで、商業集積や工業集積、それに付随する物流面においても、さほど注目を集めることのなかった北海道・東北エリアだが、近年、その状況が大きく変化しつつある。大型商業施設の地方都市への進出、製造業の国内回帰による新規工場設立の増加。これに伴って物流施設の開発も盛んに行われ、近年の北海道・東北エリアの物流施設新規着工量は、各道県とも軒並み増加傾向となっている。今回の物流マーケット情報では、この北海道・東北にスポットを当て、各エリアの物流トピックスや地域特性、賃貸市場の動向・相場観などを明らかにする。
北海道エリア
| 1 | 2008年3月開設 | 花王・カネボウ、2007年11月から順次進められている物流拠点統合と共通取引先へのグループ内共同配送の実施に向け、北海道石狩市の花王石狩ロジスティクスセンター内にカネボウ化粧品の北海道センターを移転統合。北海道全域を配送エリアとする化粧品統合型の物流センターを開設。敷地面積約3万5000m2。 |
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| 2 | 2007年12月開設 | 総合食品卸の日本アクセス北海道、小樽市銭函に国内最大級の物流拠点「石狩チルド物流センター」を開設。敷地約3万3000m2、延床面積約1万5000m2、乳製品や和洋日配、惣菜などの専用センターとなる。 |
| 3 | 2008年4月竣工 | 小樽本社の食品急送、石狩湾新港に4温度帯での品質管理が可能な物流施設「石狩センター」を開設。1万3300m2の敷地に、建物は地上2階建、延床面積4000m2の規模で、ホームを広く取ったスルー型の施設となっている。 |
| 4 | 2009年1月予定 |
 ラサール インベストメント マネージメント、道央自動車道「江別西IC」3.5kmの立地に、同社北海道初の物流施設投資案件となる「ロジポート北海道」を開発。Ⅰ期工事として、地上2階建、延床面積約2万m2のマルチテナント型物流施設が建設される。 |
| 5 | 2009年5月竣工予定 |
 札幌市本社のエルムコーポレーション、札幌市白石区に、地上2階建、延床面積約1万5000m2の「(仮称)札幌米里エルムPDセンター」を開発。施工は積水ハウス・山一建設共同企業体。ドライ倉庫と事務所の施設となり、竣工後は大手物流会社に一括賃貸される。 |
| 6 | 2008年8月竣工 | 東京都中央区に本社を置く東海運、札幌市白石区に「ワールドサプライ札幌配送センター」を開設。地上4階、延床面積約3300m2の規模となっている。 |
| 7 | 2007年8月開設 |
 日本通運、道央自動車道「札幌南IC」2km、JR貨物札幌貨物ターミナル1kmに位置する札幌市白石区の同社主要物流拠点「大谷地流通センター」内に、「新札幌第2物流センター」を開設。地上2階建、延床面積約5000m2の同施設では、キヤノンビジネスサポートの3PL業務が行われている。 |
| 8 | 2008年12月営業開始 | 室蘭海陸通運、道央圏の複数拠点を総括する新物流センターを道央自動車道「札幌南IC」やJR札幌貨物ターミナルに程近い札幌市白石区物流センター内に建設。新センターの規模は、地上2階建、敷地面積約1万5000m2、延床面積約8000m2。 |
| 9 | 2007年9月取得 | プロロジス、札幌市のパナソニックロジスティクス物流施設を取得、セールアンドリースバックで「プロロジスパーク札幌」に。 |
| 10 | 2008年12月稼動予定 | 医療用・一般用の衣料品、化粧品、日用品等の卸売りメディセオ・パルタックホールディングス、昨年取得した北広島市大曲工業団地内の北海道ぺプシコーラ札幌工場跡地(敷地約2万m2)に、大規模物流センター(RCD)を新築。事業は完全子会社のパルタックがとり行う。 |
| 11 | 2008年度内公募開始 | 札幌への近さと道央自動車道や国道36号線等への交通アクセスの良さから、道内の物流適地として注目される北広島市。同市内6ヵ所目となる工業団地「(仮称)輪厚工業団地」の造成・企業誘致・土地販売が、北広島市土地開発公社から一括して民間に業務委託される。区域面積は約60ha。約50haが造成され、分譲面積は約35ha。 |
| 12 | 2007年12月開設 | 三井倉庫の子会社・北海三井倉庫、北広島市に機密文書保管に特化した専用施設「北海三井倉庫レコードセンター」を開設。地上3階建、延床面積1700m2、最高水準のセキュリティ機能と、震度7に耐え得る耐震性能を有する。 |
| 13 | 2007年11月開設 |
 東急ストア、傘下の札幌東急ストアの物流体制再構築施策として、札幌市に隣接する北広島市に物流センターを新設。業容拡大によりこれまで複数利用していた倉庫を統合するもので、メーカーや卸からの荷受け一元化から、業務の効率化を図る。 |
| 14 | 2007年10月開設 | 札幌本社の物流会社シズナイロゴス、恵庭市に新物流センターを開設。地上2階建、延床面積約8000m2。これまでの札幌白石、千歳両センターの2倍の規模となり、主に食品の保管、道内問屋への出荷等に利用される。 |
| 15 | 2007年3月取得 | 日本レップ、約2万1000m2の敷地に1万7000m2強の延床面積をもつ恵庭市の物流施設を取得、「J-REP恵庭」に。同社はその他、北海道には「J-REP札幌」を保有。 |
| 16 | 2007年8月開設 | 豊田通商、苫小牧に土地を取得し、支店と物流センターを開設。敷地面積約1万2000m2、支店は2階建700m2、物流センターは平屋建720m2。 |
| 17 | 2008年8月開始 | これまで入船地区に立地してきた苫小牧港国際コンテナターミナル、東港区中央埠頭へ拡張移転。現在の10.8ha(コンテナヤード8ha)の規模が、21.9ha(コンテナヤード16ha)と入船の2倍になる。将来的には今年着工した12m岸壁やガントリークレーン等も整備される予定。 |
