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賃貸物流倉庫・大型貸し倉庫の記事

船井総合研究所廣田氏が語る物流マーケット

廣田 幹浩 氏

通販の拡大に対応した業者・施設のみが生き残る、
物流サバイバル時代の到来。

株式会社 船井総合研究所
経営戦略事業部 チームリーダー
シニア経営コンサルタント 廣田 幹浩

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業種別とテーマ別、2つの視点で 顧客企業の業績改善をサポート

当社は1970年、経営コンサルタントとして第一人者であった舩井幸雄が「日本マーケティングセンター」として設立したコンサルティングファームです。以来、常に業界のリーディングカンパニーとして実績を積み上げ、1985年には上場準備に伴い現社名に変更。1988年には経営コンサルティング業界では世界で初めて上場を果たしました。現在は東京証券取引所1部に上場しております。

当社のサービスの特長は2つあります。即時業績向上をテーマとした売上向上のための仕組みづくりや、コスト削減などの実務に主軸を置いている点。もう1つは業種別、テーマ別の2つの視点からコンサルティングサービスを提供している点です。業種別では現在約110業種別研究会を設置し、専門分野に特化した業績向上の成功事例を共有しています。一方、物流をはじめ、財務、教育、後継者育成などのテーマ別にも専門のコンサルタントを配しています。私の専門はSCMおよびロジスティクスですが、この部門だけでも11人のスタッフがいます。

例えば多くの物流コンサルティング会社では、まず顧客企業のビジネスモデルを把握するところから業務を始める必要があるのですが、当社では業種別、テーマ別のいわば、縦軸と横軸を組み合わせたコンサルティングを行うため、より迅速に企業のバリューアップを実現することが可能になるのです。

通信販売の拡大によって 集約から分散へ移行する物流拠点

このところ、顧客企業から売上の向上を目的とした物流体制の強化の相談が増えています。以前、特にリーマンショック後しばらくは、物流拠点の集約や業者変更など、コスト削減の依頼が90%近くを占めていたのですが、現在は依頼の80%以上が売上を伸ばすために物流体制を強化したいという企業からの相談となっています。

この変化の背景にあるのは経済環境の好転もありますが、最大の要因は通信販売の拡大だと考えています。リアルマーケットだけではなく、WEBマーケットでの売上拡大のために、メーカー、小売業とも多くの企業が通販に力を入れています。こうした中、物流において売上に直結するサービスレベルの向上の最大のポイントは納期の短縮です。具体的には、注文の締切時間をできるだけ遅くし、注文から到着までの納期の短縮を実現することです。最近では8〜10時間後の納品を目指そうという動きになっています。

5~6年前と比べるとヤマト運輸や佐川急便などの路線業者の対応力が非常に上がったため、東京、あるいは大阪近郊の1拠点に物流センターを集約しても、及第点レベルの全国配送を構築することは可能です。しかし、今日のようにECの納期対応サービスレベルが向上すると、東京1拠点では翌日納品を行うためには受注締切時間を早くせざるを得ないのです。そうせず受注締切時間を遅くすると翌日配送エリアが狭まってしまう等、サービスレベルが低下してしまいます。それは関東1拠点型の物流センター体制の企業に多く、結果として西日本での売上が伸び悩むといったケースが散見されます。

このため、物流施設の多拠点化を実施する企業が増えており、特に小売業ではこの傾向が顕著で、従来の物流と通販を分けてセンターをつくる企業も増えています。なぜなら、従来型の物流と通販のそれとは、在庫数量も出荷単位も異なり、同じ拠点の在庫で両方を実施しようとすると、作業オペレーションが複雑になり、効率的なオペレーションができないからです。そのためビジネスとして成功を目指すなら、通販を分けて拠点を開発する必要がありますし、同一拠点内でも、せめてフロアを分ける程度の配慮は必要だと言えます。

分けるといっても、増やすべきなのは保管倉庫ではなく、輸送・保管・入出荷・流通加工・梱包の5機能を備えた物流センターを構築することを指しています。こうした投資に対して、以前はコストの総額が問題視されましたが、現在では、売上に対するコスト比率が重視される傾向にあり、売上を上げるために物流コスト比率が同じであれば物流拠点構築にコストを掛けていこうという考え方を持つ企業が増えてきました。一般には、東京プラス関西、あるいはその逆といった多拠点化が多いのですが、この場合には在庫管理に注意が必要です。拠点が分散すればするほど安全在庫が増え、結果的に業績悪化につながるため、しっかりとした在庫管理のルールを決め、徹底することが重要になります。

では、全国にどれだけ持てばいいのかと言うと、正解はありません。例えば、翌日配送は本州だけでいいというのであれば1拠点でもまかなえるかもしれません。要はその企業の経営戦略であり、サービスレベルをどこまで上げようとするかによって変わるものでしょう。実際には、多拠点化を実施し、受注時間の後ろ倒しと翌日配送という全国同一レベルのサービスを実現して、売上をアップさせた企業の例はいくつもあります。

荷主のビジネスモデルの変化で 物流企業へのニーズにも異変が

こうした荷主企業のビジネスモデルの変化は、物流施設のあり方にも変化をもたらしています。まずエリアについてですが、BCPの観点から、とりあえず湾岸エリアからは離れようという意識はあるようです。しかし、東日本大震災直後の2011年の秋頃をピークに、最近では、BCPはいくつかある施設要件の1つではあっても最重要課題ではなくなってきており、優先順位は下がっているようです。BCPがクリアできても、サービスレベルがクリアできないのでは、今日のニーズにはそぐわなくなっているからです。

都心への交通アクセスを考えると、関東圏であれば、以前は国道16号線沿い、あるいは外環自動車道沿いが良いと言われてきましたが、最近では圏央道周辺の評価が上がっているようで、顧客企業の経営者の方からも、よく話が出るようになっています。久喜周辺がそのエリアに該当しますが、圏央道全体が開通すれば、もっと人気が高まるのではないでしょうか。また、外環自動車道と常磐道の結節点である三郷周辺も、ホットなスポットになっています

我々が顧客企業に勧める物件は、コストより立地を重視しています。多少コストが上がっても、客数を増やしていくにはサービスレベルを上げなくてはならない。そのためには物流センターの立地が大きな要素になるからです。その観点から言うと、路線業者の旗艦店の近くに拠点を持つという考え方です。旗艦店に近いほど、時間が短縮できるからです。ある包装資材の企業は土地コストが安いことから栃木に物流拠点を出しましたが、東京への配送は不便なものの、それでも路線会社の旗艦店の近くであることにはこだわっていました。拠点自体のコストが安く、しかも輸送のサービスレベルも充足できるという考えからの拠点展開だと言えます。

路線会社側も、ヤマト運輸は羽田、厚木、大阪などに旗艦店を作る動きがありますし、佐川急便も自ら大型センターを全国展開していくことを公表しています。また、他の大手路線会社もこの流れに追随して、設備投資を進めています。本来なら、路線会社が物流拠点を持って、そこで通販の仕分けをするのが一番美しいモデルですから、このニーズは今後、ますます顕著になっていくのではないでしょうか。

加えて立地の観点から言うと、人材調達がしやすい地域であることも重要な要点です。いくら格安の施設を手配したとしても、あまりに交通の便が悪く、労働人口が少ない地域では、人材獲得コストの方が高くつく可能性があるからです。また、施設面から見ると、災害対策がなされていることも重要です。例えば免震など、オフィスビルなどと比較しても施設選びの優先順位の上位にあり、荷主サイドでも免震が当たり前のような印象を持っているほどです。ただし、最近着工する施設では、建築費の高騰により、免震では建設単価が上がりデベロッパーの収益を悪化させかねないことから、徐々に減りつつあるようです。その分、地盤が強固なエリアを選んで、耐震設計程度にとどめている企業も増えているようです。

これら人材確保や施設の安全性の面から考えて、昨今の大型物流施設やハイスペックな施設の需要が高いのはご存知のとおりです。庫内作業、配送費、人材コストという、物流コストにおける三大要素のバランスを上手にとることで、新しい拠点の運営戦略を作ることが重要になっているのです。

最近の荷主サイドの動きとして、顧客企業から東京・大阪の大都市圏だけでも自社物流にすべきではないか、という相談もあります。通販で売上が200億~300億円を超えてくると、路線会社に対する依存度が高くなり、配送料の値上げがあると利益の数%が一気に消えていくわけですから、いわば当然の発想と言えるでしょう。ただし自社物流といっても、先に挙げた、輸送・保管・入出荷・流通加工・包装梱包の5機能すべてを行うわけではありません。中でも重視されているのは、リードタイムを短縮し、しかも輸送コストを安くするために、顧客までのいわゆる「ラスト1マイル」を自社車両でルート配送しようという動きが出てきています。そうなると当然、物流センターも自社車両を置いておくことを前提とした施設が求められるようになるでしょう。

かつては自社調達だった物流が、時代とともにアウトソーシング中心になってきましたが、それを改めて自社物流に切り替える企業が出てきています。それだけ物流におけるサービスレベルの向上が、売上アップのための重要なポイントになっているといえます。こうした動きに伴い、大型施設の借り手も、かつては3PL事業者がほとんどでしたが、現在は荷主企業が直接借りる、もしくは荷主が物件を探し、アウトソーサーである3PL事業者が代わりに借りるというケースが増えてきています。つまり、それだけ物流マーケットが重視されていると言うことでしょう。

資金力のある大手物流企業の 優位性がますます顕著に

当社では、顧客企業から、3PL事業者選択のためのコンペのジャッジを依頼されることがあります。そうした際には、

  • 荷主のビジネスモデルへの理解
  • スタートから安定までの立ち上げスピード
  • ITのシステムリテラシー

の3点を重視します。ITリテラシーとは、システム開発の知識があるかどうか、あるいは改善のための提案が出来るかどうかを指しています。

また、施設面で力量は

  • ワーカーの人材調達力
  • 輸送網の調達力
  • 拠点調達力(扱い量が増えたとき自社保 有、もしくは代替施設を準備できるか)

で測っています。

加えて物流センターの物件環境としては、これまで述べてきたように

  • 人材を確保しやすいエリアか
  • 夜間稼働ができるか
  • 路線企業の旗艦店が近くにあるか

を重視しています。

こうして見ると、どうしても提案レベルの高い企業に偏る傾向があり、一方、中途半端な企業は市場から退出せざるを得ないのが現状でしょう。事実、コンペの参加者も提案レベルの高い企業ばかりです。

こうした中、物流会社も、総合型の割合が減り、足回りに特化した輸送型、地域に特化した倉庫型など、それぞれの強みに合わせて差別化を図ろうとしています。

荷主企業のニーズに適応した企業だけが生き残る、厳しい時代が到来した、と言えるのではないでしょうか。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2014年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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